北海道の山々.夏合宿Top                               

夏合宿W.日高北部.十勝岳

コイカクシュ札内川よりエサマントッタ別川へ・・カムイエックカウシ山から幌尻岳

道東・・吹上温泉集中地⇔十勝岳

ルートは沢登り.入山.下山は渡渉の連続

ヒグマを恐れ笑われる
天幕焼失事故
                      日高北部概念図・その後北海道山行    .
                   北海道地方.夏合宿W  
                     s43年(1968年)08月01〜18日. cL山田.sL三田.m25名・・5パーテイー
      43年度夏合宿報告
   今年度夏合宿は連日の役員会による検討の結果.北海道中央高地及び日高山脈において行うことに決定した。

   合宿を企画するに当り.北海道の山を選んだものの.手元の資料は皆無に等しく.山域決定には大変な苦労を要した。
     そこで先ず我々が手掛けたのは資料を集めることであった。北大等.現地の学校より送っていただいた資料を基に検討していくうちに,
     我々が最初に目指していた日高山脈において.現在のクラブが合宿として入れるのは限られた地域であるという結論に達した。

   北海道の山容.気象を見たことのない我々が.机上の知識と技術的にも高度な日高山脈に入るには.いろいろの問題を伴うことは避け得ない。
     しかし.この問題は2年間に徒って当地で合宿することにより解消することができる。

   2年間かけて1つの目標に向かうことは,クラブのマンネリ化を少しでも防ぎ.
     これからのクラブ発展の足がかりになればという意図により企画されたものである。

   合宿は山域をより広く知るべく.分散集中形式を取った。そのため各パーティ間及び在京への連絡の取り方.
     並びに各人の健康管理等は特に留意した。

   今回は団券の都合上.女子も同時期とし.食糧はその腐食を避ける為.生鮮食糧品のみ現地買出しを行う。
     出発の前日.一同チャペルに集い.神の前に合宿の無事を祈って東京を後にした。

   日高を除いて各パーティとも,比較的好天に恵まれ行動も順調に進んだ。
     終盤.女子パーティが天幕焼失という事故を起こしたが.幸い大事に至らず.全員集中地入りした。
     十勝岳山麓の吹上温泉跡に顔を揃えた。そして全員による十勝岳ピストンを。最後に予定より1日早く8月17日.その幕を閉じた。山田雅一

      北海道偵察.5月30〜07日

   我々は.先ず始めに日高山脈に関する偵察をすべく帯広に向かった。
     営林署.測候所にて資料を得ることを期待したが.あまり大した成果は得られず.数年の天気記録を写すに留まった。

   仕方なく市役所を訪れた。幸い現地連絡所として立教出身の上徳氏を.資料提供者として帯広山岳会を紹介して頂き.
     それぞれ満足な結果を得ることに成功した。

   次に我々は十勝岳山域に向かった。十勝岳温泉をTsとして.望岳台周辺に集中地を探したが.火山という悪条件の為,
     期待した様な場所は見付けることが出来ず.美瑛町役場にお願いに行った。
     しかし.ここでもあまり良い言葉を聞くことが出来ず.ガッカリ。

   旭川まで出ることにし神楽丘公園を紹介されたが.交通の便といい.地形といい.申し分ないのであるが,
     何分にも町が近く.夏場はかなりの混雑ということで決定しかね.最後の望みをかけて吹上温泉を目指した。

   運良く白銀荘の管理人の方が山岳救助員であったため.中央高地の状態を知ることが出来.夜遅くまで地図を広げ.親切に教えて頂いた。
     この吹上温泉は樹林帯の中で.景色はさほどではないが.国有林であるにもかかわらずファイヤーも許可してもらえ,
     特に水が豊富なことが利点であった。管理人の方にTsの整地を約束して.ここを集中地にすることに決めた。

   北海道は営林署の権力が強く.手続きも面倒で.かなりの時間を費やしたが.ようやく我々の使命も無事終えることができた。

     5月30日.上野=    
        1日.帯広=中札内=上札内公民館
        2日,h=帯広=美瑛=白金温泉
        3日.h=望岳台=旭川
        4日,h=十勝岳温泉=白銀荘
        5日.b=上富良野=札幌
        6日.b=上野  m.山田.高橋

