御座入山から北尾根を南下し双耳峰の城ケ丸へ
    御座入山北尾根から猿焼山西尾根に回り込み.起点の雷鳴轟く「芭蕉月待ちの湯」に戻る。戸沢川をとり囲む北側の尾根を周回

    1410m峰の北尾根右支尾根から今倉山
    今倉山西峰北尾根から猿焼山の西峰西肩を下る・・雷雨と露天風呂

    今倉山北尾根(御座入山)を下る
     今倉山には2つの北尾根がある。今倉山東峰の肩から張り出しているのが長スラ尾根で.大旅沢流域の入山沢と一ノ沢を隔てている。
   林道延伸工事中の尾根。又西峰から派生する北尾根はバラジマノ頭,エビラ沢の肩ノ頭は猿焼山と謳い.ひとかどの頭峰を連ねている。
   朝日川のヘチまで下り.戸沢川と大旅沢を隔てている1410m峰北尾根と同様に藪尾根の醍醐味を味わえそうな尾根だった。

    御座入山(今倉山西峰)
   アクセントに汗拭きタオルと缶チーハイ.11:34

     今倉山稜にでて2パーティ5人と擦れ違い.御座入山1480mにでる。
   頂には大きな欠けた板切れに「御座入山」と書かれた山名標と「←二十六夜山 菜畑山道志→」の道標が立木に掲げられていた。

     山頂としての思いより地形的には平凡な尾根の一角の肩にに思え.頂に立つと云うより樹葉の生い茂る青々とした緑の台地にでる。
   それでいて三角点峰の東峰とは急勾配で抉り落ちていた。

     静かな木洩れ日の照りつける小平地。眺望はない。登山道を跨ぎ.立木に寄り添い1本取る。
   一昨日コチコチに冷凍した缶チューハイはまだ冷え切っていた。ザックから取りだし.山に登った者だけの特権だと喉通しよくゆっくり呑む。
   最近煙草に変わり.頂でのアルコールが多くなっている。良いのか悪いのか.自己満足の世界に入る。

    西ケ原ノ台への取付き地点
     11:46

      西峰北尾根から城ケ丸西尾根
   11:35今倉山西峰:50一西ケ原ノ台一12:25パラジマノ頭:50一13:30エビラ沢ノ頭:40一14:20猿焼山:30
   一城ケ丸西尾根一15:15芭蕉月待ちの湯」17:13.

    藪漕ぎ
     今倉山北尾根の取付きは30m程戻った所の木立ちに.小さな木片に「至西ケ原(難)」と書かれ留められている。
   道標を無視してその裏側から北尾根に入る。枝木の樹葉が煩く.取付きの初鼻から分かりずらいほどの夏藪に被われていた。
   その藪絡みを両手で漕ぎ開いては進む。周りはブナと雑木に覆われ小さな灌木も多く.足元の下草も分かりずらい見えぬ藪径を漕いでいる。

     その藪の中に赤く実を付けた野イチゴが小さく茂るのを見付けている。口に含むと小さな赤い実は酸っぱさの中に少し甘味があった。
   真夏の勢いもあり生い茂る斜面. 雑木に藪を漕ぐ.間伐された落葉松林を抜けて下草を漕げば確りした踏み跡に変わっている。
   下る一時は一見すると足場が見定められぬほどの藪場になっていた。

    西ケ原ノ台1246m
   尾根径から造林小屋.12:08

     右下へトラバース気味に急斜面を強引に下る。軍手で枝々を掴み膝上の藪を漕ぐ。
   そして尾根らしくなり.踏み跡が尾根の左端沿いから尾根中央に移ると雑木に囲まれた広い台地に飛びだした。

     西ケ原ノ台の上部.造林小屋跡にでる。小屋は少し市ノ沢側の広い窪地に建てられていた。
   緑深いブナの森の中. 今にも崩れそうな傾向きでみすぼらし。中も壊れ朽たれた小屋を見る。
   林道菅野盛里線の予定ルートはこの辺を横断するのだろうか? 今はまだ手付かずの昔の間々の原生林に覆われていた。

     小屋を過ぎると北尾根に乗った感じを受け.穏やかな丘陵の西ケ原ノ台を頭にして.南西に延びる大きな枝尾根を分け下っている。
   尾根の踏み跡は覆い被さる下草も消え.緩やかな枯葉の敷き占められた確りした踏み跡に変わり.足の運びも快く軽やかに。
   踏み固められた踏み跡が尾根伝いに続いている。時折古く錆びついた伐採用のロープの渦塊が目に付いた。

