第5弾. 続.大滝沢右岸の2つの支尾根を探る. 屏風岩山東峰(箱根屋沢ノ頭)・・河内川右岸尾根Top

  大滝沢F1と2つの支流.沖箱根沢左岸尾根から屏風岩山東尾根
     沖箱根沢と地獄棚のF1の名瀑を探索し.箱根屋沢ノ頭に乗る沖箱根沢左岸尾根から屏風岩山東尾根を下降 2017年11月10日.松村

    沖箱根沢左岸尾根から箱根屋沢ノ頭・・大滝.沖箱根沢F1.地獄棚F1
    屏風岩山東峰.東尾根を下る

     前回は大滝沢左岸支流の鬼石沢左岸尾根から畔ケ丸に立ち.善六山から塩地窪ノ頭北尾根へ回り込む。
   今回はその下山路の室窪沢を隔てる北側から雷木沢左岸尾根を経て水晶沢ノ頭を詰め.畔ケ丸から甲相尾根を回り込む積りでいた。
   それが急遽.滝巡りから屏風岩山東峰にでて.東尾根を下ることにした。大きい目で見れば大滝沢右岸尾根を下る。

     大滝沢F1.沖箱根沢F1に.地獄棚沢F1と3つの滝を訪れるため.再び大滝沢流域に入る。アスキ嵐沢出合から本流沿いを地獄棚へ遡り.
   地獄棚からは箱根屋沢ノ沢左岸尾根を詰め屏風岩山東峰に立つ。下山は以前権現径路から下る予定だった屏風岩山東尾根を下りに選んでいる。

    大滝沢大滝
   大滝沢F1.8:57

   11月10日(金)快晴
     jr御徒町.山手線内回り5:07=5:37小田急新宿.急行:46=7:03新松田.富士急湘南バス:15=8:20大滝橋bs.

     前回より更に日の出は遅くなり6時12分.小田急沿線の新百合ヶ丘辺りで夜明けを迎えている。
   西高東低の冬型気圧配置が弱まり移動性高気圧に覆われると東・西日本と全国的に晴れた地域が多い。初霜は盛岡.水戸.初氷は宇都宮.

     甲府気象台では先月26日に富嶽の初冠雪の発表した。ただ30日の木枯らし一番で.望まれていた5合目までの雪富士は全て失われている。
   地肌を現わしていた富嶽は珍しい。一昨日の新雪は丹沢湖の湖畔から望むと霞む秀麗たる富嶽は再び雪白き山肌を七合目辺りまで取り戻していた。

     路線バスは快晴の酒匂川の丘陵を抜けると新松田駅と谷我駅で2つのハイカーグループが加わり.ほぼ満席になった。
   玄倉では前回と同様.通学する元気な子供達と再会。「おはよう!」と声を掛け合っている。

   大滝の河原に降りて

      8:20大滝橋bs一8:57大滝沢F1一9:43沖箱根沢F1一10:06地獄棚沢F1一10:20涸沢出合一10:52沖箱根沢左岸尾根
      一11:11(890m圏展望)一11:53箱根屋沢ノ頭.
    2人下車
     珍しく大滝橋バス停は同年輩の女性と共に下車した。彼女は身支度もそこそこに.私と共に大滝沢沿いの東海自然歩道を歩む。
   年齢を聞かれ.私と同じ昭和22年生まれ.それも生まれが1ケ月違いで.彼女は1学年後輩ですと言葉を弾ましている。

     彼女は丹沢近くに住み,周に1度は訪れていると元気よい。黄葉が更に進んだと云えば.谷底を覗き込み水の綺麗さを告げている。
   感性高く,心清らかな感情が伝わってくる。山に入れば更に黄葉は艶やかな色彩に移り変わり.見る目をも愉してくれるだろう。
   先週は権現山から下り.私と反対のコースを歩んでいた。今日はまだ先を決めず大滝橋で降りたとのこと。

