| 夏合宿W.日高北部.十勝.その3 新冠川―七ッ沼カール―北トッタベツ岳幌尻岳―エサマントッタベツ川 夏合宿W日高北部・十勝1..コイカクシュ札内川一八ノ沢カール 夏合宿W日高北部・十勝2.カムイエクウチカウシ山一エサマントッタベツ岳一北カール 夏合宿W日高北部・十勝3.新冠川―幌尻岳―エサマントッタ別川 夏合宿W日高北部・十勝4.十勝岳と下山道央へ |
![]() エサマン戸蔦別山頂からの幌尻岳(左)と札内岳 |
| 8月08日曇後雨. 新冠川右俣を下降し二俣へ 北カールTs6, 4:32一5:32小:40一6:40小:55一7:48第1分岐一7:56小8:10一9:18新冠川本流二俣 本流二俣9:33⇔10:15大函ノ上:20.(増水で設営できず戻る) 一10:35大11:02一11:32二俣テ7.8 夜明けの撤収 幕内風景 夜明け前のエサマントッタベツ岳北カール ![]() 再び国境稜線へ ![]() ![]() エサマントッタ別岳新冠川を下る ![]() ![]() ![]() 新冠川 エサマントッタ別岳からトッタ別岳への稜上は.ブッシュが酷く踏み込むことができず.北カールから新冠川を下り.本流二股から七ッ沼カールに登り直す。 一度新冠川を下らなければならなかった。濃いガスの中.カール水場より沢沿いに下降した。 |
, 新冠川右俣下降 |
新冠川概念図 佐々氏の記録図 エサオマン入ノ沢.上二俣より主尾根西側に広がる新冠川源流から本流を目指す。倒木多く伏流する新冠川源流部. 1時間も下るとガレ沢が幾つも左右から重なり.見る々水量も増えてきた。 20m二段の滝は左岸をヘズリ気味に下ると.小滝の連続に変わった。 小滝の割には立派な釜があり.右側を慎重に巻いた。ただ技術的には何処も心配のない右俣だった。 左右から入り込む小枝を見送ると.本流は大きく左へカーブした。右手より七ッ沼からの左俣が合流し,エサオマン入ノ沢を抜ける。 明るさが増し時折霧雨舞うも小雨は降り続いている。沢はツメからの距離が短いわりに増水は目に見えて多くなる。 1本取り新冠川二俣から今度は左俣の登り.大函まで遡る。 左俣本流 大函を越えれば如何にか行動できると遡るが.本降りとなり水量が更に増してきた。 40分程で大函にでる。だが増水は幕営地を探すも水笠が増し適当な所が見付からなかった。更に遡るには危険を伴った。 仕方なく大函上より二俣まで引き返す。 ヤマメ.貴重な1匹釣り 小雨を利用し午後,竿を出してみたものの,関根君が釣り上げた小さな10cmほどのヤマメ一匹のみ。 夏と云う事で甘く看たが.やはりエサは持参するべきだった。雨のせいか蛾も蝿も居ず。薮蚊のみ縄張りを張っている。 釣場で北大の登山者と出会う。彼等は塩辛を持参し.我々は米粒である。余りにも違い過ぎるエサ. 食糧係と交渉し漸く分けて貰った一切れのソーセイジ。競合して釣るも勝てる筈はなかった。 北アでは今の時期.エサに不自由する事はないが.ここ日高ではエサになる虫さえ見付けられず.米粒で釣った関根君を誉めるべきだった。 朝より雲多くガスカが湧いている。11時頃,降り出した雨は断続的に強くなり夜まで降り続いた。 日本海北部に低気圧があり.前線が千島近海と黄海南部を通っている。 北部パーティは早朝.五色岳よりレンズ雲を観測。温暖前線と寒冷前線に挟まれ,日高を除き断続的な雨に叩かれていた。 彼等も初っ端から雨が続き苦労していることだろう。正午.新冠川二股850m.WSW強風.雲量10.乱層雲.視界不可.17℃ 8日.9日.10日.正午の高層天気図→ |