    バラジマノ頭1076m
   12:36

    昼食
     右後方から作業道が合わさり.5分程で小高いバラジマノ頭にでている。倒れた御恩林の標柱に腰を降ろし昼食を摂ることにした。
   妻に頼んだ弁当箱にはご飯の上に鱈子が乗っている。お茶漬の素を振りかけると素朴な味. ポットの茶を注げば直ぐできあがる。
   スプーンで食べる飯.何時ものことだが塩味が食欲をそそっている。

     学生時代は飯盒に干ダラの切れ身を2つほど乗せ.真水を加えただけの質素な食事を定食のようよく摂っていた。
   アルプスであれ.東北や北海道でも.場所に係らず無雪期の昼食の簡単なメーンだった。

     干ダラと云えどショッパイだけの味.だから水を掛け食べると味がでると聞かされつつ食べていた。
   それに比べれば贅沢過ぎる食事。焼きシャケに梅干し.細かく刻まれた海苔も入っている。あっと言う間に平らげた。

     バラジマノ頭には「登山道」と記された立派な道標があった。それは北尾根を下ると同様の道標がエビラ沢ノ頭・猿焼山にもあり.
   更に猿焼山の西尾根に入っても「月待ちの湯」とマジックの走り書きが添えてあった。同じ道標が先へと導き.「芭蕉月待ちの湯」の湯館へ下りていた。

    エビラ沢ノ頭1034m
   13:28
    頂の立派な道標には黒マジックで「エビラ沢ノ頭」と山名の走り書きがあり

     今倉山北尾根はもうバリエーションとは云えぬ山道で綴られている。足元を確り見詰めていれば迷うことはない。
   硬く踏み固められ.尾根筋の各コブには道標の脇下に小さく山名が黒マジックで.目立ち付け加えられていた。
   別名はエビラノ峰.タカザス.箙の峰.箙沢の頭.高指(たかさず)とある。

     痩せ尾根になり岩混ざりを越えると40分程でエビラ沢ノ頭にでた。
   ここにも山名の添え書きがあった。ただ不思議なことに.下ってきた詰めの御座入山付近では木片があるのみで.目立った道標は見当たらなかった。
   小さくとも道しるべがあれば更に付け加える必要はない。できるだけ質素がよい。

     松山の背稜にでた折.食べたレモンの味を想いだし.半分ほど残したレモンをナイフで薄く輪に剃りながらしゃぶる。美味いことこの上もない。
   この茹だる暑さで全部食べるには勿体ない味。再び1/3程残し猿焼山でしゃぶることにした。

    片隅で望めた朝日川流域の山々と南大菩遠景
   13:37

     エビラ沢ノ頭の北端でると行く手の山並が開けだし.見通しのよい所にでる。
   鶴ケ鳥屋山,高川山. 北道志九鬼山に続く高畑山. 手前には猿焼山西尾根と棚沢ノ頭.
   手前は朝日川から右手に回り込んだ支流大旅川(おおたび.入山谷)猿焼沢。その右奥は高取山稜のサイマル山だろう。

     931mの尾根を西側から合わせると展望が開け.露岩の尾根を辿るようになる。そこからグズグズの急な下りを強いられた。
   猿焼山までは見た目より意外に早く楽に越えていた。雑木に綴られた径が距離を延ばしている。
   猿焼山双耳峰
 
   城ケ丸878.3m(猿焼山西峰)と猿焼山(東峰)・・13:39
   背は九鬼山東尾根

  棚沢ノ頭798mと710m鞍部  
 左中央が今倉山北尾根末端.猿焼山から東へ続く尾根
 鈴ケ尾山左の鞍部が鈴ケ音峠.右側が鈴懸峠
 手前はエビラ沢ノ頭から北東に延びる尾根で大旅沢へ落ちている
     左遠方は九鬼山西尾根から突畝への稜. おぼろに見えるのが南大菩薩連嶺.右奥が高畑山。
   猿焼山から棚沢ノ頭.その裏が朝日川沿いにある曽雌(そひ).梨木橋を渡り710m鞍部にでる。
   左立木裏が松山北尾根.P1から751m峰に延びる尾根。入道からの北東に派生した尾根の末端。

    城ケ丸と猿焼山885m(東峰.ヤエン峯.野猿峰)
   猿焼山双耳峰.手前が鳥屋の峠と無名のコブ.13:39
    城ケ丸の南西に延びる尾根を下り.小コブを越え戸沢川に戻っている。

    戸沢川沿いに張り出した台地
   右側がエビラ沢.13:39
    左端が931mコブで尾根径は右端を通り.猿焼山手前の鞍部885mへ。古い記録によると「鳥屋ノ峠」と呼ばれ.入山谷猿焼沢のツメに当たる。