     私は地獄柵から屏風岩山にでると知り.共にできませんかと問われた。滝廻りまでとは云えず.ちょっと彼女には厳しく思え.遠回しに断っている。
   それでも手前の大滝にでるまでは楽しく語り合い別れている。そして又帰路.路線バスで再会した。不思議な巡り合わせになった。

    滝めぐり
     今回は素通りせず大滝の釜見物へ。自然歩道沿いの大滝手前の道標「←大滝峠上3.4km.大滝橋1.35km→」から河原に降りる。
   よく整備された小径から広く平坦な河原に降り.一度右岸に飛び石伝いに渡れば大滝の釜にでた。
   滝形はすっきり整え過ぎ.複雑に抉れる尖っ突きもない。その為か.どっしりして怒涛の勢いで落ちる流心だが.整い過ぎてか.何か迫力に欠けていた。

    大滝沢を渡り返す
   本流に戻される丸太橋.9:07

     戻り,登山道から左下を見下ろした方が大きく華麗な流れで望まれている。大滝沢の木橋でを右岸に渡っている。
   2週間前は2つ台風21号・22号の襲来を受け.外されていた丸太橋は復活していた。渡渉した本流を右岸に渡り.左岸に渡り返す。

   再び左岸に渡り鎖場を抜けた.9:10

    マスキ嵐沢
   左.堰下が大滝沢との出合.9:16
    堰堤上を渡渉して東海自然歩道を右に分け大滝沢本流へ

     東海自然歩道がマスキ嵐沢左岸尾根の末端山腹を高巻き.アスキ嵐沢にでた地点には右枝に赤布が付けられていた。
   ここから写真中央の盛り上がりを下り.マスキ嵐沢の出合を飛び石伝いに渡れば.大滝沢左岸の河原610mにでる。
   自然歩道はこの直ぐ上流に架かる木橋で右岸に渡り.鬼石沢左岸尾根を横切れば一軒屋避難小屋にでる。前回のコース.

    大滝沢
   本流右岸沿いの旧径路.9:21

     大滝沢の河原に降りると対岸に径路の標柱を見付けた。近づくと赤帽白柱43と赤帽黒抗が組になり立てられていた。
   河原を歩いてもよいが崩れかけの薄い踏み跡を追っている。

   大滝手前からから4番目の堰堤.9:32

   堰堤の左岸を高巻く.9:35

     左岸の640m圏コブのある南縁を河原沿うに右手に回り込むと流れが左に折れた所にドンと高い堰堤が構えていた。
   この堰は右手から高巻いている。残置ロープが岩塊を回り込めるよう縦横4本の組み合わせで設けられている。
   右1本は豆付きザイルで立木に固定され.もう1本は横ロープと結ばれ.揺れるが少なく安心感はある。以前は鉄パイプの梯子があった模様.

    沖箱根沢F1
     9:43

    沖箱根沢F1
     沖箱根沢は中川川水系の大滝沢右岸の支流。
   出合から3つの滝が連続し.最初のF1は15m.2〜3級で全身シャワーを浴び.冬はアイスクライミングに適していると云われている。3級.
   渓相は3滝を越せば小綺麗なナメが続き.20m超の直登不可能な滝がもう1つある。後は平凡な少し荒れたゴーロで終わっている。

     出合には赤帽白柱59が立つ作業経路が横切り.ほんの少しガレ場に入れば.1枚スラブの滝.F1が顎の出る高さで仰がれた。
   滝落ちる裏側の岩肌が臨め.飛龍する滝粒が連続的に跳ね上げては連ね.私の額にも跳ね上げている。
   右側に回り込むと二段目の大滝がチラリと見上げられた。

    地獄棚手前の本流の滑滝
   右に嫌らしいスラブをヘズる.10:00
    岩屑のホールドは脆く滑り易い

    大滝沢二俣
   地獄棚沢と鬼石沢・・花崗岩の台地より.10:21

     左俣は出合に落ちる地獄柵・・右俣は小滝が掛かる鬼石沢出合. ナメ滝出合から入渓すると50mの雨棚50mがあり.
   上流に遡ればステタロー沢出合に建つ一軒屋避難小屋前にでる。

     雨棚を見物するには手前に4m小滝があり右壁の登る。雨棚は左壁のトイ状V字溝を豪快に流れ落ちる滝。
   雨棚のある空間はまさに谷底.四方が岩壁に囲まれた感じで.高巻きは無理.地獄棚に戻るようなる。4m滝の懸垂はザイル20m.

