常念山脈Topと涸沢                  .

残雪の燕.常念岳山脈と.穂高涸沢のY峰



雪白き燕岳と白夜の散歩.涸沢のコブ.ピストン

雪の王国へ

上高地.上高地線

                  燕岳山荘より槍ヶ岳北鎌.東鎌  .
        好天に恵まれた残雪の燕岳から常念山脈へ。蝶槍の斜面を尻セード・・横尾生活と涸沢散策
           s43年(1968年)6月05〜10日.L松村進(4).sL斎藤吉男.m西沢隆雄(2).中沢康(1).見城寿雄(41卒)

         3年前の表銀からのコース.新人養成後の企画山行で入山したコースを常念山脈へ。
           雲一片ない紺碧の天空が僕等の入山を祝し.月光の煌く神秘な山並を越え穂高の雪の王国に入る。

                                        燕岳から常念乗越.仮c・・夜半登山
                                          常念岳から上黒沢尻セードで横尾. 更に涸沢のコブをピストン
6月05日
6日
7日

8日
9日
10日
新宿=
有明=中房一燕山荘c
c1一常念乗越.仮c
仮c2一常念岳c
c2一横尾c3.4
c3⇔前穂高岳北尾根Y峰
c4一上高地=新島々=新宿

     6月05日.新宿23:00=
     6月06日快晴. 松本5:27=5:57有明6:30=7:25中房:40一8:50第二ベンチ9:10一10:35(2550m):40一13:20燕山荘一13:30c1

      
再び燕岳へ
   雲一片ない紺碧の大空は僕等の入山を祝してか? 蒸す暑さに残雪を求め.中房からの第一歩を踏み込んだ。
     最初の急登はブナの巨木茂る林の中に登山道が綴られている。汗が滴り面白い程高度を稼いでいた。

   見下ろせばもう中房の河原は銀蛇の尾を引きキラキラ煌めいている。遠くから見下ろすも見る暑さは変わらないでいる。それほど暑い。
     河原に点在する赤い屋根は既に胡麻のような大きさになっていた。

   第二ベンチ.ブナの原生林を抜けると急に蒼空が開ける。
     大天井.蝶ケ岳へと続く山脈が真白い冠に雪庇を連れ,これから挑む展望に素晴らしい大パノラマを展開させていた。

   合戦小屋付近は雪多し.
     広い尾根は狭まり.右手に奇岩懐石を形作る花崗岩の山稜.燕も見え出していた。

   一年生中沢君は疲労気味.夜行疲れで軽い熱射病に掛かつているようだ。
     頂真近.あと一息の頑張りでアルプスの壮大な姿が現れる。・・北アルプス南部地形図.山行表

   
     燕岳山荘前より樅沢岳〜針ノ木岳.燕岳山頂

    頂稜c1
   頂稜の幕営地と燕岳.左三ッ岳

   燕山荘より北頂稜70〜80m先の右雪渓上
雪上訓練と燕岳    .,
      雪上訓練.テント脇.15:00〜15:50.
      c1.18:45⇔燕岳19:10一19:30

   テント設営後.二年生が中沢君に雪上訓練を天幕端の残雪を利用して教えていた。
     主に雪上歩行を行い.後はそれぞれ気侭に楽しんでいる。

   乾いた岩蔭に身を託し密かにトカゲする見城さん。
     そして漫画に熱中している斎藤. 西沢は中沢君と夕飯の為.水造りに精をだしていた。


    大天井岳
   ゲイロ岩より

   私.西沢.見城先輩.中沢.斉藤
     北鎌尾根と笠ヶ岳.左俣岳
   ゲイロ岩より北鎌尾根と硫黄尾根

                          
     , 黄昏の蛙岩
      燕岳
   日没. 帳が完全に周りを包み込む少し前の黄昏時.落陽の残光がまだ頂稜を薄すらオレンジ色に染めていた。
     僕等はカメラを手に雷鳥を追.,気の向く間々.燕岳の頂に向かって歩きだす。

   両手をポケットに突っ込んで.裸足が靴の中で踊っていた。
     花崗岩峰の頂は夕日を浴びスポットライトを浴びたように.頂稜に浮き出させている。
     谷間は既に帳が迫り暗い影を造っている。東の空には早くも星が輝きだしていた。

   山々はアーベンロードに飾られ.今日最後の厳粛な儀式を終えようとしていた。
     富山の雲海に身を落とした陽は,もう幾らかの明るさを留めているだけだった。後5分か.10分のこの頂も闇になる。
     僕は限りない自然の神秘を見.手に入れたような気持を掴み取っていた。