     猿焼山(東峰)
   東方へ向かえれば猿焼山東尾根へ.14:21
     尾根の北は朝日川.南側は大旅沢猿焼沢

    猿焼山880m
     双耳峰の東峰.猿焼山と城ケ丸はほぼ等間隔で登り返し.東西には長い尾根を延ばし.尾根伝いには踏み跡が綴られていた。
   880m圏の猿焼山の細長い頂稜は猿焼沢のツメに当たるところから猿焼山と称し.別名は東峰,ヤエン峯.野猿峰.
   猿焼山東尾根は棚沢ノ頭を越え.鞍部から大旅沢曽雌に没し.西尾根を詰めれば西峰.城ケ丸に立つ。

     西尾根は城ケ丸から大旅沢.朝日川沿いに西尾根を下れば2つの天神峠を下り返し.長い緩やかな起伏の踏み跡を探り続けている。
   この尾根の末端が生出山。富士急「禾生」と「赤坂」の距離幅が戸沢川と朝日川とを隔て.尾根末端が扇状に広がりをみせていた。
   猿焼山は又.今下ってきた今倉山北尾根の末端でもある。天神峠手前のコブから最近「月待ちの湯」からの登山道が開かれ.そのコースに導かれ下りていた。

    城ケ丸878.3m
   14:36

   14:39

     猿焼山から10分程で城ケ丸にでる。猿焼山と同じような雰囲気の小さな頂で.コブの少し西側に小さな道標があった。
   地理院地形図には猿焼山という山名はなく.3等三角点標には「馬場」と表示されている。別名は猿焼山西峰.ジョウゴ丸
   又頂からの北尾根は朝日川二俣の朝日馬場.石船神社前に没している。少し荒れるルート。

     遠く都留.大月方面から雷鳴が轟きだした。如何にも遠方からの響き.気になるもまだ遠方.後は西尾根を下るのみだった。
   1時間ほどで戸沢川の河原に下りられた。その間も途切れることなく.気が掛かるほど雷鳴が響き渡っていた。

    南側戸沢川に下る「月待ちの湯」への分岐
   西へ直進すれば天神峠.林道にでる.15:00

    西尾根
     城ケ丸から西尾根に入る。所々岩屑混ざる径。恩標が尾根上を綴り.最後まで尾根を下れば天神峠を横切る林道にでられる。
   恩標や赤ペンキで大岩に「恩」と書かれている711mコブを越えると直ぐ落葉松の根元に左折する「登山道」の道標分岐にでた。

     道標には「月待ちの湯」と小さく黒いマジックで書き加えられていた。
   西尾根と分かれ左手(南西)への枝尾根を下る。新たに猿焼山から「なごみの里」へ抜ける登山道が整備されている。

     この頃になると雷鳴は真近に迫り.怪しい雰囲気になってきた。空は幾らか薄暗くらさを増し雨雲が近づく予感が忍びだす。
   まだ鈍い響きだが轟く回数は増している。もしやと思うもまだ空の明るさは留めていた。 下るのみ.戸沢川の河原は近ずいている。

    戸沢川猿焼山登山口
   河原からの林道口.15:09

     急な赤松のジグザグ径から檜の植林帯に入り.枝打ちされた歩き難き枯枝を踏みしめれば作業道から林道にでられる。
   都留戸沢の森「せせらぎ荘」.「なごみの里」.「釣り場」を過ぎ.朝方1410m峰北尾根の取付きを探していた枝林道口まで降りた。
   その先に芝生広場があり.続く「芭蕉月待ちの湯」が待っている。更に雷鳴は大きく響き渡ってきた。

    都留二十六夜山
   戸沢川沿いに下り.せせらぎ荘キャンプ場から.15:10
    手前を横切る尾根は今倉山稜1410m峰の北尾根右支尾根・・朝方取付いた尾根で末端は湯館前にあるツツジ公園

    下山アプローチ
     15:15芭蕉月待ちの湯bs17:13=17:20富士急赤坂:54=18:10jr大月:24=高尾.快速19:20=20:25神田.

    雨上がりの今倉山北尾根西面
   「芭蕉月待ちの湯」玄関前より.17:04

      左にある見えぬ猿焼山から900mコブ.エビラ沢ノ頭,バラジマノ頭. 平らな台地が北尾根派生部分が西ケ原ノ台。
    右中央の尾根は松山北尾根P1から東に派生した尾根末端. 今回は西に派生した尾根から周回した。

    「芭蕉月待ちの湯」
     二十六夜山は江戸時代に盛んとなった旧暦の正月と7月の二十六日の夜に人々が寄り合い飲食などを供にしながら
   遠く道志山塊から上がる月を拝む月待ちの行事が行われていた。月の出を待つ二十六夜(三日月)待ちの行事に由来する。
   又昔この辺りは池があり.月を映した池の美しさが格別で松尾芭蕉が「名月の夜やさぞかしの宝池山」と詠んだと云われている。
   秋山と道志二十六夜山

