高妻山からの展望と昼寝
     今まで綴ってきた山道を分け.帰路は五地蔵山から若いネマガリタケの茂る弥勒尾根新道を選ぶ。紅葉の回廊から戸隠牧場へ戻る

    戸隠山奥社から登り返した高妻山
    高妻山の展望と弥勒尾根新道から戸隠牧場・・戸隠神告げ温泉・恐怖の路線バス

   十阿弥陀と戸隠連峰.8:38

    10月23日.高妻山より六弥勒の尾根を下る
      10:00十阿弥陀:15一10:27高妻山11:00, 一12:00小:10一12:20七薬師一12:25六弥勒:40一13:45小:55
      一南に派出尾根一14:30沢,戸隠牧場:35一15:10戸隠キャンプ場:23.

   十阿弥陀にでる。
     高妻山々頂は直ぐ先に見上げられた。雲1つない蒼空の下.この僅かな岩稜のプロムナードが素晴らしい。

      高妻山々頂.2352.8m
      

    妙高連峰.乙妻山の左肩に雨飾山
   高妻山の奥・・右の小さな重なりが鋸岳.10:20
    まだ未踏の雨飾山. 日本海の裏側に下るコースを模索中。

    焼山.火打山.妙高山
   高妻山の右奥.10:09
    妙高山斜め手前の窪地が笹ヶ峰. 妙高山から白馬岳1966.08

      頂の眺望
   山麓から見上げるのが常だった高妻山に立ち.妙高連峰と初めて雨飾山の山容を真近で眺める。
     乙妻山の左に雨飾山があり.右に長く連峰を控えるのが妙高山

   1966年07月初めて女子パーティに参加し.燕温泉から妙高連峰を縦走し小谷温泉から白馬三山に抜けている。
     この時は燕温泉から妙高山を越え長助ノ池へと入山日に2日分歩かされ.女子部員を背負うはめにもなっていた。
     3日目は停滞すると云う出発から波乱を含めたな山行だった。延々と歩んだ背稜が.ほどよい明るさで眺められていた。

    奥裾花と後立山連峰
   高妻山の左遠方.9:59
    白銀の稜は薬師岳.立山と剣岳.白馬三山

   黒部五郎岳.針ノ木岳.薬師.鹿島鑓ケ岳.立山.五龍岳.剣岳・・・白馬三山.蓮華岳.乗鞍岳.朝日岳
     高妻山の頂からは白銀煌く後立山から重なる立山連峰が長い山稜を連ね.遠方の槍.穂高岳山塊の端.笠ヶ岳まではっきり眺められていた。
     今年の夏.新穂高から読売新道を歩んでいる。丁度後立山の裏側になる尾根。左端奥に白く煌く岳がその奥に聳える薬師岳。

   手前に横切る尾根は高妻山から連なる山稜で.鬼無里と白馬を隔て車山.柄山.物見山.八方山.東山へと登っている。
     手前の谷間は奥裾花川流域になろう。

    アップの白馬三山
   左が唐松への八方尾根.10:00

   初めて白馬三山に入ったのはRHCに入部して2年目の夏. 妙高山から乙見山峠を越え姫川に下り.改めて猿倉からアルプスに入山した。
     その後は白馬大雪渓から針ノ木雪渓を下り.中高年になってからは大川と栂海新道を親不知に抜け日本海の海抜0mに下りている。
     白馬岳にはほぼ定期的に登っている山にも思われるが。山も好きだが雪渓がよい。

   どの山行も水を求めて歩む長い山旅だった。
     今回は一不動手前のツメ.氷清水で充分な水を確保でき.炊事には楽な山行になっている。

    西側の信越国境を遠望
   10:09

   菱ヶ岳. 黒姫山の右上が苗場山. 重なる手前が今年7月に志賀高原経由で登った鳥甲山
     中央右が笠ヶ岳.右の白根山.本白根山 ・・小さく浅間隠山と大きな四阿山.その直ぐ横が浅間山。

      北信から続く山々
   登り詰めた方向は千曲川の流れに広がる善光寺平の先.
     遠く浮かぶ雲海の彼方には苗場山に重なる鳥甲山から上信越志賀の山々が連なり望まれた。

   広大な雲海の彼方に浮かぶ山陰は八ヶ岳に奥秩父。南アルプス北部の山々と.間には秀麗たる富士山も眺められ,
     1つの小さな山形の集団が1つの山塊をなし.広い範囲の全ての山々が堪能できる頂になっていた。

