上信越国境の東端の県境. 白砂山と白根山芳ノ平高原・・上信越高原周辺Top

  野反湖登山口からハンノキ沢を取り囲む尾根を周回し.堂岩山から白砂山ピストン.  2012年06月29〜7月01日.L松村m見城.鈴木
                                      2日目は降雨激しい芳ノ平をピストン.L見城m鈴木.松村
    野反湖から白砂山・・生々しい熊の糞
    降雨で翌日の白根芳ケ平高原は中退・・上信越自然歩道草津口

     上信越国境にある白砂山2140mは群馬県.長野県.新潟県の三方の境に聳え.中津川,清津川.白砂川.三方の源流をなしている。
   深い渓谷と原生林に覆われ.信越国境の点線国道が横切り.都合よく出掛けられるようで.それでいて何か切っ掛けがなければ中々目指せぬ山だった。

     白砂山の北面には日本海水系の信濃川の支流中津川と清津川が流れ込み.南面には吾妻川の支流白砂川が吾妻川・利根川へと流れ込む。
   上州側を流れる河川の名が山名となり.上越国境の山脈としては東端の平ケ岳から西端の白砂山へと連なり.本州の中央分水嶺をなしていた。

     学生時代の夏合宿.苗場山から白砂山を縦走し.志賀に抜けた見城・滝島両先輩の提案で7月の半ばに白砂山々行が企画された。
   ただ梅雨入りして延期されている。今回滝島氏は残念ながら地元の祭事で不参加さが決行することになる。

    6月29日高曇
      jr御徒町=西武池袋,急¥650. 16:39=17:28飯能=高麗鈴木邸.
    6月30日晴度後曇
      鈴木邸.起床4:00. 4:30=東松山IC=5:40渋川ICで見城氏と合流:50=7:30野反湖登山口P.

   鈴木邸にて.6日20:27

    アプローチ
     東松山IC前で滝島氏から採り立ての野菜類の差し入れを受け.渋川IC出口で見城氏を拾い.吾妻川沿いに長野街道を西進した。
   改めで工事が再開されることが決まった八ッ場ダム.その工事現場の河川を抜け.長野原草津口ICから丁度1時間ほどで野反湖への分岐にでる。
   できたばかりのバイパスを抜けた。やがて吾妻川とも離れ.右折して.往来もなくなり白砂川沿いの国道405号線を遡る。

     別名白砂渓谷ラインと名付けられた道路は道幅が狭まるが舗装され綺麗に改修されていた。吸い付くようにタイヤが走り快い。
   白砂川左岸に入りと古くからの蚕屋敷が何軒も保存され.道路脇には「蚕屋敷」の看板が目に付く。数日前にテレビ放映されていた地区だろう。

     六合村役場前を通り.日本ロマンチック街道が合わさった国道からは湯ノ平温泉へ抜けられるうねり道が綴られていた。
   この街道は草津に抜ける以外は1本道. 最奥の集落.花敷・尻焼は意外と大きな集落だった。国道から気持ち谷間に入っている。

     ここから草津への山道を分け.草津高原の芳ケ平湿原自然歩道に入ると天狗平付近を通り草津に結ばれていた。
   翌日は草津温泉からここを起点にして大平湿原を横切り.草津自然歩道から芳ケ平湿原を目指している。ただ雨激しくなり途中で諦めていた。

   野反湖白砂山登山口.8:00

    堂岩山シラビソ尾根から白砂山
      7:30野反湖登山口P.8:00一8:35地蔵峠:45一9:30小:40一堂岩山一10:20八間山分岐一10:30小:40
      一10:55猟師ノ頭一11:30白砂山.大

     長野原草津口からほど40分,野反峠越えをして分水嶺にでる。裏日本に入る野反ダム近くで白砂山登山口を見出した。
   とてつもなく広い駐車場には既に5.6台の車が纏まるようちょこんと駐車していた。7月になれば湖畔を埋めるワタスゲが素晴らしく
   多くの観光客が集まるようだ。そして修了式を終えれば学生達が集い.JRのバスも通うと云う。今はまだまだ静かさが保されていた。