Aパーティ 北鎮岳―北海岳―五色岳―トムラウシ岳―美瑛.
      L関sL水頭(3)m伊藤(2)松永遠藤(1)
Bパーティ              〃
      L池田sL高橋(3)m西沢.豊永.桧垣.古田(2)島田(1)
Cパーティ 美瑛岳―トムラウシ岳―北海岳―間宮岳―旭岳―美瑛.
      L山田(3)sL高畑m斎藤.大塚(2)松本(1)鈴木(4)
Dパーティ ニペソツ岳―五色岳―トムラウシ岳―美瑛岳―美瑛.
      L三田sL赤嶺(3)m中川(2)中沢.鈴木(1)和田(4)
Eパーティ カムイエクウチカウシ山―エサマントッタ別岳―トッタ別岳―幌尻岳―美瑛
      L工藤(3)sL関根m新崎.冨田(2)飯田(1)松村(4)
       在京連絡所. 田中正幸
       現地連絡所.上徳善治.帯広市西三条8一6
       集中地吹上温泉跡. 空知郡上富良野白銀荘.(富良野4番.上富良野営林署経由白銀荘).

       日高連峰北部と十勝岳
     帯広=上札内営林署―コイカクシュ札内川―八ノ沢カール―カムイエックカウシ山―九ノ沢カール―春別岳―エサマントッタ別山
         ―七ッ沼カール―トッタ別岳―幌尻岳―八ッ沢出合―エサマントッタ別川―八千代発電所=帯広.
     帯広=集中地美瑛.吹上温泉⇔十勝岳・・積丹半島

      Eパーティ行程表
8月01日
2日
3日
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日
11日
12日
13日
14日
15日
16日
17日
18日
19日
20日
21日
上野=青森.青函連絡船=
函館=帯広市役所.中庭
c01―コイカカクシュ札内川.林道終点
c02―札内川七ノ沢出合.手前
c03―札内川八ノ沢カール
c04―札内川九ノ沢カール
c05―エサマントット別岳,北カール
c06―新冠川.本流二股
c07  雨天停滞
c08  雨天停滞
c09―エサオマントッタ別岳.七ッ沼カール
c10⇔北トッタ別岳.幌尻岳
c11―エサマントッタ別川.ピリカペタヌ沢飯場
c12=帯広.商工会議所
c13=美瑛=白金―吹上温泉跡集中地bc1.2.3
c14―集中地
c15⇔十勝岳
c16=札幌「北陽館」h
h17=積丹半島b
b18=函館.青函連絡船=
青森=上野
                                          夏合宿W日高北部・十勝1.コイカクシュ札内川―八ノ沢カール
                                          夏合宿W日高北部・十勝2.カムイエクウチカウシ山エサマントッタベツ岳―北カール
                                          夏合宿W日高北部・十勝3.新冠川―幌尻岳―エサマントッタ別川
                                          夏合宿W日高北部・十勝4.十勝岳と道央の旅


     8月01日.上野駅構内
    上野駅ホームより.30時間の乗物の旅が始まる
    着いた当日の宿は市役所の中庭で.8月03日朝は2パーティ‐がjr帯広駅舎前広場から出発

      帯広駅北口
     ニペソツへ向かうDパーティと別れる                右道が国道236号線.日高へと続く道

  8月01日. 上野.東北本線.急行「八甲田」16:30=
   . 02日. 青森.青函連絡船=10:55函館.函館本線.急.「宗谷」11:25=17:45滝川.根室本線.買出し19:19=22:26帯広.市役所中庭テ1.
          上野=青森.740k.急行約14時間.2等料金¥2090.急行料金¥400
          青森=函館.113k.約4時間.2等料金¥380
          函館=滝川=帯広.552.7k.急行約10時間.2等料金¥1730
      北へ果て
   初めての北海道に心が踊るも長い長い道中.車内を歩くのも限度があり腰も可笑しくなる。
     長い列車の旅は去年の鳥海山々行で経験済みだったが.やはり動けぬことは辛い。漸く青森駅にでて背を伸ばした。

   青館連絡船では横になれたものの.函館から更に10時間.帯広まで列車内に閉じ込まされていた。
     上野を発ったのが午後4時半.帯広には翌日の夜10時間半と飽きる程.列車に乗ることになる。

      団体券
   初めて合宿で団体券を取る。その効果は青森で現われた。学生割引と団体割引だけではなかった。
     青函連絡船.乗船の際は案内され床棚の休むペースが確保されていた。更に函館本線ではRHCを呼ぶアナウンスが流れ,
     優先的に列車の座席が手配されていた。座っているのも辛いが.立ち続けば尚更辛くなる。快晴の真夏の空.初めて北海道に立つ。