![]() 大きな前線が東進しているかが分かる |
| 8月09日雨 新冠川二股c7.停滞 夜半より激しく雨が打つ。沢は濁流となり30cmの増水. 明日に期待するが? 昨夜からの小雨が朝まで残る。昼頃上がりパラつく程度の降りになるも.増水した沢は水位を下げる事はなかった。 中流の沢巾に比べると扇状に広がる源流は桁違いに大きなカールを持っている。減水は思いのほか遅い。 そして降り止めと思われた雨は間を開けたと思う間もなく又降りだしていた。小雨でも断続的に降り続く雨に減水は望めなかった。 日本海低気圧は東進するも太平洋高気圧の尾尻に押えられ前線は停滞気味。 低気圧の中心から遠い日高連山は小降りなるも.北部全パーティが一日中,強い風雨にさらされた。 本州では典型的な界雷が観測されている。正午新冠川二股850m.E黴風.雲量10.視界不可.22℃ 8月10日雨一時晴.c8停滞 今日も雨は治まらず.時折激しく雨が天幕を叩く。遅い起床で様子をみる。 雨の止む間隔が多くなるも水位は変わらず.同じような状況が午前中は続き.午後には晴れ間が見えだした。 晴れれば半日で増水は治まるも.狭い天幕に閉じこまり.気長に待つこと以外方法はなかった。 1日目はまだ良かったが狭い天幕に動き回る場所がなく.外は崖淵。足元の縁下には増水した流れがある。 2日目になると寝てばかり居られなくなった。体を動かすのに苦労する。6人が芋虫のよう動き回り.くすぶり続けていた。 雨は治まるも雨雲がまだ全天を被い.時々雨がパラついた。沿岸州に高気圧があり.日本海から黄海方面までも覆っている。 本州上空には前線による気圧の谷と台風7号の接近で.夏型の気圧配置は完全に崩れていた。 又不安定な天候は三陸沖の前線の影響を受け.午後も小雨に見舞われる。正午新冠川二股850m.E黴風.雲量10.視界不可.22℃ 再び頂稜.幌尻へ 新冠川より幌尻岳.南東カール8月11日曇後雨一時晴 七ツ沼カールへ 新冠川二俣Ts9. 6:45一8:00小:10一9:00第1ノ二俣:45一11:40第2ノ二俣11:50一13:22七ッ沼カール.テ10. 雨の中.パッキングを済まし小雨を抜けてでる。 膝まで続く渡渉の繰り返し.前方より小滝の連続した沢と合わさり.新冠川の奥の二俣を右に取る。 大岩のゴーロ帯を抜けると核心ゴルジュ帯に変わり.大滝の連続は左右に大きく高巻きを強いられた。 踏み跡は確りしているがここでも馬力はいた。 本流.奥ノ二俣の倒木帯背のエサオマントッタベツ岳 大分高度を上げる新冠川左俣源流 カール手前漸く抜けると白樺の倒木帯に入り奥の二俣にでる。迷いでなく歩き易いルートとして.点々と続く赤布がカールへと道導べを示し.気持ちを落ち着かせていた。 背後にエサオマントッタベツ岳が据え高く望まれた。 ここから見るに水流を隔て.向かいのカールに入り込む形になった。 最後の滝.30m段滝を巻けば水量も減り.這松と高山植物の圏谷.七ッ沼カールが現れる。 幌尻岳.肩からの七ッ沼.テントサイドとトッタベツ岳七ッ沼カール幕営地 再びガスに被われるも気にしなくなってる ひと時の陽差しを浴びる久振りの夕焼け空がカールを被い心弾まさせられるも.藪蚊に又悩まさせられる。 明け方前3時に降りだした雨は出発を待っていたよう止むも,天気は崩ずれ気味。 行動中はどんよりした重い雲が被い.