・・奥上州.白毛門Top ・・湯檜曽川流域地形図

   若葉萌ゆる上越国境の山々・・上越と隣接する奥上州の白毛門と吾妻耶山
     土合から眺めると北上しつつある前線に追われ白毛門をピストン―翌日は大峰沼から大峰山.吾妻耶山を周回する
                               2012年05月29〜30日 L松村.m見城.滝島.鈴木.田島.立松
    迫る雨堤に荷をデホし.幾度となく訪れた白毛門をピストン
    前日は湯檜曽温泉に宿り.大峰沼から大峰山.吾妻耶山を周回

     白毛門山行が企画されたのは5年前の6月.
   再び山に入るようになり滝島先輩.同時鈴木と北秩父.両神山に登ったのが切っ掛けで.翌月には奥上州.白毛門山行が企画された。
   それが百名山を目指す広島に住む竹永先輩が.苗場山登山に上京すると聞き.急遽変更されている。

     その後2010年05年に残雪の白毛門が企画されたが延びに延び.になり.再度企画されたが残雪が少ないと西黒尾根に変更している。
   今回も残雪期に登る手筈だったが遠のき.もう待てぬと残雪を諦めて.5月の下旬に入山する運びになる。
   その為.残雪を踏むと云う主旨の谷川岳は諦め.東面の谷筋を埋める雪溝を.残す眺めるだけの山行に変わっていた。

     初めて私が白毛門に足を踏み込んだのは1966年04月.RHCに入部し.その月の内に白毛門を訪れている。
   L西村.sL滝島の下.現役7名.OB2名の大部隊で雪上訓練を行うも.夜行続きの頂では土砂降りの猛烈な雨に遭遇した。
   その後は何度か四季を通し.冬季・残雪期に下山路として通っている。

     今年2月.OB親睦会鹿沢温泉で田島君と立松君.2名の後輩が参加することに決まり.賑やかな山行になった。
   5月29日に白毛門登に入山.下山してからは湯檜曽「湯の陣」に宿る。
   翌日はこの周辺に来る都度.常に山名が上っていた赤谷川流域の大峰山・吾妻耶山をハイキング.その頂からは改めて谷川岳・白毛門を望む。

    武能岳と蓬峠
   若葉萌ゆる白毛門登山口から

    天候
     西日本から東北の広い範囲で大気の状況が非常に不安定になっていた。昨日の午後は熊谷.八王子で最大瞬間風は20mを超し.
   尾瀬ケ原では落雷に遭う死亡事故が起きている。鈴木の住む飯能では昨夜.直径cmを超えるひょうに遭っていた。

     気圧の谷が東進し上空には寒冷渦が入り込み.予報では前日以上の不安定を示している。
   そして水上の北面に至る国境稜線は午後にも雷雲に覆われると予報されていた。我々はその山に入る。

     5月29日(火)晴後雷雨
      jr上野.谷川401号.¥5040..6:38=7:51上毛高原=8:45白毛門登山口P.

     jr東京駅で新幹線に乗り込んだ田島君と上野駅で合流. 上毛高原駅で軽井沢に住む立松君の迎えを受ける。
   更に道の駅「水上町水紀行館」で見城.滝島先輩と同輩鈴木と合流.又午後の天候を考えコンロの炊事から結飯と簡素な食事に変えている。
   アプローチでは買い出しに手間がかかり30分程時間をロスした。それにしても頭上は朝方から強い陽射しに恵まれていた。

   取付きは即.ブナにイタヤカエデに覆われる
    白毛門登山口p:55⇔9:30小:40一10:55松ノ木沢ノ頭11:05一10:45最初の鎖場一11:30ザックデボ一11:48白毛門.

     水上で買い出しを済まし国道291号で湯檜曽川を遡る。上り線土合駅を右手に見て.踏切を渡り清水峠への国道291号を詰める。
   そして右岸に渡る手前.土合橋バス停と茶屋との間を右に入り東黒沢出合にある白毛門登山口Pに駐車した。
   残雪は全く見られぬが指導センター先の旧道は積雪が多く.まだ車両は全く入れぬとのこと。6月30日に開通の予定.

     東黒沢を右岸に渡り.尾根末端から直登する。最初から薄暗いブナの森を登り.明るい林層になると春蝉の鳴き声が四方から絶えず聞こている。
   ウグイスの啼き声も合わさり.賑やかさを増し.根曲り絡む尾根筋は次第に高度を上げてゆく。
   視界は樹林に閉ざされるが北側に向く尾根筋を一直線に直上し.一気に登り詰めていた。

   低くなった灌木帯

     周りの灌木が低く押さえられた所まででるとここから望む岳から天空に掛けての展望は実に蒼い。
   強い陽射しが大地を照り付け.乾いた登山道を綴る尾根筋は明るく占められるようなる。
   ただ背後を望むと南方の上州側に面する山々は雨雲だろう。灰色を超し黒に近い積雲の塊りが雲堰を創り広がり始めていた。