     私達はハンノ木沢を周回し.途中で堂岩山から白砂山をピストンするコースを取る。
   まだまだ若葉色に染まるハンノ木沢の谷間を横切っている。白砂山を登り終えれば上信越国境の尾根から白根を下り草津温泉へ。

   ハンノ木沢支流を渡る

    地蔵峠と点線国道
     国道脇の駐車場.ここから登山道になる。信州へと結ぶ国道405号線はこの先で車道から人道.点線国道に変わっていた。
   1619.8m峰の北側山腹を回り込み.ハンノ木沢の傾いた木橋を渡り.小尾根を詰めれば地蔵山の西尾根に乗り肩の地蔵峠にでる。

     以外と狭い地蔵峠には道標「←野反湖.切明温泉↑.白砂山→」が立ち.右に折れれば白砂山。
   尾根を横切る切明温泉へ抜けるには新潟県側の点線国道に入る。切明温泉への径は急斜面で北側に落ち.向いに聳えるのが鳥甲山。
   これから向かい堂岩山から北へ延びる尾根は千沢と渋沢を分ける尾根筋で末端付近は点線国道が乗り.出合から中津川沿いに下りている。

     峠道は沢沿いに尾根の中腹を巻きながら,幾つも枝沢を越し.西大倉山で尾根に乗り.西尾根の末端まで綴られていた。出た所が赤沢ダム
   合流した沢は中津川と名を変え.左岸沿いに烏帽子岳.笠法師岳の裾を巻き込むと左岸から雑魚川が入り込み.切明温泉にでている。
   そして切明温泉で点線国道を終え車道にでている。

    深緑の地蔵峠
   越後へ点線国道が通る.8:40
    正面の径は中津川千川左岸山腹へ

     地蔵峠からは徒歩で下り6時間半の行程になる。地蔵峠から千川右岸の高い山腹を綴り.魚野川出合下.渋沢ダムで沢沿いに入り切明温泉へ。
   右岸のジグザグ道を高度にして200m程登ると新潟県側の国道405号のゲートにでる。国道はここから再び車道になち津南へ。

   2009年06月.ムジナ平から鳥甲山に登り秋山郷へ下山.上州草津温泉に雑魚川から戻るため切明温泉に寄っている。
   2015年06月.秋山郷から小赤沢に入り苗場山へ.鈴木牧之の道を辿り.下山後は越後六日町に廻っている。

    国道405号
     405号は群馬県吾妻郡中之条町から新潟県上越市に至る一般国道。
   幅員1.5m未満で車両の通行は不可.徒歩でしか通行不能になっている。地図には点線で記されてをり.俗に云う「点線国道」。

     又車両が通行不能な部分が国道に指定されている場合は「不通国道」になる。405号は六合村まで一度.登録されている。
   国道としては途切れ.登山道「点線国道」として峠越えをし長野県に入り栄村で再び登録された国道が再開されている。

     野反湖の終点には道路の脇に丸い標盤に「群+地点票0」の記入があり.国道405号の群馬県内での0`地点となった。
   路面には白ペンキで消えそうな古い「405の下に1E」とエンドの意味がある。 ただ国道の起点は中之条町.起点は0。・・終点も0か?
   似たような国道としては上州.越後の清水峠越えがある・・先月白毛門をピストンし国道291号線を一部分だが通っている。

    岩菅山と裏岩菅山
   地蔵山の登り左後方に望まれた.9:30
    大高山2079.4mの北東尾根に乗る岩菅山

    上信国境の山々・・明日出向く霞みだした草津白根山と横手山
   右手後の切り開きより
    左上の野反湖々畔を囲むエビ山と高沢山
    右尾根は地蔵山からタカンボウ沢出合に落ちる尾根

