カモシカと ・・鳥獣と昆虫等の世界Top

  1966年04月. カモシカ跡がガイドに・・阿弥陀岳立場川本谷左俣からの下山

     今登った阿弥陀岳南稜は危険きわまるので立場川本谷を下ることにする。一度.西コルに出でてから本谷を下る。
   谷間に一歩踏み込むと,両側は側壁を築き.狭いツメは急激に落ち込んでいる。湿雪でツァケはダンゴになり.雪崩も考えジグザグから直下した。
   ツメの側壁は陽陰の暗さと雪白き輝きが重なり.迫力は圧倒させられている。大きなゴルジュ状の谷間は雪多く.頂稜とは違った静寂さを漂わしていた。

     下降でも膝上のラッセルが一直線に続く.胸に付く登れぬラッセルがある。雪面に背を付けても暫く変らぬ傾斜を持っていた。
   幾らか傾斜が落ちると陽差しが入りだす。兎の足跡が谷を横切っているのが.暫し目に入る。
   谷間は広がり明るくキラメき輝く雪斜面に変えていた。下流の河原が望められ,扇状に広がる雪面が眩い光を放す。

    カモシカの径
     Shへは無名峰の1本手前の枝尾根を間違い登ってしまった。そこはカモシカの足跡が続いている。
   上手い登り方だが深雪を避け藪絡みを避けている。ただ一ヶ所.崩れそうな場所があった。慎重にトラバースして越える。
   最後に東側に張り出した雪庇を崩し.無名峰の上に立つ。雪庇の上には朝方ラッセルしたトレースが崩されず続いていた。行動時間7時間5分.


  2008年04月. 毛並みのよいカモシカ・・西沢渓谷.森林軌道跡.大久保沢.子酉橋で

     西沢渓谷を散策し.森林軌道跡の中間ほどに大きな枝沢の大久保沢を横切る。その沢に食い込む子酉橋。
   後に知った話だが美味い水が飲めるらしい。そこでカモシカと出会っている。傍でカメラを構えても動かぬカモシカ。
   堂々とした姿は毛並みのよさを示していた。


  2019年10月. 若いカモシカ・・大丹波川林道.44号巡視路標柱辺りで

     エビ小屋山から曲ケ谷沢を下り.大丹波川左岸道に入ると谷側の視界が開け.少し盛り上がった茂みの上にカモシカらしきものが
   一頭.天を仰ぐよう見上げられた。逆光で眩しく定かではないが。背景には蒼空映し.私より高みにジッと動かずいる。

     その姿は何度か遭遇している中でも.中々見られぬ角度だった。増して高度の低い林道からは凛々し姿に見える。
   何をしているのか見詰めていると目が合い.慌てることなくゆっくり過ぎ去った。背景の空が眩しく.若いイノシシにも思えるが?


  2020年03月. 行き止まったカモシカと土俵際に立つ。他.タヌキ・・三頭山中尾根に取付く前の麦山浮橋で

    カモシカ
     路線バスは奥多摩湖北岸を綴る青梅街道を西進し峰谷から隧道を潜り.岬に入ると直ぐ小河内神社バス停に出て下車した。
   稀に見る気持のよい晴天に恵まれ.湖畔の岸壁から麦山浮橋を見渡している。一緒に降りた5名の女子..壮年組はヌカザス尾根から三頭山に登る。
   彼女達も同じように奥多摩湖の対岸に渡り.これから目指す尾根筋を清々しい気持で眺めていた。

     私はその間を抜け対岸に渡るため浮橋の階段を降り.踊場先の側壁に囲まれた岩場の前にでる。すると一頭のカモシカが
   土手下の左手の行き止まる小さな岩場で.私の方を見詰めていた。踊場に着くまでは全くカモシカがいること事態気が付かず。反って驚かされている。
   道路真向いのバス停から百歩ほどの距離. まだ歩き始めたばかりだった。

     何時もは大人しく直ぐ傍に居ても気儘な動きをしているカモシカが.今日は異なり行き場を失い.私をジッと見詰めている。
   人は害を与えないと分かっている筈だが。何時もとは異にし.私を見詰める目は緊張し.私から目を離さずにいる。
   停まった間々の場所から一歩前に進むとカモシカは一歩後ざかり.行き場を失っていることを私自身が知ることになる。

     行き場所を失ったカモシカはジッと見詰めるまざなしは動かずにいる。カメラに収め.一歩退くとカモシカは一歩前進した。
   過って熊と対峙し土俵に立った時とは全く反対の立場に立っていた。あの時は絶望の中にいた。如何にかせねばと思うも立つ瀬がなく.
   ただ目を離したら終わりと考えていた。今は私が強者になり.目を離さない弱いカモシカが目の前にいる。

     踊り場から浮橋に2歩.3歩移動し.声を出し「どうぞ!」と優しい言葉で譲るも.固まった間々動かぬカモシカ。
   言葉の意味が分かったのか? 外さぬカモシカのまざなしに.私が目をとチラッと反らした瞬間. 私の前を突風の如く風を起こし過ぎ去った。
   私が降りてきた階段をハヤブサの如く駆け登り去る。ポカンとすると同時.私の隙を見て.去ったカモシカもホッとしたことだろう。

     その後.対岸に渡り.ヨンスキ沢の左岸道から三頭山中尾根に入る作業道でタヌキと出合っている。
   目の前の植林帯との境を綴る小広い作業道に小動物が横切る。鼻の周りの黒さ.大きさから見てタヌキのようだ。
   カモシカとは異なり私と目が合っても無視し.のそりのそりと植林帯へ抜けている。今までは山で見ていたかった。タヌキと分かったのは初めて。

     過って千葉県鵜原の漁船に乗り.10年近く大陸棚釣りをしていた。船上での初竿は日の出の定刻で.日の出一時間前には港を出船していた。
   その為.夜半東京をでて.千葉の丘陵を横切ることになり.暫しタヌキの交通事故の残骸を見ていた。それ故か? 里山に棲む動物と思っていた。