午後久し振り陽が差すもいっ時の間だった。 再びガスに包まれ雲の中になる。七ッ沼カールにでて炊事に精だす頃には.外は1寸先も分からぬ濃霧に全て視界は閉ざしている。 昨日と同じような気圧配置だが.太平洋高気圧の勢力は完全に日本から離れている。 他パーティは北海道北寄りを東進する高気圧で.悪天の前兆,朝焼けを観測するも如何にか天気は持ち堪えていた。 ただ佐渡にある低気圧に向って吹く北東の風で.最高気温はグーと落された。正午七ツ沼カール.N微風.雲量10.層雲.視界可.16℃ |
北カールと幌尻岳 |
| 8月12日.曇一時晴 七ッ沼カールTs10. 5:38一6:18トッタ別岳一7:55折り返し一8:10北トッタ別岳一9:15トッタ別岳:55一11:30幌尻岳一12:45七ッ沼カールテ11. 北トッタベツ岳,幌尻岳ピストン 七ッ沼カールは今日も重苦しいガスに流されている。確りした踏み跡の急壁を登りカールを抜け戸蔦別岳に立つ。 視界すこぶる悪い。一瞬.ガスが切れ日高の山々が覗き込めるも.鉛のような雲に山の深さだけが目に映させている。 這松帯の頂稜に迷う事はないが.視界は足元のみで歩き難し。踏み跡が道しるべになる。 幾つかピナクルを越しての北トッタベツ岳は稜線からの顕著さに欠け.ともをすれば通リ過ぎてしまいそうになった。 日中だと云うのに.更に明るみを失い.怒涛の如く黒い渦のガスが動き始めていた。 日高側から這い上がる列風が頬を打つ。やけに痛くヤッケに身を固め.うす寒くピパイロ岳は断念した。 好天ならば軽装で軽やかに踏破した山々だろう。山の概念も判らぬほどの暗い世界を歩んでいる。 最後の頂 再び稜線上を戸蔦別岳まで戻り.広い頂を持つ日高幌尻岳2052.4mに立つ。 相変わらず視界は閉ざされているが.ケルンも大きく日高北部の核心を思わせる大きな頂だった。 日高最後の山,幌尻岳, 風は留まることなく流れ,ガスの粒は増している。 僕等はカムイ同様何も見えぬ暗いガスの中だった。集中地を目測し.仲間に向かい「ガンバレ節」をガナる。 下りはトッタベツ岳手前より七ッ沼のカールに向かい.南面の踏み跡を選んだ。 帰りも帳を迎えたような重い雨雲の中.天候に恵まれずカールに戻っている。 |
![]() 幌尻岳山頂よりカムイエックと右.1839m峰 |
戸蔦別岳 ![]() 北カールからの戸蔦別岳 トッタベツ岳.七ッ沼カールから這い上がり稜線から |
| ヒグマ 幌尻岳からの帰り頂稜で.ガスの切れ目から,東カールを横切るヒグマに見付け見下ろした。 かなり離れているが広いカールの中央.ヒグマが谷へ移動していた。 親熊のわりには跳ねるよう敏速に動き回っている。初めて野生の羆を見た。 ここから見ても大きな熊である。仔熊を探したが見当たらなかった。 夜半.降っていた雨は起床した時は治まるも,外は一面のガスが立ちこめ.今日も視界は全く失われていた。 一日中.雲の中にいる。霧雨の途切れに.時たま青空が覗めた。 三陸沖と日本海東部に低気圧があり.この2つを結ぶ前線が蛾雨をもたらしている。 これで9日から4日間.前線の影響を受け続けたこととなる。正午.幌尻岳2053mでWS微風.雲量10.雨雲.視界不可.10℃ |
![]() 北戸蔦別岳より北日高の山々を望む |
