後立山南部U・・連日の好天で展望に恵まれる。針ノ木峠から蓮華岳天下りと北葛岳.七倉岳の連山を綴る

     後立山南部T.扇沢から針ノ木雪渓
     後立山南部U.蓮華岳天下りと七倉岳・・起伏激しい森林限界の稜
     後立山南部V.船窪岳〜烏帽子岳ブナ立ち尾根

    明日目指す山々・・20日正午頃
   針ノ木峠より

    蓮華岳天下りから21日夜明け
   4:14

     左の高みから蓮華岳天下りを下り順に北葛岳・七倉岳と越えてゆく。
   北葛岳・七倉岳の間が唐沢岳から続く餓鬼岳. 中央右奥が東沢岳から燕岳に続く表銀

    頭に朝日を浴び
   5:11
    早立ちする必要もないが蒸す暑さにで小屋をでる。たらたらした登りも呆気なく蓮華岳の肩から頂に立った。

    餓鬼岳と高瀬川下流
   蓮華岳山頂より.7:11

     遠く重なる裾野への尾根
   蓮華岳日向山尾根と北葛尾根末端1965m峰(中央)に餓鬼岳からの枝尾根1908.8m峰

      8月21日土.快晴 針ノ木小屋〜船窪小屋h
    針ノ木小屋6:00一7:00蓮華岳:25一8:30北葛乗越:45一9:50北葛岳10:15一10:55七倉乗越11:05一12:05七倉岳:30
    一12:45船窪小屋h2.

     蓮華岳が大きく裾野を広げている。東尾根の末端は扇沢. 支尾根の日向山尾根の末端は籠沢出合の大町ダムまで延びている。
   その頂稜にはコマクサが群生するもも.今は枯れしがれた花が多い。ひと房の中に一輪.二輪と添えるよう元気に咲くコマクサもある。雨が恋しくも思えた。
   この場所特有と言われている白い花を咲かすコマクサを探すも認められず。ただこの暑さの中.ザレの隙間で可麗に頑張り咲き誇っている。

     若一王子神社奥社(にゃくいちおうじ)の祠を祀る頂に立った。視界はすこぶるよい。今日一日は眺望の利く山稜を歩むことになる。
   若一王子神社の本殿はjr大町駅近くにあり.那智大社第五殿に祀られる若一王子を歓請し.以降「若一の宮」(王寺.王子権現)と称されている。

     明治の神仏分離の際に寺号を廃して現社名に改称し.7月下旬の例大祭では鎌倉の鶴岡八幡宮,京都の加茂神社と並ぶ。
   三大流鏑馬の1つとして子供達の流鏑馬も行われ.舞台(山車)を曳き揃え稚児行列など盛大に催される。

    蓮華の天下り
   北葛乗越末端の岩稜・・葛岳岳の登りで.8:45

   天下りより葛岳岳と七倉岳.7:25
    北葛乗越,先が七倉乗越. 右の窪地が船窪乗越 

    北葛岳.七倉岳へと針ノ木谷南方の山々
   今日,明日の山稜.7:50

     北葛岳.七倉岳.低い船窪岳と船窪岳第二ピーク. 真下が北葛乗越。
   第二ピークから上へ不動岳と右肩が南沢岳.左へ綴れば野口五郎岳.更に吊尾根の先は前穂.奥穂槍ケ岳で左端のコブが大天井岳。
   野口五郎岳右肩からは水晶岳から小コブを越え赤牛岳.大きく薬師岳になる。

     頂の南面はザレから荒いガラ場が頂稜を埋める尾根 「蓮華の天下り」と称する急に落ち込む尾根が北葛乗越まで落ちている。
   昨日.針ノ木峠の小屋から一日中窓越に見詰めていた長い尾根。落ちるに落ちること高度差524mのガラ場を下る。この乗越で休んだ。

     振り返ると天下りは次第に険しい岩稜帯になり.最後は鎖が続く岩壁になっていた。稜の両側は鋭く落ち込んでいる。
   下った岩稜末端では不自然な落石音を聞いた。見上げると1人の登山者がルートを外れ下りてきた。その足元は壁になっている。
     「止まれ!」.「危ない!」と怒鳴る。気が付き停まる登山者.右手の針ノ木谷側に回り込むよう怒鳴った。他の登山者も気ずき怒鳴る。