   内地と変わらぬ風景も札幌を過ぎると急に視界が開け.広大な石狩平野が開けだす。
     見届けぬ伸び伸びとした田園が車窓の僕を楽します。飽きる事なく続く大地の大きさに.北海道へ来たと云う実感が湧いていた。
     見たこともない広大な田園風景が延々と続いていた。

      百円札
   古い駅舎の滝川駅で帯広本線に乗り換える間を看て.野菜と肉類の買出しを済ます。
     野菜の買出しに付いて行くと.駅前の十字路を左に折れると八百屋があった。
     木箱が床上に幾つも並べられ.その上に数々の野菜類が山のよう積まれていた。

   裸電球に照らされた古ぼけた八百屋.新崎が食料リストを持ち後輩達がダンボールに.その品々を詰めていく。
     北海道に入ってから百円玉はまだ見かけなかった。東京では殆ど消えた百円札が大出で出回っている。
     自分の財布も次第に分厚くなり.幾らか金持ちになった気を起こさせた。

      帯広市役所
   カニ族より一回りも二回りも大きなザックを背負い.夜遅く帯広駅に降り着いた。昨日より長い道中,蒸す暑さも心地よく帯広の大地を踏む。
     夏休みシーズンはカニ族が多く目立つ。帯広の駅前広場には夜11時近くになるも.大勢のカニ族が降りたむろっている。

   それを横目に1泊の宿をお願いしていた帯広市役所は駅から直ぐそばだった。市役所の中庭に通される。
     柔らかい照明に手入れされた芝.その中央に天張ったテント.その姿がライトで浮き上がって臨まれる。
     北海道に入り.虫もいず心地よい芝に身をもたれ.漸く横になれた歓びと道内に入った歓びが重なり.ジワジワと気持が湧き上がってきた。


       入山
           札内川.八ノ沢の朝
      8月03日晴後小雨. 日高札内へ
         帯広c1. 12:00ト=13:05上札内営林監督署:17=コイカクシユ札内川合流点14:10一14:43林道終点テ2
      帯広営林署
   帯広駅でニペソツ岳に向かうDパーティとも別れ.午前中は営林署.十勝支庁に手分けして挨拶へ行く。
     北海道は殆どが国有林で形式ではあるが入山許可書が必要とされていた。
     この一年.北大山岳部から資料を頂き.3年生が状況,ルートうを調べ.漸く入山まで扱ぎつけることができた。

   山行計画が企画されると.北海道の山の一番の心配はヒグマにある。鈴と笛を持参したと営林署々員に尋ねると.げらげら笑われた。
     世界中で一番恐ろしい動物は人であり.会えば熊が逃げて行く。又必ず会うと。

   現地の解説書にも「ヒグマや鹿は多いが騒がずやり過ごせばよい。日高の熊も鹿も危害を加えることはまずあるまい。」と述べている。
     本当だろうか? ヒグマは本土の月ノ輪熊より凶暴と聞いているが。又道内や内地という言葉が暫しでた。

      十勝平野
   帯広現地連絡所.立教OB.上徳氏の好意に甘えトラックとバスに分乗し帯広を離れる。
     郊外に出ると国道は直ぐ十勝の広大な穀物地帯に入り込む。大農耕地帯が広がり馬齢小畑が続いた。

   私はトラックの荷台に陣取った。飛び行く景色が素晴らしい。日本とは思えぬ広大な大地が変わらぬ畑の姿で続いている。
     我々には「北海道に来たぞ!」と云う実感をかみ締め始めていた。

   その大農耕地帯を一直線に横切る国道.信号も数える程しか見当たらなかった。
     荷台に揺られ路面に湧き上がる陽炎を追うよう.何処までも真っ直ぐ.国道を南下する。

   帯広平野を突っ切ると右手に日高北部の山々が現れだし,その懐へと入って行く。
     札内川林道に入り全員が荷台に乗る。そして林道終点のコイカクシュ札内川出合少し上まで入って頂いた。上徳氏の好意には感謝に堪えない。

   個人的に行けば帯広から上札内まで1時間半のバスの旅.それから7時間の林道歩きが待っている。
     そこを一気にトラックで入れる所まで入って頂いた。

    林道終点c2
     
    増水の渡渉地点を眺めながら西瓜を頬張る

      西瓜
   コイカクシュ札内川出合に着く頃には小雨が降りだしていた。飯場から30分程上流の河原に天張る。
     上徳氏からの西瓜の差し入れがあり.それも見事な大きな西瓜3個と聞き.驚くと共にまず平らげねばならなかった。
     西瓜は北海道では耕作できないと云う。その大きな西瓜を1人半分食べることになる。