    地獄棚沢F1・・地獄棚
   左俣出合の地獄棚.10:03

     地獄棚とはインパクト強い言葉だが大滝の下に立ちマイナスイオンを全身に浴びれば.その言葉も薄れてゆく。
   全身にみなぎる不可思議な気が怒涛の如く湧きあがり.体の節々から放出しゆくようだった。 ・・地獄棚F1. 三段の迫力ある大滝.落差50m.

   地獄棚下段を望む

    一軒屋避難小屋へ
     自然歩道が鬼石沢にでる分岐. 鬼石沢左岸尾根末端への下降は最初は平坦で木々の切れ目が増し.右下に鬼石沢のゴルュジュを見る。
   そして790mの小コブから急下降。急な踏み跡を辿り.立木に掛かるロープ20mを使用して.崩れ木に抱き付いて反対側に渡ること。

     沢まで10mの所まで行くと黄色リボンが木に巻いてある。その下の崩れ跡にも綱20mが備えられ利用して下る。
   2本目のロープ辺で地獄棚が見下ろされ.ここで地獄棚に向かわず.左に巻きながら滝壺方面を目指すこと。・・直進は断崖絶壁.

    右岸の涸れ沢
   滑滝の斜め対岸にある涸沢.10:26

     旧径路の取り付きは地獄棚から30mほど戻った滑滝の斜め対岸. 本流右岸に入り込む涸れ沢の出合,670m付近。
   出合の右端の起き上がりは地形図「丹沢」にある地獄棚の真南に位置し.東西に延びる細尾根の岩稜の末端が記されている。
   痩せ尾根上に旧経路(仕事道)があり.地獄棚を高巻いて滝上に立ち.地獄棚沢二俣を横切れば一軒屋避難小屋に至る径路にでる。

     出合より.その右端から入る細沢を横切り.2本目の尾根,涸れ沢本流に落ちる左岸の枝尾根を直登する。
   見下ろすと出合の本当に細い岩尾根に径路が綴られていた。どちらを取るか悩むが.戻らず沖箱根沢左岸尾根を直登した。

     土壁のぬかり気味の急斜面. 立木に曲根と細いホールドが多くあり助かっている。
   ただ尾根幅が膨らみを持ち出すも.傾斜は変わらず.支える手を放すことはできなかった。
   余りにもキツイ傾斜を持つ斜面を喘ぎ這い登り続けている。振り返る谷間は今だ股下から見下ろしていた。

    屏風岩山東尾根と手前が沖箱根沢左岸尾根
   大滝峠上から大滝沢の下りで撮る・・2017.11.29/14:47
   大滝沢二俣手前の山腹から沖箱根沢左岸尾根を詰めている

    頭上が沖箱根沢左岸尾根
   傾斜が緩み尾根に乗る.10:52

    主尾根にでる
     南南西に詰める尾根は790m付近から急登は幾らか緩み.ブナの斜面に変わり830m圏で地獄棚沢と隔てる主尾根に乗る。
   ここはアセビが多く茂る緑が多く目立つ所だった。この尾根は沖箱根沢左岸尾根に当たり.末端付近から作業経路が綴られている。

     主尾根にでてストックを見失ったことに気ずく。河原ではストックを使い.今はストックは背とザックの間に収め這い上がっていた。
   ストックの頭は結んでおいたがストック1本の先が抜け落ちた。確り締めたつもりが根元も結ぶことを忘れていた。