     何度も礼を云う同年輩のハイカー.「時間は十分ある!」.「ゆっくり歩もう!」と伝える。
   その後は意識してか何度となく会うことになる3人娘が待っていた。

    船窪岳から不動岳へ続く山稜
  
     北葛岳山頂より・・9:06
   背景の水晶岳は頭を隠し不動岳側に寄る赤牛岳. 船窪岳の左奥は薬師岳. 越中沢岳と鳶岳,鷲岳・・間が五色ケ岳。
   北アルプス中央部に当たる長い山稜が綴られている。過って縦走して繋いで登った読売新道と背に乗る立山連峰。

     北葛乗越から再び275mほど登れば小さなお花畑を抜け北葛岳にでる。七倉岳は目の前に迫っていた。
   標高を見ると七倉乗越まで再び235m下ることになるが1本.1本で頂と鞍部で休み.その繰り返しで辿る行程になった。

    高瀬川源流の山々
   七倉岳を越え船窪小屋へ.6:46
    西鎌尾根と裏銀・・右は野口五郎岳と重なる鷲羽岳

    大天井岳から綴られた東鎌尾根と穂高槍連峰
   高瀬川流域,6:54

      私にとっては珍しい方向から眺める連山・・燕岳に乗る常念岳・大天井岳から前穂高岳.奥穂高岳.槍ケ岳。
   過って正月に爺ケ岳南尾根や岩小屋沢尾根を詰め.頂から望んだ槍.穂高岳の稜が雪白く煌めき聡明そのもの眺めだった覚えがある。

   蓮華岳山頂.7:09

     蓮華の頂で写真を頼まれ何枚が撮ってあげたのが切っ掛けになり.記念にと強引に撮られた私の姿。
   少しぶっきら棒さが伺える顔.もっとよい顔の筈だが。腕かよいのか.正直なのかわ分からない?

    餓鬼ケ岳と北葛尾根
  

    蓮華ケ岳
   砂礫帯から振り返り見上げる大きな岳である。

   天下りの最後の岩稜帯.8:45

    七倉岳と船窪乗越
   左景・・

    船窪岳
   右景・・

    七倉岳
  

   立山連山を見つつ山頂に立つ.9:56
    針ノ木峠からの天下りコースは擦れ違っては出会っていた同一メンバー。

    黒部と針ノ木岳
   頂より針ノ木谷越の山々.10:05
    鳶山,五色ケ岳と獅子岳.鬼岳.龍王岳・・雄山からは雲の中

     振り返ると針ノ木岳.蓮華岳は遠のき.歩んできた頂稜は湧き上がる北葛沢からのガスに埋め尽くされていた。
   大きく湧き立つガスは山越えをしては消えてゆく。昨日と同じスタイルの夏雲が湧いている。明日も安定した天気になるだろう。

     それにしてもこの標高はアルプスでは低山に数えられるが.この時期としては異常なほど暑い。
   それでいて昨日も雷雨が起こらないのが不思議だった。故積乱雲は見付けられずにいた。

     七倉乗越
     乗越にて.10:49
    石標と道標を覗き込む七倉乗越

    湧きあがる霧粒と船窪山
   南北に細長い七倉岳山頂.12:06

     七倉岳に至ると一変し穏やかな山稜に変わっいた。大きな山懐に入った気を起こさせ.大きな雲塊が大分領分を広げだしていた。
   風が起き霧粒が流れ込むも蒼空は失われず。頂を後にすれば船窪岳への分岐にでて.今日の宿.船窪小屋にでる。
   辿ってきた稜を望み.明日のルートを目で追いながら頂を後にする。

    船窪小屋
    

    船窪小屋
     山小屋は七倉尾根の森林限界上にあり.背は藪の茂みに閉ざされている。16:04.
   南側の玄関前広場からは明日の厳しさを知らせるよう起伏の激しい頂稜が重なり合い綴られ眺められている。
   見る程に上下するコブ山が深く谷へ落ち.更に登り連なる山稜になっている。