   明日は目の前の渡渉から山登りが始まる。西瓜は量の質も大き過ぎ.山へ持って行く訳にもいかなかった。
     それ故美味い西瓜も割り当てられると食べ切れなくなる。最後は半強制的? に食べるしかなかった。

   2年前の女子夏合宿でも妙高山から一度下り.白馬へ向かう途中で.西瓜の差し入れを頂いたことがある。想い出すと人とは我儘だ。
     大喰いをし.今はもう見るのも嫌だと云っていた本人が、数日経つと貪欲な気持ちを持ち返し.西瓜の味を想い出し言葉にだすようなる。

   ただ今回は当分,その考えも浮かばないだろう。西瓜半分ともなると.共と囲みながら食うのではなく.それぞれが自分の居場所を見付け,
     美味さも途中で忘れ.一心に食べた。

   夕方テントを少し高台に移す。本流の札内川の本流は川幅も広く.水桁もありそうな流れを示していた。
     降雨は下流河川では水量が半日から一日掛け遅れて影響をもたらす。ルートは河川を歩む山,明日から日高の山へ入る。

     帯広では雲多い中.強い陽差しを浴びていた。陽炎を追っていた街道も、札内川に入る頃からガスが舞い.設営と共に雨が降りだしている。

   夜半も時折小雨が降り続く。
     沿岸州から華北に掛けて高気圧があり.これに押し下げられ前線がちょうど北海道に掛かっている。
     不安定な状態が続き大雪山では今朝9時頃には既に雨になっていた。


    8月04日雨後晴 札内川遡行.七ノ沢出合へ
       林道終点Ts2.4:55一5:55小6:02一6:58広河原7:20一8:20小:30一8:38六ノ沢出合一9:20七ノ沢出合手前テ3

   幕営地c2前より.札内川の渡渉から始まる

     入山
   我パーティの日高の入山は対岸への渡渉から始まる。
     深い流心は腰まで掛かっている。又繰り返す渡渉はやや川幅が狭ばまると.時として腰を越した。

   渡渉の連続.新崎君

     
    雨具は大フキの傘.ポンチョと変化する. 飯田君と

      巨大なフキ
   札内川はまだ河原が広く時折腰近い渡渉を繰り返し,沢沿いを遡る。
     大きなフキの葉が河原のあっちこっちに茂り.雨粒が大きくなれば傘に変わり幾らでもフキの大葉があり.使い捨てることを繰り返す。
     そして幾らだけでも雨粒を忍んでいた。

   大きな房は軽く不安定だが背負えば傘と変わらなくない。
     昨日からの渡渉の都度は傘を畳む手間も省け.フキを茎から千切っては使用した。


    右岸,左岸へと渡渉.ヘズリを繰り返す

   六ノ沢出合を過ぎ左へ大きくカーブする頃,ヘズる踏み跡のルートが築かれていた。そこも水かさが増してきた。
     昨日からの不安定な天候に濁りが入り.渡渉が更に困難になる。


    幕営地c3.七ノ沢出合手前

   七ノ沢出合手前に天張る。
     前日からの雨が増水をもたらし渡渉できず。初日にして計画はつまずいている。
     午後.雨も止み明るくなるも水量は減らなかった。ただ札内川はストレートな流れ.減水の兆しも早いと思われる。

   日高山脈の完走の鍵は天候に掛かっている。頂稜以外は殆どが踏み跡程度で径らしき径もなく.移動は沢に求める以外なかった。
     雨による増水は渡渉を困難にし.入山,下山は勿論の事,行程の半ばにある新冠川の踏破が鍵となる。
     新冠川源流二股までの下降と.再び遡行する左俣での天候が崩れない事を祈りつつ望むしかなかった。


     

      増水と水遊び
    札内川.仲ノ川出合下

   午後,札内川本流が澄んできた,風呂がてら川浴びをする。やはり夏である.一度入るに我慢さえすればそれ程冷たくない。
     深みを見付けては飛び込み.入渓を楽しむ。

   昨夜来の雨は朝まで時折残っていたが0時頃,高曇となり明るくなる。その後は次第に青空が見え出した。
     西方の十勝,大雪山方面は,朝から視界良好。東方の日高北部は.南側からのガスが湧く状態が続いている。

   前線は東北地方に南下。日本海にある高気圧の支配化に入いる。小笠原高気圧はまだ張り出しが不十分で.夏型の天気を待つばかりだった。
     正午七ノ沢手前.高度590m.s黴風.雲量8.層雲.視界可.27℃.