    
    1本取り頭上を仰ぐ・・カエデの緑.9:30        ツガ.オオシラビソの混合林帯

    堂岩山シラビソ尾根
     登山口からずっと日洩れ日で心地よい尾根筋の小径が続いている。陽射しは強い.今日も昨夜の深酒か?
   体から溢れるよう汗が滴れ流れている。それを吸水タオルで拭きつつ登る。帽子も脱いだ。時折と云うより.偶に樹間を透し望める岳。
   そこを時折抜ける隙間風が心地よく気持ちを甦えさせている。それも何となく漂う頼りなし風が。

    上信越国境からズレた脊稜
       堂岩山から(黒須ノ頭.八間山〜弁天山.野反峠..エビ山.高沢山.赤石山への脊稜・・右奥へ続く中央分水嶺

   水場,堂岩の天場より野反湖

     肉眼で如何にか野反湖の南岸にある弁天山の奥に草津温泉街が望められる。
   その右は鞍部越えのがエビ山と高沢山.その奥に霞むのはおぼろ過ぎる赤石山へ続く上信国境尾根。

     三国峠から稲包山,白砂山へと綴ってきた上越国境稜線は白砂山を越えると上信越国境稜線に入り.高沢山.大高山を経て赤石山へと連なる。
   赤石山からは主尾根を南北に2つに長く分け.北側に派生する主尾根は岩菅山,烏帽子岳へ。
   南側は白砂川ガラン沢源流を回り込み.志賀山から横手山.本白根山に至る長大な尾根で.背稜には国道292号線が縦断している。

    黒須ノ頭と八間山茅ノ尾根
   左上アップ・・左俣タカンボウ沢板場沢のツメから.9:55

     奥側の尾根は堂岩山から分かれ.下山時に野反湖に戻るコースになる八間山を雍する尾根。
   中央が中尾根ノ頭から延びる穏やかな中尾根で.下山時に野反湖に戻るコースになる八間山を雍する尾根。
   朝方渡ったパンノ木沢と手前が左俣のトタカンボウ沢出合に尾根が没している。

    板場沢ツメから堂岩山へ
   暫くはU状に抉れた窪地を登る

     地蔵山の下り.鞍部でタカンボウ沢から貴重と思えるそよ風を受けている。それも束の間再び密度濃い樹林に覆われた。
   風もなく蒸すユメツガにオオシラビソ.白樺と雑木帯が続き.K先輩がブナ林がないと云う。
   そう云えば見ずにいる。湿原的な平坦地はないが昨年久し振りに訪れた東北の吾妻連峰にも似ている。

     暫くはU字状の狭い溝径が続き.少々歩きずらいが今では貴重な消え掛かる残雪をも踏んでいる。
   明るく広くなった所に天幕場があり.左手に下れば水場があった。地蔵峠から1本取り堂岩山に立つ。

    初めて望んだ白砂山と猟師ノ頭・・「その一瞬の風景」
   頂の左手から樹間越え.10:18

    白砂山
     白砂山は上信越高原国立公園にありながら.その姿は登る人以外では見たことのある人は少ないだろう。
   殆どが地形的に里から見ることができぬ位置にある。沼田市郊外の高台から望める所があるらしい。
   奥深く国道が入っているにも係らず.裾からは望められぬ山も珍しい。

     白砂山に挑み,白砂川沿いから目指してきたが今まで歩む山中から目的の山容を望むことはできなかった。
   シラビソ尾根を詰め.堂石山に立ち.頂から樹間越に初めて.目指す白砂山を望む。見た目の樹林を数分で抜ければ森林限界にでる。

    上信越国境の山
   白砂山.八間山分岐・・森林限界

     堂石山を少し下ると東面の肩が森林限界になる。悠然と構える岳が扉を開くが如く笹原の斜面が開かれる。
   森林限界に立ち,前を向けば白砂山の大きな山容が望まれた。

     ここ堂岩山から白砂山をピストンし.戻ってからは右に派生する南西に延びる尾根に乗り.大巻きにパンノ木沢を囲む尾根を周遊する。
   そして八間山から朝入山した野反湖北岸の登山口に向かい.パンノ木沢左岸の支尾根を下る。

