前日との対比.快晴無風の西上州の台地・・シラケ山.烏帽子岳

   好天に恵まれ.濃紺の天空が開かれた台地. 天狗岩登山口から奇岩を連ねる日溜まりの岩稜と.そこから見下ろす山村風景
     烏帽子岳.シラケ山は南牧川と神流川に挟まれた西上州のほぼ真ん中に位置し.甘楽郡南牧村と多野郡上野村との郡界尾根に連なる岳

    大山北尾根を断念.天丸山へ
    紺碧の空と天狗岩と烏帽子岳

     12月17日(日)快晴
       「やまびこ荘」9:15=9:10天狗岩登山口一9:50尾根上10:00一11:10キレット一11:30マル巻き道分岐
       一11:40烏帽子岳:50一12:00分岐一12:05コーヒータイム:41一13:20二股廃小屋一13:35天狗岩登山口=「やまびこ荘」.
    県道45号線の怪
     天狗岩の尾根の東側を地形図で読むと塩之沢峠があり.県道45号下仁田上野線を越えている。
   その中ほどの山腹にはふるさと林道湯の沢線.4.932mと湯ノ沢隧道.全長3.323mが2004年に繋がれた。

     湯ノ沢線は南牧村大字桧沢を起点とし上野村大字檜原に至る林道で.暫定区間とされ.南牧村側の完成により県道標識が設置された。
   隧道開通と共に幅員8m.2車線のゆったりしたバイハスは便利さから09年03月に供用するようなった。

     故急勾配の狭い幅員5mの今までの県道は旧道になり.新たな林道が主役に変わっていた。
   ただ道路地図はそれぞれ異なりるも現地の道路標識は同じものが立ち.少し混乱を起こさせる表示になっていた。

     烏帽子岳の登山口は宿から今回登って来た塩之沢峠に至る旧道の途中にあり.その脇に真新しく県道45号線の標識が立つ。
   2つの道路に同一の標識が表示されていた。それは今でも県道であることを示している。

     又塩之沢隧道の上野村口少し手前には御荷鉾スーパー林道が接続している。上州と武州の境.御荷鉾山系を東西に横断する林道。
   東京近辺では1番長い林道で群馬県多野郡鬼石町(林道東御荷鉾線)〜甘楽郡南牧村(村道羽沢檜沢線)間.延長67.1kmを結ぶ。
   s48〜58年11月.幅員5m.冬季閉鎖は例年12/10〜4/20頃.

      塩ノ沢峠を横切る旧県道脇
    
    シボツ沢左岸の天狗岩登山口.9:13                  登山口上.P脇の道標と絵地図.13:34   
                                    群馬県県道45号標識.下は(主)下仁田上野線・上野村楢原
    入山
     昨日とは異なりゆっくり宿を発ち烏帽子岳をピストンする。
   風もなく穏やかな登山日和.快晴の蒼空に恵まれる。今日も登山者は私達だけのようで.山を独占していた。

     不安だったS氏の足.具合が悪ければ天狗岩で引き返すと覚悟させるも.天狗岩まで行けば西上州の主尾根の縦走ができる。
   冬型の気象条件の下.今日は上州特有のカラ風もない。好奇心を湧かせ展望のよい頂稜歩き.又下りは散策的な落葉が敷き占めた横道が待っていた。

    猟師
     旧道をそのまま塩乃沢峠に向い.タルの沢の林道口を左手に見て.更に遡ると天狗岩登山口にでる。
   共に駐車した猟師の車4台の内の1台が一緒に登山口Pに並んで駐車した。

     1人がここから散弾銃を肩に担ぎ.山で待ち伏せすると云う。3人は峠から追い込む計画のようだ。猟を聞くと猪に熊,鹿と何でも。
   主は鹿が多いと。私達が烏帽子岳まで行くと伝えうと「天狗岩の手前だから大丈夫!」.「撃たないから!」と言葉が返ってきた。