     8月05日.晴 源流八ノ沢カールへ
    朝方の撤収

カムイエクウチカウシ山が姿を現す                       .
               
まだまだ河原は広い      .
       アイヌ語で「熊が転げ落ちる山」

    8月05日.七ッ沢出合手前Ts3. 5:30一5:36出合一6:30小:40一7:11八ノ沢出合一7:40小:55一9:05大9:45一10:45小11:00
        一11:58F1.F2中間点12:10一12:55.F2上13:10一13:30小:40一14:35八ノ沢カール.テ4.


   


   
八ノ沢出合.私.工藤.富田

    川幅の狭まり.中流で激流の渡渉

     

    左岸をヘズる

    益々沢幅が狭ばると傾斜が増しだす

      札内川源流へ
   本流二股を越え.坦々とした明るい沢が続く。開かれた七ノ沢出合から以外に鋭い1823m峰が見えだした。
     1000m三股の合流点.ここから八ノ沢カールまでが登りで.左右に20m程の大滝を見上げると小滝が現れだす。

   一晩で沢の水量は極端に減り小滝を越えを繰り返し.沢沿いを歩む。
     遡るに連れ奥深い谷の渓相は更に狭まり.天気回復にも恵まれ.快い気持で高度を稼いでいく。


     対岸に聳える1628.4m峰
    札内川八ノ沢を見下ろす

   札内川八ノ沢に入り.カムイエックの雄峰が初めて望まれた。北海道,初めての頂が目の前に大きく横たわり
     径なき径.沢の径.溯る径に心が踊り始めている。

   第1.第2の大滝を越えると傾斜も緩まり.中尾根から八ノ沢カールにでた。
     伸び伸びしたゴーロは柔らかい夏草に被われ.残雪と水被うカールを築いている。何処に幕営しようか迷う程の広さがあった。

      カムイエクウチカウシ山八ノ沢カール
     

     ピラミット峰1853m
    広い八ノ沢カールにテント1張

    我々だけのカール台地

      カムイエクウチカウシ山八ノ沢カール
   八ノ沢カールは札内川本流を右に分け.八ノ沢の源流を詰めるとカムイエクウチカウシ山東面に位置する八ノ沢カールにでる。
     北面は1903m峰に繋がる支尾根が延び.南面は山頂から連ねるm1853峰と1807m峰に囲まれている。 
     その谷間には九ノ沢カールと大きな八ノ沢カールが構えている。c5はカムイエクウチカウシ山を越えた九ノ沢カールの源頭に設けている。

      藪蚊
   八ッ沢カール草付の広がる壮大な台地. その中ほどに設営を終えると漸く晴だしてきた。
     カムイエクウチカウシ山の頂からは障害物もなく.何処からでも見上げられた。員すこぶる元気。午後の一時.トカゲに精をだす。
     ただこの山域は薮蚊が物凄い。本土では考えられぬ蚊が服の上から襲ってくる。全長5cmはある細い蜘蛛のような大蚊。

   長袖で顔にはビニール袋を被る。真とも立ち向かえる相手ではなかった。
     逃げ道は真夏なのにテントをびっちり締め.香取線香を焚くのみ。線香の効き目を知らぬのか効果は抜群だった。

   それ以外は覆面が必要だった。野外の炊事等の仕事には以外とビニール袋がよく利いている。
     息苦しいなどと贅沢な言葉を吐く者は誰もいなかった。北国の山懐に入り.これからが長い道中,悩ませ続かれることになろう。


    朝から晴,八ノ沢に入り快晴となる。雲湧くも高雲で視界は良好,
      日本付近は太平洋高気圧に被われ夏型の気圧配置となる。北海道東部では雲多いが全国的に晴れ。
     正午.八ノ沢二段目ノ滝.1100m.風力0.雲量3.絹雲.視界良.25.5℃.


   又当時,羆に関する関心は入山前の営林署との会話にもあり,気持ち薄れていた。それが2年後の同じ頃,明日入る九ノ沢カールとここ八ノ沢カールで,
     羆に遭遇し襲われ.尊い3人の命を失う大事件が発生。山域による規制が始まり.我がクラブも現地に入るも以後,閉ざされることになる。


                                    夏合宿W日高北部・十勝1. コイカクシュ札内川―八ノ沢カール
                                    夏合宿W日高北部・十勝2. カムイエクウチカウシ山―エサマントッタベツ岳―北カール
                                    夏合宿W日高北部・十勝3. 新冠川―幌尻岳―エサマントッタ別川
                                    夏合宿W日高北部・十勝4. 十勝岳と道央の旅