モロクボ沢右岸尾根・・室窪沢と西沢挟まれた山域
    河内川上流の西沢に挟まれた流域で畦ケ丸から善六山ノタワを越え.2つの大らかな台地の頂.善六山と塩地窪ノ頭に立つ

   鬼石沢左岸尾根から畦ケ丸
   善六山と塩地窪ノ頭・・小さな寂峰群
   塩地窪ノ頭北尾根を経て室窪沢・・白石林道

   畦ケ丸の道標.12:32
    展望のない山頂でケルンと三等三角点がある。標高1292.58m.基準点は「アゼガ丸」.

      12:05畔ケ丸.大:35一13:07善六ノタワ一13:25善六山一13:55塩地窪ノ頭.
    野外卓
     畦ケ丸は2度目の頂になる。5年前の春先に幼馴染.長塩と西沢渓谷から畦ケ丸の主稜を南下し.二本杉峠へ下りている。
   彼は今年夏に朝日岳を登り待望の百名山の登頂を成し遂げている。足に故障を持ち.一緒に登れなかったが頑張った。

     畔ケ丸の頂にある2つの野外卓の1つを独占し.彼はまず缶チューハイに角ビンを取り出し,炊事が始まる前に呑むのが彼との慣例になっている。
   彼とは常のこと。忘れた頃酒を持ち.今まで歳の節目に共に山へ登っていた。意志の強さで成し遂げていた。

     今回はコンロを持参しなかったが.その野外卓に一人,テルモスから湯を注ぎ味噌汁に妻の手弁当を開ける。丁度空腹時.アッという間の平らげる。
   仰げば疎林こ黄葉が始まったばかりの頂. 数える程度だが枯葉が舞い始めている。

     今回初めて気付いたことがある。何故か頂中央に白石峠補修の記念碑が立てられていた。コンクリートで固められた胴状の確りしたケルン。
   両脇には道標と野外卓があり.前回は当然シンボルタワーと思い勘違いしていた。刻まれた文字には記念碑とある。
   又地図「中川」では「畦ケ丸山」と山名が記しているが登山地図やガイド図では「畦ケ丸」と紹介され.登山者の多くは「畦ケ丸」と読んでる。

     珍しく頂で単独行のハイカーに出会った。彼は西沢から入山.大滝峠上から自然歩道を下る。
   西沢にも木橋の流失を防ぐため.外された橋があったという。共に昼食を摂り.終えれば彼は南へ。私は北側の登山道へと別れた。

    畔ケ丸北東口
   善六山ノタワへ.12:34

     畔ケ丸にでると確り踏み固められた登山道はブナ混ざる雑木の中を綴っている。
   緩やかに広がるブナの森の中に雑木が上手い具合に混ざり合い.程よい樹間の空間が落ち着きあう雰囲気をか持ち出していた。
   樹葉は秋色に染まりだし幾らか色合いをも濃くし始めている。

    畔ケ丸吊尾根
   1050m付近から突き上げる南東尾根.12:45

    箒沢権現山吊尾根
   奥権現.12:45
    カエデが染まり始めた額からの展望

     権現山の右肩.中央奥が丹沢湖東岸に聳える日影山。その下の尾根が権現山の南側に延びるアスキ嵐沢左岸尾根。
   更に右手の長い台地が大杉山から戸沢ノ頭へ続く稜になる。
   下側の尾根は下唐棚沢を隔て善六ノタワから西沢渓谷に落ちる尾根。尾根伝いに西丹沢ビジターセンターへの登山道が綴られ.その裏側が唐棚沢になる。

     畔ケ丸から北側が深く抉られた北東尾根に乗ると歩き易くなり.次第に傾斜を増し,善六山ノタワ.分岐までは階段状の斜面が多くなった。
   膝のクッションを和らげる為にも.階段脇の斜面に足場を求めた。古い階段のアップダンで1145m点コブを越し.急階段と木梯子でキレットへ。

     小コブの頭にも野外卓がある。脇に何故かドラム管が2本埋められている。5年ほど前に登ったコースだが漠然とし.もう忘れた所も多い。
   右手真横に権現山の展望が開かれ.右下の檜林の巻き道から善六ノタワにでる。

   善六ノタワ.13:07

     善六ノタワの先からは右下の西沢渓谷に降りる登山道を分け.再び現れたトラロープを潜り.善六山へ至る踏み跡に入る。
   右上に杉の植林帯を見上げながら林層の境を縫い.小コブを越している。傾斜が増すと共に.尾根幅は広がり上へ上へと
   高みへ綴ればよかった。落葉に枝木多い自然林で急登を終えると鹿柵が現れ.善六山の西肩にでる。

    善六山と重なる塩地窪ノ頭1140m
   ジャガクチ丸より・・2017.11.29/12:15

     左手のモロクボ沢を隔てて望む善六山と右の窪地が善六ノタワ。蛇口丸から眺める頂は丸く円錐状の山容を現している。
   本来は北側の水晶沢ノ頭から望む風景だろう。山容は細長い台形型の頂を持ち.その広さから航空母艦のような山形を示している。
   ブナにミズナラ.モミに囲まれた平坦な頂上台地に森が創られ.周りの山々とも隔てる別天地を築いている。

     山蔭になる裏側を越えれば一段低くに塩地窪沢ノ頭が隠れている。ここも同様の雰囲気を持つ森が頂を被い.妖精が住むような憩いの場になろう。
   善六山の左肩からチラッと落ちるのが見られる。そこの尾根は.これから縦走する塩地窪沢ノ頭北尾根。左背は檜洞丸.