   久し振りの大人数6名が参加

    湯蔵山と高倉山・・尾根末端が湯檜曽
   西黒沢.東黒沢の各出合が土合
    手前が松ノ木沢ノ頭. 天神平に阿能川岳の頭

    前線
     今日は間違いなく雨に叩かれる。午後には荒れるに違いない。午前中に頂に立つ。
   上手くゆき下りの樹林帯に入るまで留まってくれればよいのだが。今の好天が少しでも続くことを願い足を運んでいる。

     最初の1本はやや気負い過ぎたのか.ハイペースで30分程で休んでしまった。2本目はもう少し長く歩くことを勧め.普段のペースに戻している。
   明るい木漏れの尾根径.カラッとし湿気を失った大気に新緑の青さが目に沁みる。汗が溢れるよう出るものの足元は確りしていた。

     前3回目の白毛門は残雪期.雨に叩かれ泥んこの径を下っている。又暮れの12月に笠ケ岳大倉尾根を登った時は湯檜曽の河原でも
   積雪は多く.湿雪にワッパを付け膝まで潜っていた。その時も南風が強く.山を越えした白毛門付近で本降りの雨に遭っていた。
   雪混ざりのグチャグチャな尾根を下り.エレキを頼りに土合まで下った想いがある。

     今回も雨になる。当時の仲間が今回は6人集まった。皆昔を想い.体力差を思いながら一歩一歩足を進めている。
   本降りになれば尾根径は沢化して.雨粒を集め流れ落ちてくるだろう。その前に登るに尽きる。

    谷川岳.一ノ倉岳
   岩場から森林限界へ

     ヒノキのウロの右脇を抜け.頂までの1/3ほどコースを詰めている。大きな根っこが多くなると右手の白毛門沢の谷間は若草色が目立つ森に覆われた。
   その中.一筋の流心が見下ろされた。うねる長い滝が綴られる。松ノ木沢とを隔てる痩せ尾根を過ぎ.右手に巻き気味に森林限界にでる。

     鎖場が現れ.松ノ木沢ノ頭はもう直ぐだった。グッと展望が開かれる。
   谷川岳の全貌を始め.武尊山.至仏山と続く景観を望みつつ.白毛門の頂まで1時間の急登が続く。

    茂倉岳と武能岳
   まだ明るい陽射しを受けている・・松ノ木沢ノ頭

     出た所が1457mの松ノ木沢ノ頭. 西面に谷川連峰の東壁が屏風の壁を創り仰げられている。
   1本取り西面尾の大岸壁群を臨む。足元の周りにはアズマシャクナゲがここだけは一斉に咲き誇っていた。
   まだ陽射しの中.ただ雨堰は更に膨張し周りの山々を呑み込んでいる。そして見えている真近の山々も霞みを更に強くした。

    湯檜曽川対岸の上越国境稜線を仰ぐ
  
   谷川岳(トマとオキ).一ノ倉岳.後ろが茂倉岳.武能岳・・蓬峠
   マチガ沢.一ノ倉沢.幽ノ沢.芝倉沢.武能沢
   松ノ木沢ノ頭から

   尾瀬.日光の山々
 

    白毛門から東に南東に派生された2つの尾根. 東へ延びる尾根は1493m峰で南方へ延びている・・松ノ木沢ノ頭から
    背は尾瀬至仏山と笠ケ岳.中央が上州武尊山

  

    利根川下流(南方)を望む
   右が高倉山からの尾根

     左側の起伏激しい尾根は上州武尊山からの西尾根・・玉原越の先が玉原.そして迦葉山と続く。
   左上は遠方に赤城山連峰が見える筈が霞み強く望めず。左下は東黒沢を囲む赤沢山からの尾根。

     松ノ木沢ノ頭まで頑張った急登も.森林限界を越え.やや緩やかになった。
   眺望が開かれるも既に何処もが霞んで眺められている。奥利根源流の山々はおぼろに霞み.如何にか山塊が分かる程度に落ちていた。
   足慣れし足の重みは薄れるも.ジワッと汗が体中から滴りだしている。

    白毛門
   蒼空に白雲が湧き上がり.ジジ岩とババ岩が見える
    松ノ木沢ノ頭から見え始めた白毛門

    デポ
     コースタイムは落ちていないが.ペースはやや落ち気味になる。時計の針は11時を回っていた。周りはまだ明るい陽射しに恵まれている。
   このペースでは降雨にならなくとも頂での昼食は摂れないだろうか? ザックをデボし空身でピストンに変更する。
   雨具だけを持ち.ザックにカバーを掛け.熊笹の根元にデポした。

     このメンバーで一番若い立松君が雨具を背負うと云いだし.1人ザックを背負う。張り切り気持ちのよい言葉だった。
   私から見れば中高年の青年になろう。彼は地元.上信地方では山岳ガイドをしている。意気揚々と同列するも.時間の問題で離れだしていた。
   そして彼も馬鹿らしくなったのだろう。途中で登るのを諦めてしまっている。