| 8月13日曇一時晴 七ッ沼カールTs11, 4:19一5:10トッタ別岳:15一6:20本流出合:35一7:22二俣一7:42小:52一8:27三俣一8:55大9:25一9:55分岐 一10:25小:40一10:47八ノ沢出合一11:40右からの沢と合流地点12:00一12:27エサオマントッタ別川出合一13:00小:27 一14:30車道出合:40一15:10ピリカペタヌ沢飯場テ12. 戸蔦別川.下山 |
エサマンより明け方の戸蔦別川 |
確りした踏み跡がある左岸下山,戸蔦別川 昨日の径を再び戸蔦別岳まで登る。日高山地から下りる最後のピークだった。ガス濃く視界0.天候に恵まれぬ日が続いていた。 最後の最後に戸蔦別の頂稜で.雲の切れ目より.下界は見渡す限りの雲海が望められた。 ガスが流れるよう落ち雲海となり戸蔦別の谷間を埋めている。 急斜面のトッタベツ北カールを下り切ると水流が現れ沢となる。 急に高度は落ち.黙々と歩む心は日高との山の別れを告げていた。 傾斜が落ち.30分程で左から北トッタベツのカールへと続く本谷と合わさった。この出合で大滝を迎える。 ここからは大小の滝が連続し続くが.入山の札内川と比べると,それぞれの巻き径は確かり築かれていた。 三俣にでると.右側から大きな沢が2本入ってくる。水線沢(十ノ沢)と九ノ沢で.このあたりから川幅も広がり.滝の姿も衰えた。 |
戸蔦別川に合流する四ノ沢 |
![]() 顧みる最後の戸蔦別岳渡渉の繰り返し 三俣から2時間半.八ノ沢出合まで来ると単調そのものの河原歩きになる。 幾つも渡渉を繰り返しエサマントッタベツ沢出合を過ぎた。出合には昔.飯場があったが昭和37年の台風で流失して今はない。 そして対岸に渡ると古い馬車道を見付けた。行くほどもなく戸蔦別川の川岸となり.ケルンの乱立する最後の渡渉地点にでる。 ここまで1時間程の距離だった。 増水の戸蔦別川で.どうしても行動せねばならない時は.車道に係らず何処までも右岸を下ること。 左岸と異なり尾根の乗り越しが楽になる。この場合は腰位まで水に浸かる覚悟が必要。 戸蔦別川は全体に以外と確りした踏み跡が付いていた。後は腰の深さに気を付け対岸に渡れば.林道にでる。 ピリカペタヌ沢の飯場ももう直ぐだ。林道を歩くこと1時間.飯場は盆に入り,人は居ず静かだった。 その中庭を日高最後の幕営地として利用させて頂いた。 渡渉に始まり,渡渉で終わった日高の山. 入山中.他の登山者に会ったのは新冠川二股だけだった。広いカールは何処も我々だけで独占していた。 雨日が多く.人と何人も擦れ違わず終えたのが.一層山を深めたかも知れない。技術的より人里離れた山だった。 世に知られている割りには.まだ入山者も少ない静かな山で迎えてくれていた。 七ッ沼カールテントサイドをでる折.ガスに被われ.トッタベツ岳山頂はガスが西から東へ流れていた。 下るに従い雲も切れ.陽差しに当りだした岳が日高最後の岳として川原から望まれた。 日高最後のCs 無人のピリカペタヌ沢飯場.中庭にて北海道東方海上に抜けた前線は発達しながら八丈島まで延びている。 太平洋高気圧はこの前線を潰す程勢力はなく.愚図ついた天気となった。晴れるも日照時間は2〜3時間 正午エサオマントッタ別川出合下流.550mW黴風.雲量6.積雲.視界良.25℃ 天気日数.快晴0.晴天1.曇天3.雨天7 夏合宿W日高北部・十勝1. コイカクシュ札内川一八ノ沢カール 夏合宿W日高北部・十勝2. カムイエクウチカウシ山一エサマントッタベツ岳一北カール 夏合宿W日高北部・十勝3. 新冠川―幌尻岳―エサマントッタ別川 夏合宿W日高北部・十勝4. 十勝岳と下山道央 |