    小コブを越え
   尾根筋は林層の境.13:17

   幅広くなった頂台地.13:19

    箒沢(奥)権現と畔ケ丸を結ぶ吊尾根・・善六ノタワから南側の展望
      箒沢権現山
   左景・・奥権現から畔ケ丸への吊尾根

     善六ノタワから200mほどの短い距離を詰めると善六山の西肩に立つ。距離の割に高度を上げ.展望の利くブナにモミの別世界が現れた。
   北側に鹿柵が連なり.高台の頂台地に乗ると南側に展望が開かれ.更に一段下に鹿柵が見られるようなる。

    旧登山道
     前権現の吊尾根右(西)鞍部からは西沢へ下る権現沢左岸尾根の分岐がある。奥権現へ唯一の登山道だったが今は経路となっている。
   以前西沢に入渓した折.事故多く「林業用の径路,通行止め」と河原の取り付きに看板が立てられていた。
   特に経路は荒廃しているわけではないが軽い気持ちで入山する人が多く.下りで迷い事故が多いことから作業用経路扱いに変えられた。

     又箒沢権山の山名は依然間違えて「前権現」と誰かが記し誤解を生じていたが.地元では「奥権現」と呼び.右上奥の世附権現山を「前権現」と
   呼ばれている。左奥は大杉山稜の穴ノ平沢ノ頭と弥七沢ノ頭.大杉山。更に奥は日影山。共に夏以降に綴った山並が遠望されたている。

    1240m圏コブと畔ケ丸
   右景・・吊尾根から突き上げる畔ケ丸.13:26
    吊尾根の1079m点コブ.1030m圏コブ.1240m圏コブ.畔ケ丸1292.5m。吊尾根の越えた先は世附椿丸附近か?

    綴った畔ケ丸南東尾根
     吊尾根の北側に支尾根を延ばすのが大朽木のある1079m点コブ。
   その左下の小コブ(写真の左端)から鬼石沢左岸尾根が裏側に延びる分岐. 朝方は大滝川を遡り詰めてきた。

     1079m点コブから畔ケ丸へ突き上げる南東尾根を如何にか喘ぎながら登ってきた。
   1030m圏コブからは一目見ても分かる曲線で描かれている吊尾根。最後の急登で畔ケ丸に立っている。

    善六山
   (涸棚ノ頭1119m).13:25

     自然林の森を思わす平坦な東西に幅広く延びる帯状の頂。その中央に善六山を示す山名標がブナの幹に付けられていた。
   頂だという連想は薄い。それほど広い台地。登山道がないのが不思議に思え.又地図を読み憧れていた山稜に踏み込んでいた。

   更に奥へと顕著に延びる平頂.13:29

    善六山南東尾根口
   塩地窪ノ頭へ南東尾根を下る.13:29
    善六山の東側で地図を開き.南東尾根の距離と傾斜を確認し.広葉樹の疎林の東肩から尾根を下っている。

    善六山南東尾根
   急下降.13:32

     善六山から南西に向かう尾根に乗り塩地窪ノ頭へ。下りが以外と長く感じられている。
   急斜面を一気に下ると痩せ尾根になり.小さな鞍部だがゴロ石混ざりの斜面を下ると最後のコル底は小さな壁になっていた。

     密る立木や根を支え下るには十分だが.頂の広さから思うと以外に痩せ落ちていた。以前滑落死亡事故があったと云われている鞍部。
   この尾根でも紫のテープを見ている。又今回2度目の熊の糞を見る。

    痩せ尾根のコル
   急下降を終え.13:47

   塩地窪ノ頭方面からコルを振り返る.13:52

    塩地窪ノ頭
   西肩より.13:53

     少し登り返し1100m圏の小コブを越えると広々とした頂の一角にでた。西の肩でブナなどの広葉樹が茂り,モミも点在していた。
   小コブの窪地から登り返す台地の西肩.「登山詳細図」で示す尾根の分岐にでる。分岐を分ける立木の枝振りが凄い。これもモミの木か?
   南方に派生するのは819m点を通る小川沢右岸尾根。西沢から入渓すれば2つ目の堰堤を越えた先が取付きだった。

     この頂も東西に細長く広がりを見せる台地. 東側の10mほど高い塩地窪ノ頭の頂には大きなモミが林立し.木洩れ日を創りだしていた。
   ここも好奇心を抱かさせる不思議な地形の頂。雑木に覆われた自然の広大な森を創っている。ここを主とする動物たちが多く棲んでいるのだろう。
   大らかな広い頂を2つも持つ山稜になっつた。

    更に大らかな頂へ
   枝が這え伸びるモミの木.13:56

     頂に立ち歩むと優し気げな尾根状の台地が.ここでも善六山と同様に緩やかな広がりを見せ現れた。
   樹林の枝々は自由奔放に伸び.大らな高層台地に森を創り.薄い踏み跡が残されているだけの何もない贅沢さがある。

   東肩から仰ぐブナにミズナラ.14:13

    北尾根の取付き地点
   最後の1本

     畔ケ丸の頂でハイカーに会っただけで.人との擦れ違うこともなく.動物の気配も見受けられなかった。
   ただ一人,善六山ノタワを越えてからはブナにミズナラ.モミに囲まれた頂上台地を一人綴る.別天地に入っていた。

     塩地窪ノ頭の頂に立ち.北尾根の下山取り付きを確認し.倒木の横で1本取り.コーヒーブレイクと洒落こむ。
   まだ日差しは高く明るい台地. 風もなく.紫煙が揺れるともなく長く弧を描いている。秘密の場所が1つ増えたような気分を味わっている。
   下りだせばアッと云う間にモロクボ沢へ出られるだろう。まだ時間は十分ある。

     鬼石沢左岸尾根から畦ケ丸
     善六山と塩地窪ノ頭・・小さな寂峰群
     塩地窪ノ頭北尾根を経て室窪沢