    二俣分岐
   9:25

     タルノ沢の山腹道沿いに入ると途端,杉林に被われた沢沿いは朝の陽差しが閉され.斑な雪に広く覆われた。
   薄暗い谷間の左岸沿いの小径を綴ると廃小屋のある二俣にでる。右手の尾根を取り二輪草コースを選んでいる。

     まだ朝早く尾根上も陰り.何処もが残雪で埋め尽くされていた。
   このコースは紅葉期がよく.又春先は天狗岩の尾根筋は二輪草が咲き競い.烏帽子の稜にはヤシオツツジが見事に咲くと云う。

    下仁田.南牧の山々
   天狗岩より.10:10
   中央左雲の中に浅間山がある。手前に東西に延びる谷間は上信国境へ続く田口街道が通っている。右下の谷間には宿から続く下仁田上野線

     尾根の肩で1本取る。向かいの西面に明るさが増し.登れば直ぐ天狗岩にでる。樹林帯を綴り.抜けると突然飛び出す形で真近な頂にでた。
   小さな空間の台地には石塔の祠があり.絡む枝木の切れた茂みの窓からは北面の眺望が開かれている。
   最初に目に入ったのが東信国境尾根.続いて昨年同じ頃に訪れた四ッ又山だった。

       
      天狗岩の祠.10:10                     シラケ山へ落葉松の鞍部へ.10:12 

     このコブの祠から少し進むと鉄製の橋があり.渡ると展望台があったらしい。
   案内板もなく.分からず過ぎている。予備知識不足が前日と同様ここにも現れていた。

     落葉の敷き占めた大地の鞍部を下り返すと岩稜帯にでて.烏帽子岳の巻き道.ピストンの帰路利用する横道との分岐にでる。
   共に確りした登山道があるが道標類はなかった。やや煩い枝木を分け一気にシラケ山に立つ。
   頂には三角点標があり.既に大展望の開かれる小高い台地だった。

    烏帽子へ続く郡界尾根の岩稜帯.10:17
  
    
     シラケ山(カヤドラ)1270mからの県境界尾根・・遠方左端の御座山〜右端の荒船山
   手前左側が橋ノ台(藤畑)1264.8mで右奥がククリ岩(栗木立)1354.7m.更にその奥が県境に立つ広小屋山1484.4mになる。
   中央はマルで奥が立岩. マルの右脇は小さな突起の烏帽子岳. その右奥が三ッ岩岳.奥が大岩。手前はP1.

     起伏の激しい.又藪混ざりの稜が目に前に綴られている。小コブが幾つも現れ.藪を縫い稜にでればその都度眺望は開かれた。
   今日は時間も十分ある。ソフト帽のように突き出すコブがあれば休み.眺めては山座同定をし又歩む。

    昨年歩んだ山並みや街道が望める
  
    小沢岳の裏側が下仁田の街並みになる

  

    P1
     山上散歩の心地よさに道標を見忘れ.ルートを探し回ることもあった。道標に導かれ少し戻った所から右手に回り込み鞍部にでている。
   日向ぼっこの山上歩きは北面の山陰に入り込むと残雪を踏むようなった。陰ると共に急に気温が下がり.素手だと枝木を掴む手が堅くなる。
   一番元気なのがK氏.彼は1人素手を通している。私は雪面にでれば犬革手袋をはめた。

    上信国境尾根南側の山々・・御座山と武道峠.十石峠
   10:50

     佐久との上信国境沿いに建つ西群馬幹線の巨大鉄塔群。
   神流川源流を横断する送電線は奥から南側ルートの安雲幹線2号線の鉄塔群. 中間が北側にルートを取る安雲幹線1号線の鉄塔群。
   手前が一番厳しい山間を通ってきた黒部幹線の「えぼし型鉄塔」鉄塔群になる。遠くで比べずらいがガッチリした鉄塔群。