     他の者は空身でペースを上げ.山名由来のジジ岩の脇を過ぎている。そして頂へ。振り返ると彼も空身で歩きだしていた。
   全員が頂に立ったのが12時10分前。予定の時刻に頂に立つ。

   ガンバレ!立松君

    白毛門山頂
   背は笠ケ岳と朝日岳
    登ると体中から息が吹き返すような充実感と山頂の大展望が欲しいままに得られる群馬県最北端の山。

    神々しい世界
  

     湯檜曽川を挟んで対峙する谷川連峰を背に頂で憩う・・マチガ沢と芝倉沢
   左は天神尾根.奥が阿能川岳と小出俣山

   白毛門に立ち.「ガンバレ節」をガナる

    白毛門
     頂での眺望は正に足元から四方の山々が360度望められている。4度目にして.この頂で雄大な眺望を初めて楽しむ。
   又見城先輩に習い「ガンバレ節」をガナっている。腹の底からガナるガナリ声が響き渡っていた。

     私は最初だけで彼等をカメラに納める。コブの頭に5人が立ち.背には一面に屏風で飾り立てた大きな胸壁が描かれ望まれた。
   各々が山座同定しながら昔を想い目を添えていた。そこに小さな雨粒の1粒が頭に落ちるてきた。
   彼等も.この1粒を感じ取ったのか.眺望もそこそこに「下るぞ!」の声と共に山を下りる。

    笠ケ岳大倉尾根
   笠ケ岳へは見た目よりきつい登降を強いられる

     笠ケ岳(大倉山)の陰が朝日岳.左遠方は巻機山になる。
   1969年12月下旬.登山道のない湿雪に覆われた笠ケ岳大倉尾根を詰める。重い雪質のラッセルを越え.最後は強雨に襲われ白毛門を土合へ下っていた。

    雨雲に覆われだした武尊山方面
  
   雨雲が覆い1時間弱の違いが大空を変えていた・・手前は1608.1m圏コブと1493m峰

      下山
    11:48白毛門:55一12:30デボ地点一12:35松ノ木沢ノ頭.大13:05一13:40ピッケル:50一14:05ヒノキノ一14:55登山口p
    =湯檜曽温泉「湯の陣」.

    谷川岳.一ノ倉岳
   ジジ岩付近より
   左側が天神尾根.奥が三岩岳.阿能川岳

     今年はゴールデンウィークのは初めから急激に気温の上昇現象が起こり.残雪期の割に山頂直下のスノーブリッジが今年は早くも崩れている。
   予想のつかぬ雪層の変化が登山者を拒み.頂を眼前に臨みながら.其の侭下山したハイカーが多かったと聞く。
   当時としてはその時はザイルなど登攀道具がなければ諦めるしかなかったらしい。

    一ノ倉尾根を挟み一ノ倉沢と幽ノ沢
   大和シャクナゲと松ノ木沢ノ頭

     空身は早い。這い松と熊笹の岩山を縫い.残雪のヘチを抜け一気に下る。各デポ地点でカッパの上着を身に付けている。
   まだ雨は途切れ途切れの雨粒で治まっている。膝を痛めた後輩に天を仰ぎ.今休んだ方が得策と短い昼食を摂った。

     言葉は「結飯1つは食べて下さい!」.後は下山してからになる。
   ここは登りに休んだ松ノ木沢ノ頭だった。結飯を食べながらの眺望もよかった。見納めの下山となる。

    白毛門
   雨が降り始めたザックのデボ地点

   森林限界を下る

   ヒノキのウロ

     登りに落としたピッケルを回収.径脇の枝に置かれていた腕時計は誰かが見付け.そこに置いたと思われる。
   バンドも切れている為.その間々置いとくことにした。

   ハクサンシャクナゲ

    飴のように雪圧で曲がりくねった幹
   如何してこのようになるのだろう?

   最後の1本・・皆いい顔をしている

   浅緑の柔らかい色合いに溢れる裾野

     再び新緑溢れるブナの森を抜ける。一時止んだ雨も再び降り出すと雨足が早くなり.ブナの枝々に溜っていた雨雫を落とし始めていた。
   久し振り山で傘を差しての下山。雨らしくなるも山径がぬかるむ前に.心豊かに下山することができた。
   そして雪解け水の瀬々らぎを耳にし.東黒沢に架かる鉄橋を渡れば朝方の登山口にでた。

   再び戻り西黒沢を渡る

     駐車場に着く直前で本降りになる。湯檜曽の宿「湯の陣」に宿る頃には雷鳴も轟きだしていた。
   1/5万地形図「越後湯沢」・・写真TsとM.ピッケル.

     迫る雨堤にデポし.白毛門ピストン
     前日は湯檜曽温泉に宿り.大峰沼から大峰山.吾妻耶山を周回