    白砂山側から望んだ堂岩山
   森林限界にでて1本.10:30
    左奥が野反湖々畔を囲む弁天山

     堂岩山の東側から一線が引かれたよう森林限界が描かれ.薄暗い山径を綴ってきたためか頭上は眩い陽射しを浴びている。 
   熊笹が勢力を伸ばし.這い松に混ざりハクサンシャクナゲが同じ背丈で刈払ったよう整然と尾根筋を覆っている。
   又大きくカールを描く谷間の大地は見渡す限り熊笹が生い茂り.熊笹の原で埋め尽くされていた。

     先ほどまでは時折.イワカガミの小さな群生やぽっんと白く飾るギンリョウソウを覗き込んでいた。
   又森林限界に入ってからは遅いシャクナゲの花を何度となく見られるようにもなっている。

     猟師ノ頭を下り登り始めた所では右手先に1ケ所.シラネアオイの淡い花が咲き競うのを今年初めて見付けていた。
   T氏が共に入山していれば一番喜んだ花かも知れない。

    苗場山
   佐武流山〜白砂山の稜
    渋沢流域・・手前は左側は八十三山(やそみやま). 中央遠くに窪みに雪田を付ける苗場山が望まれる。

    苗場山
     この脊稜からは左手(北方)に目を向けるならば白砂山から佐武流山,苗場山へと綴られる尾根が北上し延びている。
   写真は佐武流山に至るまでの尾根. その中央の佐武流山と赤土居山を繋ぐ起伏の真中の小さな鞍部に苗場山の頭がちょこんと望まれた。
   肉眼ではっきり見える3つの大きな雪田が頂に添うように張り付いていた。

     5年前広島に住む竹永氏が百名山を目指し.共に越後側から苗場山に登っている。
   丁度今頃だったと思われる。梅雨期の山行.大らかに広がる湿原からの展望には恵まれなかったが.ガスが掛かる幻想的な頂だった。

    白砂山と白砂川源流の山々
  
    山並の奥越えが四万川

    梅ノ頭.コシキノ頭.木戸山.相ノ倉山
   上の右景・・白砂川源流側.10:36
    白砂川と四万川に挟まれた山々と下流を望む

    上信国境も山々
   更に右側

     スキー山行を早い時期に諦めたせいか数年前までは根子岳を除き.上信越地区は全く未知の山々だった。
   K氏のお世話になり北軽をベースに湯ノ丸山周辺を登り始め.又草津からも起点に白根山.遠くは鳥甲山と通い始めている。

     まだまだ始まりの一歩. これからも山行を重ねて行くことになろう。
   今日白砂山を下山した後は草津温泉宿り.明日は白根山周辺を散策する。

     陽射しは閉ざされ.西側の天空は次第に霞み始めていた。浅間山に続く湯ノ丸山の山塊は先ほどまで望めていた眺望は閉ざされた。
   殆どが見れなくなっている。高曇になった空.まだ明るさは伴っているが全てが層雲に覆われおぼろになり始めていた。

    白砂山
   手前のコブが猟師ノ頭

     白砂山に立つ。尾根は三方に分かれ県界尾根にもなり.先の頂稜は三国峠へ続く上越国境の藪の主尾根になる。
     三境を集める白砂山・・白砂山を囲む山々を前方に望み.左手から信州.奥が越後.右手の谷は上州山域になる。
   左側が日本海に落ちる中津川渋沢堂氣沢のツメ. 右側は利根川吾妻川白砂川猟師ノ沢のツメと隔てる背稜の分水嶺の上に立っている。

     気持ち心を掻き立てられた。望む東方方面はまだ明るく.背稜から続く頂の姿を現わしている。
   ガスが湧き始める前に頂に立たねばと気がはやる。まだ見たことのない頂からの奥の眺望が如何なるものか願っていた。

    遠く北信鳥甲山
  
   八十三山と佐武流山の間から望めた鳥甲山
 
  毛無山.台倉山.鳥甲山

  アップ・・佐武流山の西尾根.障子峰1713.8mに乗る鳥甲山

    鳥甲山
     手前八十三山と奥目に位置する佐武流山との間に鳥甲山が遠望されている。
   猟師ノ頭の下りでちらっと見え始め.白砂山の最後の登りに掛かると佐武流山西尾根を跨ぐ.鳥甲山が次第に全貌を現しだしていた。
   深い渋沢の谷間を抜け.幾つもの支流を合わせた下流の中津川の谷間を隔て.鷲が両翼を広げるが如く悠然と聳えている。