    稜から望める南牧村中心の鹿岳
   常に望める南牧川左岸の山々.11:03
    岩稜の右下に磐戸集落が見え.その先に黒滝山や鹿岳が並ぶ

    P5からP6を望む
   コフ゛を攀じっている仲間達.11:05

  P5から郡界山稜東面

     岩峰から郡界尾根1213m峰(中央左).天狗岩.1本岩峰.シラケ山(カヤドヤ). 右陰にP4がある。
   バックは日影山(新山)から桧沢峠.塩之沢峠.楢沢峠へ綴る稜。

   11:20

    岩稜最後のピーク.P7
   マルと右肩が烏帽子岳・・郡界尾根より.11:11

     一時.P6.P7の陰で望めなかった烏帽子岳はP7を過ぎるとマルと烏帽子岳を正面に見定められるようなった。
   マルの右先に少し高度を落としたミニチヤの槍ケ岳のような烏帽子岳があり.奥には添えるよう三ッ岩山が構えている。
   郡界尾根は全てが藪絡みのミニチヤの岩稜尾根になる。日当たりがよく文句ない西上州の山並みを満喫する。

   11:18

    行塚山〜毛無岩の山稜
   遠く正面が雲で隠れる冠雪した浅間山.11:17

    左マルに烏帽子岳.右奥は三ッ岩岳
   P7より佐久との上信国境.11:20
    烏帽子岳と三ッ岩山とに挟まれ大仁田ダムがある

    烏帽子のコルへトラバース
   明るいマル分岐の深い落葉径から北側の巻道へ.11:29

   マルの山陰.北面の巻き道.11:58

     横道が左後方から合わさるとマルが急に大きく望められ.マルの巻き道の分岐にでた。
   登山靴がふくよかに潜る深い落葉径を過ぎ.北側に回り込むと今度は雪径を踏むようなる。そして烏帽子岳のコルにでる。
   余りにも寒暖の差が激しいトラバース。距離はない。

     遠方から望むと奇峰を象徴しているような形をしているがコルからは以外に歩き易い小径が続いていた。
   攀じりだせばロープも現れ.今日の天辺にでる。

     11:35

   烏帽子岳山頂.11:03

   烏帽子岳1182mから郡界山稜西面を越えた山々・・御座山〜荒船山
 
   天辺で最後の開放的な眺望を味わう。橋ノ台(藤畑).遠く大岩.大津.三ッ岩山・・11:44

  上信国境尾根北側の山々
  11:47
   はっきりと荒船山のトモ岩が望める.その手前が左が神流川.右側が南牧川

     烏帽子岳は間々の広さ.眺望はすこぶるよい。改めて望む山稜は四方頂を周り囲み.西上州山西端の上信国境尾根が延々と綴られている。
   その下に送電線鉄塔が幾つも望まれる。

   南牧の重なり合う山並み
   11:46

     右奥は榛名山. 中央奥が裏.表の妙義連山。段中央は物語山.少し退く御堂山. 右手前が鹿岳と四ッ又山。
   黒滝山と富士浅間山(月形山)。手前が田口街道(下仁田臼田線)と右下は雨沢の大きな集落。

       陽溜まりの横道で1本
     12:12
      復路は岩稜ルートから直ぐ横道に入りる

     風を避けてのコーヒーブレーク・・洋菓子にコーヒーを立て優雅なひと時を味わう。
   足元は急斜面の藪林.冬木の落葉松林に下草は枯れ転がるカップ。Sがカップを落とす。手から滑ったか.足で蹴ったかは本人しか分からない。

     カランコロンと乾いた音を転がりカップが落ちてゆく。見ているとその動作はゆっくり又跳ねるよう大地を蹴り転がってゆく。取るに取れぬカップ.
   これまでも東駒の雪山でI先輩がメガネを落とし.苗場山では私が結飯を転がしている。赤岳沢で食器を落とした者もいた。
   まだまだある。気侭に気を躍らせるよう落ちてゆく。まるで意識を持ち.こちらの様子を見ながら落ちているようだ。探せと叫ぶも諦めたS。

