ヤケト尾根下段・上段経路から日蔭の高層台地へ・・北尾根上部の薄く新雪被る大地に入り日陰名栗峰へ
     風は治まり落葉溢れる大らかに続く斜面を詰め.林層の異なる台地を幾つも横切り.石尾根の防火帯の草原に至る

     日原林道から日陰名栗峰ヤケト尾根
     ヤケト尾根.下段経路から高層台地が続き.小藪を抜け日陰名栗峰に立つ・・目指すは獣の住む大国へ
     カヤトの鷹ノ巣山南側経路から榧木尾根を経て水根沢林道を下り水根から小河内ダム

    巳ノ戸尾根
   主尾根へ戻るトラバース

    径路を交差し高原大地へ
      10:14最初の下段経路交差一11:35上段経路「46/47」林班界標柱:45一12:20(1600m付近):25
      一12:45石尾根.大13:40⇔13:13日陰名栗峰. 一13:50鷹ノ巣山避難小屋.

     下段水平歩道の分岐から左に斜上する。来た方向から直角に左に折れた経路に入ると確りしたトラバースの踏み跡が山腹に綴られていた。
   巻き道のトラバース. 右上の尾根斜面から左手に傾斜する落葉松の小木林を縫い.前方の山腹を覆う踏み跡が横切っている。

     朝の日差しは尾根陰に閉ざされ.足元はまだ日陰の世界へ。斜上する左正面奥には深く巳ノ戸谷が隔でている。
   ガッツチリした巳ノ戸尾根が大空に大きく突き上げ.朝陽を浴びる山陰が更に大きなな山容で望まれた。2つのコブが見上げられる。
   左手が八丁山.右手のこん盛りしたコブがお伊勢山だろう。又見るからに山肌は藪山だった。

   再び主尾根に乗る.10:29

     程なく浅い大らかな尾根に乗る。先程右に入った分.扇状に広がりだした形で尾根伝いを詰めている。
   尖ッ突きが写真下の小広い平坦地でトラバース路から尾根へ取り付く地点になっていた。作業道は更に東側(右)へと山腹を巻いている。
   日当たりの境がこの小尾根の分岐だった。この尾根筋を右に折れ.ほぼ南南西に最後まで詰めれば頂に立つ.主尾根になっていた。

   1170m付近の急斜面

     急登. 大分前から伐採された落葉松林の倒木が散乱し.少しぬかるんだ落葉の斜面を詰めている。
   立木を支えに強引な急登が続くがそれも大した距離ではなかった。

   開かれ始めた1200m付近.10:47

     一つの境を越すと目の前に尾根幅が広がり.伸び伸びとした大地は中木林の茂る落葉松林を迎えて別天地を連想させている。
   足元をよく見るとあっちこっちに鹿の丸黒い糞が散りばめられ.踏み潰すようなった。鹿たちとって居心地よい楽天地になっているのだろう。

   1250m付近.11:01

     更に尾根から形状を失うと大らかな大地に変わり.二重山稜的な起伏の広がりを見せている。
   また不思議なことにスズタケの笹薮は全く失われ.見通しのよい森を縫うようなる。起伏はあくまでも緩やかに.山上とは思えぬ風景になった。
   落葉松林の林層が占める東側がやや高みの1247m点か? 西側はブナに覆われ.気持ち少しづつ西寄りに巻き気味に移り登る。

   一昨日は初雪が降った模様.11:16

     贅沢な起伏の大らかに波立つ大地が続いていた。まず.これだけの広さを持つ山上の大地を見付けるのは奥多摩とは云え至難の業だろう。
   一人で歩んでいれば寄り道に出合い.予定通りに石尾根に出られなかったかも知れない。そうなると南尾根を下ることになる。

     それほど至福の大地. 夏山の生い茂る絡み合うジャングルの草原を想像することはできなくなっていた。
   又後から続く彼とも遠からず.近寄らず.付いてきた。そして気が散り始め.黙の同一行動になっている。

    鷹ノ巣山(入奥山)
   1400m付近から望む.11:17

     鷹ノ巣山はまだ結構高く高度を上げ見上げられていた。左肩が鷹ノ巣尾根.更に落ちて巳ノ戸尾根。右奥は石尾根だろう。
   日陰名栗山は望められず.まだまだ遠いい頂だった。

   11:21

     一昨日の新雪は山肌を一面.白い世界に変えていたに違いない。それから2日近い時間が経ち.天空は快晴の陽射しを浴びている。
   その融雪にも拘らず.徐々に大地を埋め始めた新雪. 踏む一歩毎に雪白さが目出ち始めていた。

   11:21

    上段経路
   1450m付近.林班界標柱が立つ.11:35
    水平歩道と交差し.倒れていた奥多摩区分「46/47」林班界標柱は新たに立て直されていた。

    山の友
     久し振りの藪山で単独行者に出会う。彼とは1回目の下段の径路.交差地点付近で出会い.一言.語っただけで別々に行動していた。
   ここに来て.「疲れますね!」の言葉から自然と同一行動を取るようなる。