     過って苗場山の頂からガス濃く見えぬ鳥甲山を見て.挑んだ山。当時は何十年振りに積雪量が少なく.一度も雪落としもなかったと云われていた。
   それが昨年は震度6弱の直下型地震に遭い.今年は日本一と云われる豪雪に見舞われている。そこは昔は信越国境最奥の山と云われていた。

     頂を目の前にしてガスが湧く。ここから30分足らずして頂は雲に埋められ,雲の中になった。
   10分ほどの間に左手の眺望全てが流れ込むガスに隠してしまっていた。駆け寄るよう三角点標を跨ぎ.対面には三国の稜を眺めた。
   既に北方の稜と共に灰色の世界に全てが変えられていた。又登ってきた尾根も見る間もなくガスの中になる。

    白砂山々頂
   山頂3等三角点標石脇で.12:00

    不思議な缶ビール
     炊事の前に,.昨日先輩にコチコチに氷らして頂いた缶ビールで乾杯した。缶を開けると開け口からジュワーとビールの泡が溢れてきた。
   揺るし過ぎだと2人はゆっくりビールの喉こしを味わっている。私の缶ビールはまだ半ば氷っていた。

     口元にゼラチン状に溶けた氷の塊が缶から出られずにいた。それを押し出すようビールが溢れる。
   それも留めなくジワジワ出てくる。外の気圧とこの小さな氷が争っている。
   逃げ場を失ったビールが呑み口で泡になり.押し出されている。脇に置くこともできず.一気に呑むこともできず。

     私の缶ビールだけが溶けだした分だけ,缶口からビールが溢れ続けていた。
   理屈は如何でもよい. 分からぬがチョビチョビ口に付けて呑む。そして漸く塊だけが残り.ビールの溢れは治まった。

    チャンポン
     三角点の脇にコンロをだし.鍋で湯を作り.3人分のチャンポンの麺をコッヘルに入れる。
   その後間を開けず.スープの素にラー油.ラーメンの具の素を加え.適当なところで生卵を落した。

     後は時を見極め食器に分ければよい。ネギとチャーシュウを上に乗せればできあがる。
   湯が少なかったせいか.やや味は濃目になるが湯で調整すれば美味いチャンポンができあがる。食事は時間にして7.8分.アッという間に食べ終える。
   その間にポツンポツンと登山者が現れた。単独行者が多い。雲量は厚みを増し,周りはやや薄暗くなる。

     堂岩山から八間山回り
       11:30白砂山.大12:30一13:25堂岩山分岐:35一13:50中尾根ノ頭一14:10黒須ノ頭:20一15:10八間山茅ノ尾根
       一15:50国道一16:20登山口=スパックス草津.

   白砂山から東(反対側)へ延びる閉ざされた藪尾根

    天候
     甲信越地方は前線が南下し.雨の山域から離れ.日中は日照りが戻る予報がでていた。
   だが早くも次の低気圧が前線を刺激し.山には新たに雨雲をもたらし始めていた。
   強い陽射しは堂岩山まで,猟師ノ頭では高曇になり.鞍部から登り返して白砂山に至ると前方は厚い雲に覆われた。

     高曇で時折陽が射していた佐武流山から苗場山への尾根の展望を見つつ登ってきたが.頂に立つと一面のガスに覆われ雲の中になる。
   上越国境を包み込んでいるガスが三境まで押し寄せている。一時間ほど頂に留まっていたがガスは更に強くなった。

     北信から上信に掛け.苗場山,鳥甲山,そしてこの上信越の境をなす白砂山も,同じメンバーで立ち.何処も,眺望を得ることはできなかった。
   谷川岳も同様で本白根山では翌日の行動を考え登山口まで入るり諦めたこともある。
   私にとっては初めての山域も多かった。運に見放されている。灰色の空を仰ぎ.望めぬ山々を見ていた。今回はそれでも長く頂に留まっていた。

