| 晩夏の剣沢BC.その2 前剣東尾根. 源次郎尾根 晩夏の劔岳bc1.八ッ峰上半・下半 晩夏の劔岳bc2.前剣東尾根・源次郎尾根 晩夏の劔岳bc3.マイナーピーク 前剣岳東尾根から平蔵谷へ |
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武蔵谷.雪渓末端底 |
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| 8月30日.前剣東尾根.Cルンゼより左尾根 真砂沢bc3. 9:00一9:52武蔵谷出合一10:05雪渓末端:25一11:16.アイゼン使用.:28一11:48Cルンゼ出合. 武蔵谷は剣沢出合より切れ落ちた滝になっている。 左岸より武蔵谷に入る。雪渓末端までの間.10m程の滝を飛沫を上げで直登する。 陽のサンサン照り付ける中.飛冴を攀じるのはなかなか爽快だった。 ![]() 武蔵谷 武蔵雪渓末端.残雪の厚さは10mを越す雪壁を築いている。 雪渓が圧して出来た谷底の空洞は蒼氷の闇壁となり.陽を通さぬ雪氷に包まれ冷気が流れていた。 僕も三浦も急に冷蔵庫に入ったようになる。鳥肌が立ち.空洞の奥から沢底に溜められた冷気がやってくる。 僕はこの冷霧の湧き出す雪渓末端で.ピッケルを振るい氷片を幾つかを食器に移し.口に運ぶ。 雪渓の上には左岸を絡め攀じる。ホールドが殆ど逆層で斜めに落ちている嫌な所だった。 武蔵谷の中程,左岸から落ちているガリーの入口.ここで雪渓は一度大きく割れ.両岸には大きなフランクフルトを造っていた。 その為,くびれた上部の雪渓に渡るのに苦労する。一番狭い所を狙うが.そこは巾1mのフランクフルト。 ハング気味の対岸は谷底まで少なくとも15mはある。 不気味な底知れぬ口へ石ころを投げ込むと.暫らく間が空いて底に着く鈍い音が返ってきた。 覚悟を決め段違いの対岸に飛び移る。 雪渓より10cm程高い右岸の岩棚は飛び越えたと云うより.岩に向かって抱き付いたと云う方が正しいかも知れない。 |
武蔵谷.取り付き 左岸逆層からCルンゼ左俣.チョークストーンへ |
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| 前剣東尾根Cルンゼ 11:48Cルンゼ12:35一13:34.第2コル一13:56前剣岳14:30一15:07平蔵谷出合一15:52真砂沢bc4 傾斜を増した上部雪渓にアイゼンを利かし.東尾根Cルンゼへと遡る。ルンゼはかなり上部なので初め迷った。 又簡単に左岸に移れたものの.もう少し口が大きければ下降にも相当時間を要しただろう。 ルンゼの取付き5mの涸滝を直登して底を着実に遡る。 すぐ現れる二股は右ルンゼに入れば.直ぐ草付きになるが左を取る。 単調なルンゼは岩溝を変える事もなく傾斜も弱い。 途中,チムニーらしきものは左を.大きなチョウクストーンは体がゆうゆう入り.三点確保もなく抜けられた。 剣沢と前剣東尾根稜線 やがて際立った峰が現れるが前剣と勘違いし易い。1つ手間のコブ. 第2コル手前の峰も視界が広がると.もう直ぐだった。 第2のコルにでる。岩稜と這松の坦々としたリッジを詰めれば前剣の頂が現れた。 今日も西側の岳はガスに包まれている。明日登る源次郎尾根.第2峰をじっくり眺め.平蔵谷へ下った。 昨日より硬い雪質にグリセードは快適に剣沢雪渓へ滑り下りた。 一般に前剣東尾根は八ッ峰に比べホールドが高く.馬力の使う所だった。 前剣東尾根と平蔵谷前剣ケ岳.剣岳.長次郎ノ頭.八ッ峰頭. 本州付近は高気圧(30日9時.1018.)に被われ,全体的に天気に恵まれるが.北海道方面は相変わらず前線が留まっている。 又東シナ海には台風17(9時.986,)が発生.朝鮮方面に向かう見込み。 16号(9時.974.)は依然.南方海上を西進し.威力は増々強まった。14時.966ミニバール 剣岳源次郎尾根 |
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| 長次郎谷と平蔵谷に挟まれた源次郎尾根 右側が八ッ峰ノ頭とY峰 . |