     単独の場合は一年を通うして殆ど人と会わぬ私。何年振りになるだろうか? 否今年の夏に.丹沢山神峠で出会い.伊勢沢を共に下りていた。
   「彼から休みましょう!」と言葉を受け.先の林班界標柱を確認してから1本取っている。好青年の彼も単独行を好むようだった。
   前回はタワー尾根を登ったと息を弾ましていた。頼もしい青年と出会う。

     短い言葉でも充実感が伺える。次回は隣りに並行して延びるツバノ尾根に登る願望があるようだ。
   私も同感だと伝えている。彼は私が歩んできた山登りと同じような登り方をしているようだった。
   もう頂は近い。後は彼がトップで後を追うようなる。思っていたより若干.新雪は少なく侘しいがそれでも踏みしめる喜びの方が増していた。

    作業道
     この水平歩道との交差は右に折れればオッコシ尾根に乗り.「47/48」林班界標にでる。更に上流は五ノ沢.六ノ沢の源流を回り込んでいる。
   左手は巳ノ戸谷の谷底に導かれる旧道へ。下部では幾つかの作業道と分かれ.ヤケト尾根の下(ロープ)の水平歩道と結ばれているものもある。
   上流側はヤケト窪左岸の途中で消えていた。

     日陰名栗峰と鷹ノ巣山の鞍部. 巳ノ戸ノ大クビレに詰めるのが大クビレ窪。その左岸沿いに日陰名栗峰に突き上げるのがヤケト窪になる。
   巳ノ戸ノ大クビレと鷹ノ巣尾根の鞘口ノクビレとの間には巳ノ戸林道が通っていたが.今はガレ崩れた所が多く通行不可で廃道になっていた。
   以前.鞘口ノクビレ側から覗き込んた折も.入山時と同じような「通行止」の注意書きが立てられていた。

   11:35

     『奥多摩の尾根と沢』では「この先.尾根の右手を日陰名栗沢寄りに巻く巡視路を進み.五ノ沢の源頭と思われる辺りで沢筋に入る。
   陽の当らぬ沢筋には所々残雪が残っている。稜線に戻るため.支尾根に取付くと藪漕ぎに再会する。」とある。奥多摩山岳会編.
   今朝はこの情景に似たような雰囲気で新雪が微かに埋まり.尾根を直登した。

   1500m付近.11:52

     煌めきは大地だけでなく.天空にも広がり.逆光の煌く陽光を浴びるようなる。
   スズタケが現れだした。それも残雪に埋もれ.探さねば分からぬほど衰退し.殆どが枯スズタケで短く薄かった。

    日陰名栗山
   中ノ谷ノ峰1550m付近.11:57
    歩むペースは落ち付くも.正面に仰ぐ日陰名栗山は見上げるほど高い。その姿はまだまだ遠いい。

   小コブを越え.12:00

     更に傾斜は緩やかさを増し.平坦な灌木帯の中に小さなアップダウンが繰り返され.徐々に高みへと詰めてゆく。
   灌木混ざりの巨樹に覆われ新雪の白さ。乾いた雪表にカサカサ音を立て.響く音色が心地よい。

   1600m付近で1本取る.12:23

     前方に石尾根の蒼空が樹間を透し望まれるとアケビが現れ.その間を縫い抜けるようなる。最後の抵抗か?
   茂みに枝木が煩くなった。そして新雪が薄まればツガの茂みも混ざりだし.頂稜近くを知らせている。「休みませんか?」と言葉が掛かり.
   石尾根に出る手前で1本取る。一個づつ蜜柑を食べる。尾根に出てしまうのが勿体ないような雰囲気だった。

   薄日に空が開かれる.12:37

     ツガ類の針葉樹が現れ.強い風が通る場所のようだ。
   立木を支える樹葉は針葉樹とは言え少ない。それでも立派な太い幹を各々が持っている。

   後一歩の頂.12:39

     最後まで下草.スズタケの茂みは現れなかった。幾度となく石尾根では落葉する前の縦走路を歩んでいる。
   その都度.見詰め.見下ろした巳ノ戸ノ大クビレからの北側斜面。尾根筋に重なり合い埋まる樹林は密り.入り込む余地もないほど茂っていた。

     見るからに煩い藪に覆われたツメをコースは異なるも何度も見下ろしていた。
   その下草類は全てが無に等しい地層に今は変えられている。今ならば何処でも歩ける北面の斜面をなしていた。