     下りは三国峠から稲包山を越えてきたガスの塊りは待ち望んでいたように.私達が下ると共に追っかける付いてきた。
   そして堂岩山の分岐まで戻ると高曇に戻り.漸く逃れ明るい大地を踏んでいる。下界の谷間は更に明るい陽射しに照らされている。

    中尾根ノ頭1920m
   背は右上が白砂山.その稜と.13:50

   左側が中津川千川ハンノ木沢・・写真左にタンカンボウ沢戸を隔てる中尾根が延びている
   右側が白砂川猟師ノ沢・・猟師ノ沢→吾妻川→利根川

    熊笹の原
     白砂山をピストンし堂岩山にでて1本取る。雨雲に追われるよう戻った。堂岩山南面の山腹を回り込み.心軽やかに下山する。
   尾根巾が広がり緩やかな起伏の笹尾根径を歩む。草原状の草地が広がり.左手には猟師沢の大きく開けた源流を抱えていた。

     大らかに広がる谷間は笹原が大きく占め.源流帯は見渡す限りの熊笹で覆われていた。
   所々で認められる草付きも,呑み込む勢いで熊笹は勢力強く迫っている。
   尾根幅は広い割に左の尾根縁を歩むようなる。足元は熊笹が被り.見えぬ根元から鋭い斜面が時折谷間へ抉り鋭く落ちていた。

    熊の糞
     小径がやや広がる場所の真ん中に熊の糞がデンと盛り上がり残されていた。
   真新しく黒ずんだ艶のあるものが大きく盛られ.湯気気味の湿気に満ちている。今終えたばかりの姿にも思える。
   3人で「熊だ!」.「瑞々しい!」.「今日のものだ!」.「新しく黒光している!」と「堂々としている!」と感嘆詞が発せられた。

     縄張りを示しているのだろう。何時も一番目立つ径の真ん中に盛り上がりを示していた。緩やかな鞍部.木道上.狭い山径では見たことがない。
   必ず周りより広く誰もが分かる場所に残されていた。今回も周りをゆっくり丁寧に見定めてからソッと横切っている。

   鞍部付近に広がる白樺林

     中ノ尾根の頭を過ぎると黒須ノ頭と重なる八間山が正面に以外と高く聳え望まれた。距離の割に捗るコース。
   鞍部にでて愛らしい白樺の森にでる。

    刈り払い
     登山道はずっと野反湖の登山口から白砂山まで.そして八間山を回る登山道も綺麗に刈り払いが行われていた。
   枝木に笹枝の張り込む季節になっている。その前に丁寧に余裕を持ち刈られていた。

     山道の保全には必要な作業だが山を趣味にしている者として感謝に堪えない。
   又野反湖までの国道も道路脇は延々と綺麗に刈り払われていた。見えぬ陰の仕事に手作業いう言葉も失いがちになる。
   最近登った関東近辺の山々でも登山道は殆どが刈り払われていた。そして先月入った秩父の藪尾根でも刈払われていた。

     登山道だけでなく作業道や水源.送電線巡視路もそうである。そこを利用させて頂き.私は藪山に入っている。
   開かれた道があってこその藪山登りと思っている。この先も感謝して歩む。

    黒須ノ頭
   再び笹原径が八間山まで続く
    1743.3m圏峰と黒須ノ頭.重なる八間山.