    落葉松林
   塩之沢温泉先の笹丸山.高反山方面.13:00

    落葉松林
     シラケ山から烏帽子岳への山稜南面は広く落葉松林に覆われていた。
   その山腹を綴る横道は乾いた土壌に落葉が乗り.足も軽やかに落葉松の明るい森を抜けている。

     南面に向い斜面に育つ落葉松林は枝打ちされ真っ直ぐ背を伸ばしている。陽光は林床の足元まで届き.裸林を透す明るさを目一杯受けている。
   その陽差しとの調和が心地よい。樹間の先下には昨夜宿った塩之沢温泉がある。その背に覆う山々は神流川左岸の笠丸山.高反山の稜になる。
   この二山は幡谷.高丸山の神流川を隔てた手前に高まく尾根。

    陰るシボツ沢
   廃二俣小屋に戻り周遊を終える.13:18

     横道を辿ると天狗岩直下の烏帽子岳への分岐にでている。その先にシラス山に直接登った朝のルートがある。
   道標に従い左側の細径に入ると「おこも岩」.竜王大権現が祀られている岩場にでて.大きな穴倉があるが由来は分からなかった。

     更に綴ると元の分岐に戻る。シボツ沢沿いの下りは緩やかに蛇行する落葉径。
   滑り易い半ば凍った岩コロにでると朝通った二俣の廃屋が見下ろされた。

    天狗岩登山口
   旧県道45号線? 左カーブ裏がP

      「やまびこ荘」14:30=14:40道の駅「上野」15:20=秩父=18:45西武飯能¥450. :49=小手指19:19=19:54池袋.13:34.
    国道299号
     美味いと云っていた街道沿いの「うどん屋」は閉店し.道の駅「上野」による。熱い鍋焼きうどんを口にした。
   その間に外の気温は道路標示によると5℃から3℃まで落ち始めている。日は既に陰り.再び志賀坂峠を越え往路を戻る。

     山では予定通り縦走できず.大事な所をカットしてしまったが何度となく登る仲間と共にして.残念というより満足感に満ちていた。
   S氏からは柚子を頂いた。直ぐ冬至になる。柚子1個を大事に持ち帰り湯殿に浮かばすと仄かに香る柚子の湯が堪らなかった。

    新山梨開閉所
    
    黄昏の西上州やまびこ街道から山上に建つ安雲幹線2号線鉄塔.16:10

     往路では通過した東電新山梨開閉所前で.T氏が車を停また。彼等は私が送電線マニアになったと口々に唱っている。
   それに答えるよう洛陽を真近に迎え.斜陽し照り返しの鉄塔群を見納めしている。陽と陰との明暗が強く.上手い構図にはならぬが写真を幾枚も撮った。

     新山梨開閉所には500KVの超高圧送電線.5路線で構成されている。2日間見続けてきた新信濃変電所からの安雲幹線1号線
   2号線は結合され.今は1つの送電線として新所沢変電所へ送電されていたが今は休止状態にされている。
   又新多摩川変電所からの新秩父線と新榛名変電所からの新榛名線は新岡幹線として新岡部変電所に送電されている。

     もう1つの黒部幹線は2回線154KVの高圧送電線で.近くを通過するも新山梨開閉所との接続はされていなかった。
   電圧の違いか? 隣接する他の鉄塔と比べると遥かに小さな鉄塔だった。

     秩父にでて黄昏から帳を迎えライトが点る。車は更に国道299号線を進み.正丸隧道を潜ればS氏の地元.高麗にでた。
   そしてその先.西武飯能駅前まで送って頂き解散した。

     K先輩と池袋による。東京で酒を交わすのは山の帰りでは初めてだろう。
   駅前の居酒屋で安くとも旨い酒を呑む。忘年会らしく来年の話もでた。直ぐ終える積りがつい今回も深酒になる。
   20:45自宅
   ・・地図山と高原10「西上州.妙義山.荒船山」. スカパ登山靴./16日15.266歩.17日16.265歩

     大山北尾根を断念.天丸山へ
     紺碧の空と天狗岩と烏帽子岳