   妙高山の東裾辺りでは殆どが日本海を面しているが遥か彼方に鳥海山も望めるという。
     北信の遥か先の甲信越国境を遠望し.御嶽・乗鞍山へと繋ぐと微妙に描かれた大らかに丸びを帯びた地平線をも見付けていた。
     間近な戸隠に並び頂に立つと大きな山容の後立山の山々が眼前に飛び出し驚かされてもいる。

   どの山にも記憶に刻まれている山々連なり.目線をある点に停めれば見詰める先のの山々が脳裏に大きく描かれた。
     そして新たな息吹の如く.忘れていた山々までもが蘇ている。
     最近訪れた草津白根山から鳥甲山の頂稜は黒姫高原の先にに綴られ.既に懐かしい山として見定められていた。

    八方睨.本院岳.西岳
   遠方は乗鞍岳と木曽御嶽山.10:22
    前日頂に立つ筈だった戸隠山.取付きで雨粒に打たれ諦めている

      天空
   今回は3人の単独行者と頂で出会っている。各々が岩片にもたれ,雲上の至福の時を過ごしていた。
     高妻山から周りを一応遠望し終えると改めて紺碧の蒼い空を仰ぎ.頭上には丸天井の空が広がっていた。
     無限に広がる蒼い空.その空の壮大な空間が一色の蒼いキャンパスで描かれている。

   天空の周りを囲むよう角膜に映され縁々には遠く幾つもの山波が薄く描き映されていた。
     山の天辺にしか判らぬ広い空.そして深い空がある。

   見応えのある眺望を何度も見詰めつつ.時を忘れ陽と遊ぶ優雅さは長閑で懐かしい。
     眠るでもなく岩場に背をもたれ.1時間ほど日向ぼっこする私。彼も同じ気持で岩片に腰を降ろしているのだろう。
     風もなく.贅沢すぎる時が流れていた。

   高妻山から乙妻山2315mへは左手がスパッと切れ落ちている所あり要注意.熊ノ平は小池とお花畑がある。往復2時間,少し荒れ気味
     乙妻山から村界峰2000m.合ノ峰1740mを経てミズバショウの鬼無里村.裾花川へ通じるルートはネマガリダケの密生が酷いルートは不明瞭。要注意

    奥裾花川源流
   足元に広がる紅葉に燃え上がる渓谷.10:21

   左手に戸隠連山を望む。高妻山の足元には奥裾花川が突き上げてをり.長野市鬼無里地区の最奥部。
     林道大川線を遡れば奥裾花渓谷が広がり.源流には壮絶に切り立った岩壁を連ねている。
     昔の「岳人」には四季それぞれの登攀記録が連載されていた地域だった。ほんの一部の岳人だけが入り込める岩壁の世界。

   近頃では奥裾花ダムの上流は奥裾花渓谷として世間に知られ.奥地には奥裾花自然公園が造られる。
     春先になると壮大に広がるミズバショウの群生地に観光客も訪れられるなうなったと云う。

   2015年05月に中条に住む先輩T氏の古民家に訪れ.先輩達と懐かしい親睦会を催された。
     翌日は奥裾花渓谷からミズバショウの自然園に回り込み.白沢峠を越えて大町の温泉街に宿っている。

    中央左が五地蔵山で四.三へと尾根は右へ下る
   八観音から登ってきた尾根を振り返る.11:33

    七薬師と並ぶ六弥勒と五地蔵山
   右端のコブ下が不動避難小屋.11:54
    左の頂裏から若い径を下山する

      若いネマガリタケの径・・弥勒尾根新道(みろく)からの下山
   六弥勒で菓子バンの軽食を摂り.ネマガリタケの密生する新しい登山道に入る。右脇の樹木に黄色いテープがマーキング用に巻かれていた。
     取り付きから新しい切り茎がまだ残る一直線の急坂を下る。傾斜はきつく周りは笹薮の茂みで視界は全く失われていた。

   2mを超すネマガリタケを押し開き.掴みズリ下りる。密生する足場は根元を踏むのがよく.茎の根曲りを踏むと乾いていても土混ざりで滑り易い。
     気を抜くと足先を取られた。以外と潅木の少ない急斜面が続く。茎を掴みバランスを取り下った。

   雨が降り土壌が濡れたならば大変な径になろう。根曲りに足を取られ度々滑ることになる。足首をやや深めに取り,滑るのを押さえ下る。
     傾斜が増し落ち始めると先が判りずらかった。

   時折赤テープのマーキングが目に付き先を示すも,踏み跡とは異なり.全体的にはまだまだ歩き難し。
     延々と続くネマガリタケ.ひたすらに高度を落し足を運ぶのみ。やがて直下から右尾根へ。五地蔵山から派出する東の尾根に入り込んでいる