     5時近くに下山すると思われた行程も.最終バス17時13分まで2時間の余裕を持ち山を下りている。
   2000年07月にオープンしたまだ真新しい施設。仄かな硫黄が漂う柔らかい無色の湯舟に体を伸ばした。
   アルカリ性単純温泉.泉温35.4℃.市外者¥700+ビール550+220

     体を洗ったところで雷鳴が轟きだす。それと同時物凄いスコールに見舞われた。雷鳴と共に叩く雨粒が滝となり落ちてきた。
   東屋の露天風呂に浸かり温まった体に.外で裸で受けるスコールが快い。雷雨でずぶ濡れの体にやや痛い滝のような雨粒。

     ほてった体を冷やし.屋根付き露天風呂に入っていた浴人達も.私に見習い競って屋根の外にでている。
   体だけでなく互いの会話も.とき解された気分になっていた。雨足早い中.それぞれが背を伸ばし胸を張っていた。

     1時間半も降り続いた雷雨. 激しく叩いていた雷雨も路線バスが迎えに来た頃には小雨になり
   バス停に出ると今倉山北尾根が初めて.雨上がりに歩んできた尾根の全容を現わしていた。

    超短型路線バス
     最終路線バスが現れる。バス型は正面から臨むと普通の大型車。ただ車両の長さは極端にショートしている。
   普通の半分もなさそうだ。見るのも初めてなら乗車も初めてで.この短さには驚きの目を向けさせていた。

     乗車し運転席の後ろ側には縦横の座席があり.後席2列が横の座席になっている。又後の投降口はない。
   全体的には普通の大型バスを極端に短く切ったバス。座席数は18人程で.登山者3人を含む9人が乗車した。

     後方から見ても普通の路線バスと変わらない。ただ斬新過ぎるコンパクさに改めて驚かされていた。
   この富士急バスはスカイカードの利用もできる。発注しバスが届いたばかりのピカピカの新車。超小型バスで山を下りる。

    管野川戸沢川左岸の山々
   国道赤坂交差点より南東を望む.17:25

     今倉山主稜と右手前の大きな山容が道志二十六夜山。
   後日.今倉山から右の背稜を綴り都留二十六夜山へ下りている。・・2017.06
   今倉山北尾根から猿焼山西尾根・・高畑山を越えサイマル山から猿焼山西尾根へ。・・2013.04

     都留市内のバス路線で「芭蕉月待ちの湯」発は1日2便がある。赤坂駅まで徒歩1時間弱
   12:50と17:13で最終バスは都留市駅発の特急には間に合わず.赤坂駅で下車する。バス賃は¥360.タクシーの15%と安価になった。
   派手な色合いの赤坂駅で30分待ち。駅前の国道交差点にはスーパー公正屋.マクナルド.Jマートがあり.アルコールを含め買物は便利。

     富士急大月線赤坂駅改札口
  



牛丼
水ようかん
バナナ
レモン1/3
バナナ
缶チューハイ
お茶漬け
レモン
レモン

羊羹



車内
入道P1
ミズナラ
稜線
松山赤岩
御座入山
パラジマノ頭.パラジマ沢ノ頭
エビラ沢ノ頭.箙の峰.高指.タカザス
猿焼山,野猿
城ケ丸.ジョウゴ丸
芭蕉月待ちの湯
大旅沢.入山谷
    駅舎はオレンジと白.クリーム色を組み合わせたハイカラなデザインとなっている無人駅・・17:37

    高川山東尾根
   赤坂駅ホームから正面の北北西を望む.17:32

     駅ホームに上がり.中央のベンチに坐りながら一人,缶ビールを呑む。単線のホームを挟んだ先に高川山東尾根が大きくうねり右肩下りの姿を現していた。
   末端は大月駅になる。手前の尾根を下れば田野倉駅に至るのだろう。駅前交差点角のスーパーで買ったビールは一気に呑む.アッと云う間に空になる。

     JR乗り換えの大月駅に着くと中央東線は先程の雷雨の影響で大雨になり.列車の乱れが続いていた。不通になっている。
   特急が動きだし.それほど待たずに私の乗る普通列車が入線した。不通後の最初の列車だとホームで知らされた。

   地形図「都留」.山と高原08「高尾.陣馬」. スカパ布製登山靴・・26.034歩

     今倉山北面の尾根ルート図
     1410m峰の北尾根右支尾根から今倉山
     今倉山西峰北尾根から猿焼山の西峰西肩を下る・・雷雨と露天風呂