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平蔵の残雪と源次郎尾根U峰.T峰 剣沢上部より 乗越より熊岩と源次郎尾根.PUの壁 長次郎雪渓上部よりPU8月31日晴. 長次郎谷より源次郎尾根 真砂沢bc4. 9:20一10:00ルンゼ出合:20一11:00稜線一11:29峰一11:31(コル):59一12:10.平蔵からの径と合流 一12:41(P1)一12:50(P1.2ノコル)13:18一13:36(P2). 頂稜へ 源次郎尾根の取付きは長次郎谷出合より20分遡った所にあり.ルンゼの残雪は消えていた。 初めは大きなゴーロで三点確保を用いたものの.殆ど稜線まで足だけで登ることができる。 カラッとした陽差しに這松の香が漂い.望むP1が目の前にそそり立っている。 鞍部から直ぐ右手(長次郎側)の岩肌に取り付く。壁の傾斜70度内外.距離にして40mはあると思う。 P1手前に.こんな壁があるとは思わなかった。がっちりしたホールドが先々を導いて行く。 そして壁からブッシュ帯に入る所にレッジがあった。この時.壁の右端で落石が起こる。 ゴーンゴーンと凄まじい音を立て.岩砂を巻き上げ落ちて行く。自然落石だ。急に背筋が冷たくなる。 源次郎尾根.ルンゼ内尾根 ブッシュに入ると斜面は前に劣らず傾斜を保ち.登るのに木の根を掴み々の腕力になる。 この登り詰めた峰は1峰手前のコブで.ブッシュを駆け下り1峰とのコルにでた。 尾根筋.平蔵側の踏み跡と合わさって岩稜PTへ。P1は平蔵側を絡み.コルからはリッジ沿いに歩む。 ここは右に這松のブッシュを敷き占める緑のジュウタンと.左は平蔵に広がる岩石帯をはっきり分けていた。 コントラストの狭い岩稜にでる。 何処までも蒼い空にP2の頭は近かった。 13:36(P2)一13:39(アップ.ザイレン)15:08一15:45剣ヶ岳16:20一16:32長次郎ノ窓一17:40長次郎出合一17:55bc5.6. P2.懸垂 ![]() |
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PU |
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| PUの壁 P2. 少し下って30mの壁が尾根上に切れ落ちていた。 八ッ峰下半.上半で.そして昨日.前剣尾根で見詰め続けてきた源次郎尾根のポイントが足元に切れ落ちている。 傾斜はそう急ではないが完全な壁である。途中.3〜4ヶ所レッジらしきものが見受けられる。 又下から4〜5m上には最大巾1mのバンドが.右から左へ(剣岳から)流れて岩稜へと続いていた。 |
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源次郎尾根P2.剣側30mの壁 |
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| 懸垂 ここを1時間半.掛けて懸垂した。 11mmナイロンザイル40mをダブルにしても底まで届かなかった。 固定された鎖のピンを利用し.捨て縄8mm15mをダブルにするとバンドに3m程垂れる。 僕等は今までの心配をよそに快適に下りた。 不安は下る1歩だけだった。ザイルを握り両足が壁に着くと.もう全てが分かっていた。 深く切れ落ちた足元を覗くも恐怖心は湧かなかった。 懸垂中.冬篭りの為,剣沢小屋に行き通うヘリコプターをはっきり見定めることができた。 ザイルを両手に持ち.小さなレッジに足先を掛けていると.澄んだ空気を切ってヘリの爆音が伝わってくる。 ザイルに寄り掛かり空を仰いだ。 三浦の声が聞こえてきた。「如何した!」。僕は再び懸垂を始める。 ザイルは思いのほか伸びた。底の基盤に立ち.手を離すと生き物のようザイルが縮まり.揚がって行く。 頂よりベースへ もう這い松混じりの岩稜を30分も登れば本峰.剣の頂にでる。 長次郎のコルを経ればグリセードが待っている。長次郎谷のクレパスを避け熊岩上部をトラバースし.5.6のコル出合まで滑った。 軽やかな気持で明日は停滞にしよう。 ついに高千穂大も尻を上げた。僕等だけの晩餐が真砂沢のBcで待っている。 強くなった台風17号は朝鮮半島を北東進している。16号は南大東島を西進. そして北方アムール川流域からオホック海に掛けて,やや発達した低気圧(21時.990.)があり, 前線を伴なって日本海に延び深い気圧の谷が東進していた。 |
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剣岳より八ッ峰と熊岩 |
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| 9月01日雨.真砂沢c5停滞 運が良いのか悪いのか.停滞日には洗濯やらトカゲでもしようと思っていたが.昨夜の星空を裏切って曇天に。 ついに雨が降りだした。 雨は降りだすと絶え間なく降り.ラジオの感度も悪く天気図も書けなくなる。 何時まで降り続くのだろう。その為する事がなく食べてばかりいる。 午後一時.雨雲の切れ目を利用してスケッチした。 剣岳は濃いガスに包まれた間々だ。再び降り注いだ雨に仕方なくテントにくすぶっていた。 晩夏の劔岳bc1.八ッ峰上半・下半 晩夏の劔岳bc2.前剣東尾根・源次郎尾根 晩夏の劔岳bc3.マイナーピーク |