   透けて見え出した石尾根の背稜

    重なる石尾根
   トラロープで塞がれた石尾根.大休止地点.12:45

    石尾根
     藪漕ぎもなく石尾根に立つ。日陰名栗峰から東方に50mほどの所にロープがあり.潜り石尾根にでている。
   彼はここで大休止。雲取山方面の眺望を一見したく.頂稜を綴る防火帯の上に頂があり.一人日陰名栗峰に立つ。
   頂稜には防火帯が綴られ.なぞる頂点には雲取山が構え.三ッ石山との間には仙波を望む。珍しく霞みは少なかった。

     彼の所に戻り.乾いた所を選び昼食を摂る。3種類の味噌混合味のワンカップラーメン.イオンにテルモスの熱湯を注ぎ.待つこと3分。
   その間.煙草を吸い.抜群の展望を愉しむ。日は弱いが薄日が射している。まだ雲1つない蒼空が天空を覆い.連なる雄大な山並に囲まれていた。
   過って何度となく見詰めていた景色。その都度.違う目的で目指してきた。そしてその都度.見詰めている展望だった。

     2008年2月.東京近辺の高山として.初めて雪降る雲取山に登っている。そして同年9月には先輩の下見山行に参加。
   12年10月には現役の合宿に誘われていた。それ以上に多くの目的で目指したのが.今では鷹ノ巣山になっていた。

    富嶽
  

     ここから望む富嶽は何時もより高みの山容で描かれているよう思われた。
   富士山の前衛として御正体山に鹿留山.杓子山と道志山塊から桂川を隔て構える三ッ峠山.御坂の山塊に連なる。
   中間右が大菩薩の楢ノ木尾根.手前が三頭山に連なる落合.小菅の境界尾根。

    鷹ノ巣山南面の奥沢流域
   左景.鷹ノ巣山と右奥は大岳山

     鷹ノ巣山に目を向ければ南面に奥沢の源流が望められ.尾根筋下にはこの後綴る南面の山腹水平道の大きな斜面が開かれていた。
   今月上旬に訪れたばかりの入奥沢中腹の山腹道は向かいの榧ノ木尾根から取付いている。ここからその分岐点も確認できた。

     水根山カタサメ沢右岸尾根を横切り.奥沢中腹道から奥沢林道へ抜けていた。
   今回は勘違いもあるが榧ノ木尾根を更に下り.水根沢林道を綴り水根から奥多摩湖の湖畔に下りている。

    大岳山と御前山
   中景.町界尾根と榧ノ木尾根

     大岳山.鋸山.手前の降りて鞘口山とクロノ尾山.御前山には2つの北尾根が分かる。その右が惣岳山と小河内峠.
   町界尾根の北面を登降した尾根は大岳山鍋割尾根.北石尾根.鋸尾根.鞘口山.九竜山.江戸小屋尾根.惣岳山シゲクラ沢右岸尾根.
   水窪山の天平尾根も描かれていた。

    丹沢山塊を背に重なる山並み・・月夜見山・砥山(戸沢ノ峰)と右奥は三頭山
   右景

     中央湖畔に奥多摩湖・ビジターセンターがある峰園地が見下ろされている。三頭山から峰園地へ下るのが御堂指尾根になる。
   左側は風張り尾根.更に左は月夜見山北西尾根。足元の各南尾根は左手から浅間尾根.日陰名栗峰南尾根.右尾根が赤指尾根。
   ・・奥多摩湖と入江の赤い点は峰谷橋.

    日陰名栗峰
   防火帯の頂.13:13
    両向かいに手製の山名標があり.この脇に日陰名栗山南尾根に取付く直下の踏み跡ある。又巻道との交差地には林班界標が立つ。

   遠望の日陰名栗山
   水根山の1462m付近より撮影・・2013.02.02/11:24

     当時はラッセルしノボリ尾根から登り.鷹ノ巣山に立ち.稲村岩尾根を下り中日原へでている。下山して稲村岩で滑落事故現場に遭遇。
   救助ヘリと救助隊は2人パーティの一人は実力で下山させていた。警察と東京消防庁の事故調書に立ち会っていた。

    奥秩父連峰東部・雲取山
   日陰名栗峰より
    飛龍山.三ッ山.遠く西仙波と東仙波か? 雲取山石尾根

     手前右手の高丸山から鞍部を越え.千本ツツジに登り.七ッ石山を左に大きく回り込み綴られた石尾根。
   ヨヨギノ頭.小雲取山へと這い上がれば.頂点の雲取山に至る。

    大岳山と御前山
   日陰名栗峰の防火帯下りより.13:45
    両山の間が鞘口山とクロノ尾山

    振り返る日陰名栗峰
   鷹ノ巣山避難小屋から.13:54

     日原林道から日陰名栗峰ヤケト尾根
     ヤケト尾根.下段経路から高層台地が続き.小藪を抜け日陰名栗峰に立つ・・目指すは獣の住む大国へ
     カヤトの鷹ノ巣山南側経路から榧木尾根を経て水根沢林道を下り水根から小河内ダム