     山小屋に着くと待つよう鐘が2つ打たれ.私を迎えてくれた。後で分ったことだが私のための歓迎の意味らしい。
   土間に入る。左手に炊事場があり.真正面に居間兼の囲炉裏場がある。茶を薦められれいる。

     話には聞いていたが非常に美味い茶だった。生水でも一品の味がある。水場はここから往復1時間.キャンプ場のガレ下にある。
   そこから運んできた湧水で改めて茶葉は入れ替えられ濃く美味しかった。お代わりを薦められ.何時もは先にビールになるも喜ぶ私も珍しい。

     今日も早い到着となった。広場のテーブルに座ると今日.昨日と互い擦れ違い登ってきた登山者達に囲まれた。もう顔馴染みになっている。
   皆同年輩.中高年登山者だった。上州.結城から来た2人連れの田辺さんは父親にピッケルを譲り受けたと言う。確りした足取りの人だった。
   もう1人はビール好きで自分で500t缶6本を呑んだと息込んでいた。

     高校時代ボッカのバイトをしていたという湯河原に住む鎌田さんは上野池ノ端に勤めている。1人で烏帽子から読売新道を下ると言う。
   若い3人娘? 彼女等は百名山を終え.二百名山を狙っているとのこと。統制の取れた明るいパーティだった。

     大阪.神戸.姫路の仲間らしい。気配りのよい彼女は私と同名だった。よく呑み語っている。スーパードライ500t@800(360t@600)
   聞く話にはそれぞれホリシーがあるのが判る。だからこそ.惰性でなく個性を尊重するメンバーにも思えた。2食付き¥8.500.湧水1000t@200

    船窪岳第二ピーク
   洛陽を迎える明日のピーク.18:11

     静かなランプの小屋が大名詞のような船窪小屋は老夫婦と若い娘達で管理されている。料理は山とは思えぬほど手が込んでいた。
   食事には文句はなかったが.ただ1つ.静けさに欠けていた。食後.間を開けずアコーデジオンと笛のコンサートが夜就寝時間を過ぎても盛り上がっていた。
   寝ている人も多い。その後も小屋の仲間達は酒宴が続く。

     私は寝たい人は早寝して.静かな夜更けを囲炉裏を囲み.ホツリホツリ語るような小屋だと思っていた。
   1度の訪問だけでは判らぬものの顔馴染みになれば楽しい所かも知れない。ただ1人旅するには人が多過ぎる山小屋でもある。

     口を挟むのは失礼かも知れないが古希が近いので楽しく続けたいと居間で演奏を始めていた。
   私にはゆっくり炎を見詰め.風の音を聞いて下さいと言ってくれた方が居場所ができ嬉しかったのだが。小さな小屋である。

     10時頃.用を足しに外にでると明後日に満月を迎える大きな月が昇っている。
   エレキを必要としない明るさは明日登る岳々の頭がおぼろに夜空に浮かび上がられ.月光を浴びて幻想的な風景をかもちだしていた。
   穂のかな明るさが素晴らしい岳の世界を生み出している。明日も晴天になるだろう猛暑が続きそうだ。

     過って常念乗越で幕営した折は満月に見せられてシュラフを飛び出しテントを畳み.夜半の月光を浴びながら常念岳を越したことがある。
   残雪の雪片を跳ね返し.月光が雪面に先を開き.穂高の神々の岳を仰いだ想いがある。エレキを消すとその時の情景が今のよう読み返ってきた。

     10時頃.餓鬼岳の左コブの間だろうか。闇に霞む谷間の一角が一瞬.そこだけを雷光が谷間一面に放された。時折フラッシュの如く放されている。
   場所は松本方面.で雷が街を踊らしていた。

     黒部川流域概念図
     後立山南部T.扇沢から針ノ木雪渓
     後立山南部U.蓮華岳天下りと七倉岳・・起伏激しい森林限界の稜
     後立山南部V.船窪岳〜烏帽子岳ブナ立ち尾根・・高瀬ダム