    尾根は一度開け展望適地にでる
   戸隠牧場に下る。向いは御鷹巣山と黒姫山

      新道
   暫く尾根沿いに笹藪を漕ぎ下るとなだらかな下りになった。漸く視界が開ける所にでる。
     戸隠牧場の枯れ始めた牧草がやけに遠く.まだ緑残る牧草の絨毯が周りの紅葉に浮き出されるよう綺麗に見下ろされた。
     まだまだ遠いい裾野だった。いっときの視界も束の間.左右に広がる眺望も再び笹薮の中に入り込む。又視界は藪道

   やや古い径に変わり暫く進むとブナが現われ.根曲りに足を取られながら傾斜は落ち始めている。
     小ブナが広がり南寄りに尾根が分かれてから傾斜は更に落ちてきた。そして一瞬の痩せ尾根を抜けている。
     ここは両側の木々に閉ざされ.一見すると通り過ぎてしまう狭い場所だった。

   裾野から順番に径開きが行われ.3年ほど前に開かれたらしい。下の方の切り茎は古く.踏み跡も幾分確りしていた。
     ブナの森に入り1本. 牧場に平行するよう南へ延びる尾根に乗る。ここは樹冠を透し陽射しが舞い降りていた。

   枯葉の落ち始め落葉が大地を被い.積もる枯葉の径が深いクッションとなり大地を造っている。
     足というより体全体が乗るとゆっくり戻るようなソフトな落葉の林床の小径。時には這う根元を埋めながら判らずらくつまずきもした。
     雑木の裾野に下りるとこれまた違った見事までの紅葉を示している。陽光が透るようなり.輝き混ざる黄葉美もよかった。

    下半.傾斜の落ちた深い枯葉の絨毯
   麓にでて紅に染まる雑木の森

      紅葉の回廊
   漸く傾斜が落ちると左側の樹間の隙間から真近に牧場を見下ろすよう眺めている。ここは大洞沢.1つ北側から流れ込んだ沢で.
     牧場中央にでている。この小沢の水も旨い水だった。自宅でウィスキーに割ると彼は1.000ccの水を持ち帰宅する。
     贅沢にさではこの上もないが.この奥山に入り何故と思う。

   牧場の入口.ここにも道標はない。まだ知る人ぞ知る隠れた小径が綴られている。石コロのない根曲り多い小径。
     下部は雑木の平坦な森が続き.一年中落葉で埋まる径がある。

   黄昏だすと下るのに迷いような小径でもなる。裾野の樹海を緩やかにうねる小径。落葉に被われ.径は完全に失われた。
     幹をくねらす木々に樹間の狭い場所を径は綴っていた。エレキを付けての下山はまだ慎むべき径だった。六弥勒よりの下山ルート図

      後・・記
   石井スポーツ主催の2014年第54回夏山相談所がベルサール秋葉原で05月16〜18日に催された。
     その際.地元妙高市志に住む長澤静雄氏から高妻山に新道が2012年07月21日に完成したと声を掛けられた。

   聞くところによると5年ほど前に歩んだ弥勒尾根新道だった。詳細を聞くと小屋の主でありながらまだ歩んでいないとのこと。
     根曲りに足を取られ度々滑べり.雨が降れば危険な踏み跡径だった。その通りだったと頷く彼。
     今は綺麗に根底から刈り払われ.道標も確りし.誰もが歩ける立派な登山道になっている。改めて当時の感想をきかされた。

   ツメはネマガリタケの密生する急斜面の尾根の中道からは一時眺望が開かれ.後半は牧場に通じる緩やかな丘陵になっている。
     そこは新緑や紅葉時には枯葉で埋まる踏み跡で癒しの森が広がっている。なるほどその説明で行こうと頷いていた。

   ただ残念なことに今回は吾妻連峰と丹沢の山小屋経営者が欠席していた。
     家形山周辺からの五色温泉へのルートと山ビルの情報を知りたかったが聞きそびれている。

    飯縄山・雲仙寺山
   牧場にでてもまだまだ広がる蒼空
    牧場にでてそのまま沢沿いの作業道を中央牧舎へ

      戸隠牧場
   牧道をキャンプ場へ大きく巻き込む。風もなく頭上高く白雲を乗せた澄んだ蒼空がまだまだ高く広がっていた。
     戸隠から高妻山への山並と牧道を挟んだ反対側に黒姫山の大きな山容があり.広く広がる裾野は午後の霞みだした中にだった。

   鳥居川上流は深い山懐に抱かれ.その源流の戸隠高原.牧場は広い裾野に囲まれ.山肌は紅の秋色美に染められている。
     紅葉も最も艶やかな時期を迎えていた。そのくせ静か過ぎる牧道は歩む人もなく.斜陽した柔らかな陽射しだけが照り付けていた。