        燕岳―常念乗越.c2
     
                                             燕岳より大滝岳から槍に広がる表銀
     左.ゲイロ岩

   大天井手前鞍部より高瀬川を隔て裏銀.立山.針ノ木岳

     6月07日快晴 燕岳―大天井岳―常念岳
        起床4:30. 燕岳Ts1, 6:40一7:05ゲイロ岩:25一7:40大天井.手前鞍部9:05一10:15大天井岳11:15一12:03横通岳手前13:00
        一13:59常念乗越(仮c2)
      パノラマ
   のどかなパノラマの縦走路. 花崗岩砂に覆われた表銀座は殆どと云ってよいほど.残雪は残されていたかった。
     向かいに鋼鉄の鎌を剥き出しにした北鎌尾根が右手の高瀬川からそそり立っている。
     鎌を築く独票.鋭い穂先の大槍.黒い岩壁に天丈沢の雪渓が興味深い。


          大天井岳山頂より

                                         槍から穂高の稜


明日は左端の黒沢を下降.その後登る涸沢カールと東鎌尾根                           ,

梓川下流は霞沢岳と乗鞍山                                  .

                                常念山脈を隔て梓川と穂高岳

    強い陽差しを浴びての表銀
   常念方面.強い陽差しが日毎.雪を溶かす

   横通岳手前.裸一本

            常念岳へと穂高連山
       常念乗越から.明後日は涸沢に入る     ,

          霞沢岳の遠方は乗鞍岳     ,
    穂高連山〜槍ケ岳
   常念乗越.仮c2

   残雪は大天井岳の登りと常念乗越を挟むよう尾根沿いに現れた。そして大天井の小屋は残雪で半ば埋められていた。
     スナップ.遠方写真,食事.日向ぼっこと1本.1本の休みにゆとりがあり,槍穂の絶景が白稜に纏められ,頬を撫でるそよ風が快い。
     キャンプサイド. 常念乗越では中沢君の誕生祝賀会を催す。「滝谷.北尾根・・」と友を偲ぶ唄が連発する。


      夜間登山.常念乗越仮c2―常念岳c2
      南岳より常念岳.    ,

  穂高より月光煌めく常念の谷間.  ,  .
      月夜の縦走
       常念乗越.仮c2. 22:15一23:35常念岳c2

   夜半. 月の光が余りにも明るかった。
     テントを出ると満月真近い月が.ここ頂稜の大地を照らし足元を照らしている。
     中天に至ろうとしている明るい月光はエレキを必要とせず.全て尾根筋を照らし仲間の顔をも照らしだしていた。

      幻の穂高
   風もなく.静寂に満ち神秘の領域が幻想的に思えた。
     穂高連山の山蔭は深い谷間の闇から岳々を浮かび出し.飛び出た岳々は白光の世界に包まれている。
     昼間.見た絶景が暗黒の裾から山襞を墨で塗り潰し.灰色の一線を越し月光だけの峰々を現している。岳白き冷たい漂いに,突き出していた。

   僕はこの間々寝てしまうのに迷った。そして決断した。
     一時間でも歩こうと.常念岳の頂まで。天幕轍収.個人山行ではの行動にでる。

      闇に酔う
   僕も夜の撤収は初めての行動だった。一寸の迷いもなかった。それは仲間も外を見て無言で伝わっている。
     急の決断が行動を早ぶらせた。月光を浴び常念に登る。

   無謀に見えるが頬に触れる微風が快い。影とおぼろな明るみの空間が尾根を導き.進むべき道しるべを示している。
     広い背稜と雪の斜面は満月の月光に照らされ.エレキも必要としない明るさを持っていた。

      テント撤収
   誕生日祝いを終えたばかりの一年生.中沢君は寝支度を終え.テントで何事かと動き回っていた。
     二年生.斎藤.西沢を外に呼ぶ。これから常念岳に登ると。

   何時もなら素晴らしい幻想的な穂高の岳を望み.岳に向かいキジを打ちシュラフに飛び込んでいる。
     今日は違っていた。夜半を撤し撤収する。

   二年生がよく動く。彼等も面白がっている。分けの分からぬ中沢君には自分の荷物から片付けろと論す。
     先輩.見城さんも私の意見に頷き大声で仕切りだした。「これから常念に登るぞ!」と。
     中沢君は外に出て歓喜の声を上げた。雪面に照らされた月光を彼は全身に浴びている。

   残雪を踏み穂高を眺め.言葉少なく歩んだ。今ほど掛け声は無用に思えた。皆.自分の気持を抱き.無言で登っている。
     幻ろな頂稜の世界. 谷は闇に閉ざされ.岳だけが白光を浴びている。
     その扉は月光に導かれ.我々だけに開かれていた。


     燕岳から常念乗越.仮c・・夜間登山
     常念岳から上黒沢尻セードで横尾. 更に涸沢のコブをピストン