     右に折れ径路に入ると尾根沿いは緩やかな登りに変わり.右手から尾根を合わせている。2つ目の枝尾根が高巻きの径路から続く尾根になろうか?
   出合からの径路は地獄棚沢への径路を分けると失われ.尾根をジグザグに登り.脇から入る新しい作業道を詰めれば私の立つ主尾根上の900m圏と合流した。

    沖箱根沢左岸尾根
   尾根に乗り.登ってきた谷間を覗き込む.10:45

   ブナ群の奥が890m圏に至る尾根.10:58

    沖箱根沢を隔て.左の尾根が下山に選んだ屏風岩東峰東尾根
   逆光.11:11

     910m圏から北側に尾根を派生する手前の主尾根. 890m圏からは左手に展望が開かれる。
   斑な立木の切り開きからは沖箱根沢の源流が紅に黄色.そして緑の鮮やかな樹葉に埋め尽くされ.陽差しに覆われた斜面を照らし出していた。

     丁度逆光になり.幾らか白味掛かった薄暗い状態で望められた。
   ただ見下ろす谷間は同じ日差しでも.煌き輝く雑木林の明るい美しさを映し出している。

    足元の沖箱根沢を覗き込む
   雑木の陽だまり

    尾根上に鹿柵が現れる
  ここから東峰へ延々と鹿柵が張られていた.11:15

     切り開きの直ぐ上で右手から尾根が合わさり.910m圏から鹿柵が尾根に沿いに現れる。
   鹿柵の右沿いに入り登りだすと直ぐ.昔の丸太で作られた変形の確りした脚立を見付けている。
   間を通る鹿柵は新たに取り替えられ.同じ方向に傾く斜面は柵越えし.登る方向を変え.戻る形て渡っている。珍しくカメラを向けている。

   鹿柵越えの贅沢な脚立.11:18

   尾根筋に2つの鹿柵が並行する.11:19

     尾根筋にアセビが多くなり.艶のよい緑濃い樹木が目立つ。右脇にも鹿柵が立ち.狭まって.暫くは二重の鹿柵に囲まれた。
   その間を頂へと詰めている。

     ここで爆音と共にヘリコプターの機体が頭上に大きく仰がれた。前回の塩地窪ノ頭と同様.朝方大滝沢に入ると峰山橋あたりでヘリの爆音を遠くに聞く。
   そして再び気になったのが地獄棚から登りで.前回と同様に河内川上流へと運搬作業が行われているのだろうか?

   鹿柵が途切れると黄葉鮮やかな自然林へ.11:26

    箱根屋沢ノ頭(東峰)
   屏風岩山東峰へ北東尾根から立つ.11:53

     1000m圏を越すと左下から3本の鹿柵道が尾根筋に入り込み.ほぼ等間隔で大きな4つのブロックの植生保護柵が頂まで作られていた。
   すっきり整備されている。杉の植林帯に入り.林相の異なる境界尾根は幅広い草付きになり.頂ではコの字の鹿柵に囲まれる。

     尾根筋の左手は斑な雑木. 地獄棚沢を手前に植林が競り上がり.大滝沢側の谷間の広がりは.雑木の豊かな紅.黄葉美の華麗さを見せている。
   そして前回訪れた鬼石沢.吊尾根.畔ケ丸から善六山へと連なる山並が.のびのびとした谷間を囲むよう眺められていた。

     1020m圏で平尾根に変わり.最後は緩やかに20mほど登れば箱根屋沢ノ頭.屏風岩山東峰に立つ。
   8月に屏風岩山訪れた時とは反対側から頂稜を少し外れた東峰に詰めていた。東峰から右前方へ下り返せば屏風岩山に立つ。
   東峰に林立する植林の境を下れば南東尾根と東尾根の尾根分岐にでる。

     沖箱根沢左岸尾根から箱根屋沢ノ頭・・大滝.沖箱根沢F1.地獄棚F1
     屏風岩山東峰.東尾根を下る