   山全体が溢れるばかりの紅葉を生んでいる。今この時ばかりと怒涛の如く燃え上がる華麗の姿だった。
     それは戸隠牧場を含み大きく広がる黒姫山の山肌をも.裾野は赤や黄に彩る秋色美で染め尽くしている。

    牧場より一不動から五地蔵山
   戸隠牧場を横切り振り返る.14:41
    五地蔵山裏に高妻山が隠れ.六弥勒から下り.右尾根を巻き込むよう下山した,

   日を追う毎に落葉を積み重ねる時期を迎えだしている。もう一雨降れば山々の樹葉は全てが裸林となり.風と共に落ちる。
     静寂し過ぎるのかアスファルトの道にでて急に靴音が響き。静かな山を求めた平日山行を選び.好天に変わった幸運に恵まれていた。
     私も彼も足の爪先が痛くなっている。笹薮の新しい山径を下ってきたためだろう。

   強い陽射しを浴びた午後の牧場.14:42

    14:30沢.戸隠牧場:35一15:10戸隠キャンプ場:23=中社,戸隠神告げ温泉.県道周り17:29=18:40jr長野
    新幹線「あさま584号」19:05=20:44上野=御徒町

      蕎麦
   下山してからは風呂と戸隠ソバのセット. バスの途中下車を密かに決めていた。その為フリー切符を求め往復¥2.600が¥2.500に。
     又日帰りの戸隠神告げ温泉は¥600が¥50引きになっている。

   2人の考えは中社で下車後.広場前の「うずら屋」に交渉.ザックを預かって頂き.ひと風呂浴びてくる予定でいた。そのソバ屋が4時閉店と。
     どっしり構えた高そうなソバ屋。語る言葉も丁寧な店員だったが時計は3時半を示している。
     戸隠中社スキー場前にある「戸隠神告げ温泉」まで.ザックを背負い10分程歩くことにした。

       戸隠神告げ温泉
   戸隠山は山岳信仰の霊場として「天の岩戸伝説」が昔から伝えられ.その御神徳を得て「戸隠神告げ温泉」と名付けられている。
     泉質は単純温泉(低張性.弱アルカリ性.低温泉)で透明度高く.ややぬく篭りの残る熱い湯で,体には柔らかい湯。
     湯殿の一面に広がる窓際からは紅葉溢れる樹林に囲まれ.眺めているだけでも癒される。

   施設内に「手打ち屋.安兵衛」の食事処がある。電動であるが石臼の製粉機を導入.地元のソバと地下1.208mの湧き出した温泉でソバを打つ。
     地粉十割手打ちソバは上州玉原高原で食べた十割ソバより感触はよく以外と香り高いソバ。

   若女将は信濃町から嫁いた美人の嫁さんだった。彼は黒木瞳に似ていると茶化している。
     それが利いたのかサービスの漬物を追加され.断れるも再びテ-ブルに乗る。

   又食卓で1匹のカメ虫を見る。飛びヨチヨチ歩く姿は可愛らしいが潰すと臭い虫。一昨年同じ時期,尾瀬大清水で大群に遇っている。
     安兵衛ソバは野菜天婦羅と山菜3品付き¥1.000. 後で判ったことだが温泉のチラシがセットで¥1.500

      恐怖の路線バス
   中社からJR長野へは往路とは異なり.県道回りの路線バスに乗車。乗客は私達2人だけだった。発車するや否や日が暮れる。
     バスのフロント前に陣取り.運転手と語りながら,バスは帳の降り始めた高原を下り.昔の街道に入る。
     幅広い往路と比べようもない狭い昔の旧道。運転手は嘆き.神告げ温泉はケチだと愚痴まで飛び出していた。

   うとうとしている間に街外れに路線バスは入り込む。擦れ違うには狭過ぎる旧街道の民家沿いを抜けている。
     そこを我がもの顔に闇の夜道をアクセルを踏み続けていた。ライトのフラッシュを何度も利かせ.停まることなく走り抜けた。それも距離がある。

   手馴れた運転はまるで闇のジェットコースターの如く.大型バスが街角を抜けて行く。
     緊張して運転を見守ること1時間.前席で見詰めている私には驚きと度胸がいた。
     この南側の街道が袖花川沿いに走る国道は鬼無里(おむさ)街道で.この道は善光寺に通じていた。

   10/16.コンロ代ホルダー@840.ノースフェース.インナーダウン@17.850・・山と高原09「妙高.戸隠.雨飾」.写真長塩.松村

     降雨で戸隠山から登り返した高妻山
     高妻山の展望と弥勒尾根新道から戸隠牧場・・戸隠神告げ温泉・恐怖の路線バス