    黒須ノ頭
     尾根筋を右に巻き込んだ最後の登りはきつかった。
   鞍部から望んでいたにも係らず.頂を八間山と勘違いし前衛の黒須ノ頭を忘れ.又あったと情けなく登っている。
   一気に登り出たと思うも頂は当然黒須ノ頭になる。もう1つコブを越さなければならない。急に力が抜け1本取っている。

     その上休むと同時,ブヨの群が蚊柱の如く塊りとなり.3人に襲い掛かってきた。
   腕を捲くった素手に黒く動くブヨが止まり刺すは刺すは。1匹が血管の上に止まり叩き落とすと既に血は吸われていた。

     赤味を持ち膨らむ刺され傷。それが続々と現れる。袖を降ろすも左手は既に8ケ所刺されていた。右手は何故か3ケ所で済んでいる。
   兎も角,脹れもあり.慌てて立ちあがる。後でも現れた刺され傷.3人で共に痒みに又苦労した。

       八間山
     
     山頂に避難小屋廃屋と八間山茅ノ尾根         八間山の分岐道標から正面が野反湖.15:10
     茅ノ尾根を下る右側がハンノ木沢.左側は野反湖大空堀沢.

     健脚用コースと謳うだけに朝4時に起き.出掛けてきたがそろそろ最後の馬力を必要とした。
   別コースの八間山は高度としては白砂山に比べ200m程しか違わなかった。頂は通過するのみで三角点標を確認し.休まず茅ノ尾根を下る。

     この尾根はまっしぐらに朝方の駐車場に落ちている。裾野で所々に咲くレンゲツツジを見て国道にでた。
   ガイドブックには再び山径に入るとうつらに覚えていたのが.それが又仇となる。
   道標に「池の峠」とあり.入ってしまったのが運の付.少々大回りし下山した。

    ハンノ木沢源流を周回
  
                                           湖畔から道標「池の峠」に入り.16:06
      シラビス尾根から雲に隠れる堂岩山.その先が白砂山. 中央が中尾根末端. 右側が八間山茅の尾根
   ハンノ木沢本流が右の流域.タンカンボウ沢は左側の流域になる・・左下が千川に流れるハンノ木沢出合

    
    一度.野反湖々畔にでて                      池ノ峠遊歩道から白砂山登山口Pに戻る

     道標に導かれ登りとなり湖畔から遠のく。探し探し.朝方の登山道にでてから駐車場へ下山した。
   整然と整備された所があれば薄い小径あり.この遊歩道はまだ造成中とか?
   分からぬが途中でハンノ木沢流域の全景を望むことができた。所謂登山口からハンノ木沢を囲む山々を周回し.最後に一見した。

      白根.芳ケ平湿原上信越自然歩道・・草津口
   7月01日.雨
     スパックス草津=8:45白根.芳ケ平遊歩道口一蟻の塔渡り一9:05常布の滝の見える高台. 一9:35.
     スパックス草津10:20一渋川IC=12:00駒寄SA=鶴ケ島IC=13:00東武若葉.急¥500. 13:11=13:55jr池袋.
  
   草津川自然歩道口で
    
花敷分岐のコース絵略図と草津口.各自然歩道図

8:49
 草津から芳ケ平自然歩道
 

    上信越自然歩道
     登山口は天狗山レストハウス前を横切り.水沢橋(水沢川)を渡った左の斜面が取付きになる。先は音楽の森.国際コンサートホールがあった。
   更に綴ると長笹林道から昨日白砂山に登るため通った花敷温泉に至る。
   霧雨が降る草津口から自然歩道を芳ケ平へ.ワタスギを見に探索することにした。既に落葉松林を綴る歩道にはガスが舞っている。

     右手の樹間を透し草津ゴルフ場が並び見られぬもゴルファーの声は聞き取れなかった。
   ゴルフ場の直ぐ脇を歩んでいる。K氏はプレーしていれば聞こえる筈と云う。

   雨が降り出し退散.9:18

     幅広い自然歩道は「蟻の塔渡り」から香草まで来ると狭まり尾根らしくなる。ただ舞っていた霧雨は小雨になり.更に本降りになった。
   留まっていられなくなった森の樹葉からは雨雫が落ち始めている。右側の谷間先に常布ノ滝.落差70mの滝が望める所まできた。
   その滝口上の湿原は既に雨雲に覆われて隠されている。それを見て散策を諦め.来た道を戻ることにした。

   スパックス草津に戻り入浴後.3人で帰京した。
   山と高原09「志賀高原.草津白根山.阿四山」 スカパ布製登山靴・・6/30日26.978歩