・・雲取山と石尾根 ・・奥多摩.秩父東部概念図
   雲取山以東の尾根と谷・・奥多摩西部山域拡大概念絵図 

    石尾根の北支尾根群
   ・・雲取山石尾根北面の全容写真

    日原川右岸を拠点に石尾根に係る北支尾根と戸倉山
      高丸山
    2017年05月. 東日原bsから日陰名栗沢出合を経て高丸山ツバノ尾根―鷹ノ巣山南経路から榧ノ木尾根.倉戸尾根.大麦尾根・・奥多摩湖bs

      日陰名栗峰
    2015年11月. 東日原bs.日原街道.林道から日陰名栗峰ヤケト尾根―鷹ノ巣山南面経路から榧ノ木尾根を経て水根沢林道・・水根,奥多摩湖bs
    2016年06月. 高丸山ツバノ尾根の取付きを間違い偵察と渓谷納涼.又久し振り本格的な藪漕ぎに出遭う・・東日原bsから日原林道周遊

    2015年08月. 東日原bsから巳ノ戸尾根.鷹ノ巣尾根.稲村岩尾根を経て.濃霧でタル沢尾根の下降を諦める―石尾根末端をjr奥多摩駅

      稲岩村尾根
    2013年02月. 雨降りbsから榧ノ木山ノボリ尾根.榧ノ木尾根―鷹ノ巣山稲村岩尾根から東日原bs・・滑落事故
    2015年11月. 東日原bsから巳ノ戸林道を経て鷹ノ巣山稲村尾根―榧ノ木尾根から入奥沢中腹道.奥沢林道.奥・・近道.峰谷林道で峰谷bs
    2015年11月. 日原街道から日陰名栗峰ヤケト尾根―鷹ノ巣山岩南面経路から榧ノ木尾根を経て水根沢林道・・奥多摩湖
    2017年03月. 東日原bsから鷹ノ巣山稲村岩尾根―残雪少なく石尾根将門馬場樽沢尾根を下降し・・周遊

      東日原bs前.対岸の北尾根
    2012年04月. 東日原bsからネズミサス右岸尾根.カラ沢尾根を経て鷹ノ巣山―榧ノ木尾根.倉戸尾根から戸倉口・大麦代bs
    2015年08月. 巳ノ戸尾根・鷹ノ巣尾根・稲村尾根を経て.鷹ノ巣山―樽沢尾根を下る予定が濃霧で動けなくなり戻る。石尾根を末端へ
    2017年03月. 東日原bsから鷹ノ巣山稲村岩尾根―残雪少なく.榧ノ木尾根を断念し.将門馬場樽沢尾根に変更する
    2018年05月. 東日原bsから涸沢尾根を経て榛ノ木尾根―イソツネ山南尾根から梅久保bs

      狩倉山.三ノ戸山
    2011年08月. 大沢bsから狩倉山山ノ神尾根から六ッ石山―ハンノ木尾根から小中沢右岸むかし道を経て日没を迎え境集落へ・・境橋bs
    2016年07月. 大沢bsから狩倉山日陰指尾根を経て三ノ木戸山―十二天.見通し尾根から将門神社と旧峰畑集落.左岸道を寺地へ・・jr奥多摩

      榧ノ木尾根.倉戸山
    2012年04月. 東日原bsからネズミサス右岸尾根.カラ沢尾根を経て鷹ノ巣山―榧ノ木尾根・室沢尾根(倉戸山東尾根)から大麦代bs
    2014年03月. 東日原bsから鷹ノ巣山稲村岩尾根から榧ノ木尾根―倉戸山南西尾根から女の湯bs
    2017年05月. 東日原bsから日原林道を経て高丸山ツバノ尾根―榧ノ木尾根.倉戸尾根・大麦尾根から奥多摩湖ダムサイト
    2022年10月. 峰谷bsから奥沢林道.入奥沢出合.タカナメ沢右岸尾根―榧ノ木尾根から榧ノ木山三本ケヤキ沢右岸尾根を下り水根林道から奥多摩湖bs

      東日原バス停前.対岸に聳える石尾根からの1つの北支尾根・・ネズミサス尾根からカラ沢尾根を経て榧ノ木尾根

   鷹ノ巣山越えU. 東日原バス停前に没する北支尾根の1つ・・ネズミサス沢右岸尾根から涸沢尾根を合わせ涸沢ノ頭から鷹ノ巣山の頂に立つ
     凍雪した稲村岩尾根への下降を変更し.榧ノ木尾根から倉戸山南東尾根へ。残雪を踏み.戸倉山室沢尾根から奥多摩湖.湖畔へ
                                                   2012年04月08日.松村
      ネズミサス沢右岸からカラ沢尾根に乗り鷹ノ巣山
      榧ノ木尾根から戸倉山室沢尾根

     雲取山は東面には長沢背稜の都県界尾根と日原川出合に没する長い石尾根を東方へ派生させている。
   その石尾根のほぼ中央に位置する涸沢ノ頭.将門馬場に掛かるコブからは東日原地区を取り囲むよう.北支尾根群が連なる。

     東日原バス停広場からはこの末尾根の端が連なり眺められる。その北尾根は東寄りから樽沢尾根.中央にネズミサス右岸尾根.
   その間にあって岩峰をまとい.上部でネズミサス尾根を合わせる涸沢尾根がある。

     今回は昨年の山ノ神尾根に続き.東日原を起点に涸沢ノ頭からネズミサス沢を隔て.2つの尾根を派生させる西側のネズミサス右岸尾根を選ぶ。
   巳ノ戸尾根を取り巻く鷹ノ巣山を周回する積りでいた。ただ凍雪で軽アイゼンすら持参せず.鷹ノ巣山の頂で悩むことになった。

   東日原バス停を背に日原街道を挟んだ北側の山並
    背はヨコスズ尾根1184m点と右奥は鳥屋戸尾根に聳える笙ノ岩山

      4月08日(日).快晴
    jr御徒町4:44=神田5:00=5:55立川6:04=6:34青梅:35=7:17奥多摩.¥450. :25=7:50東日原bs.

     日も大分長くなり.乗り換えの神田駅付近で夜明けを迎え.ビルの谷間から雲1つない紺碧の蒼空が望まれていた。
   ホームに立つとカッパの上着に普通のチョッキだけではやや肌寒い。

     一日の気温差が激しく.列車がホームに入線し扉が開く都度.まだ車内には小さな冷気の塊が忍び込む。
   上野の山では今日桜の満開を告げている。ただ青梅線御嶽の駅ホームに咲く桜はまだ5分ほどだった。殆どの桜はまだ蕾のまま留まっている。

     日原街道沿いの川橋バス停から更に上流に入るのは今回が初めて.谷間にも朝日が射し込み.東日原バス停には陽溜まりができ暖い。
   広場から仰ぐ対岸の石尾根から派生する北尾根は朝方から山陰になり.休めば肌寒い。見上げる都度,深い蒼空が広がりを見せていた。

     奥多摩の天気予報では帯状高気圧が近づき.最低気温-1℃. 最高気温は5℃と寒い一日になる。
   まだ北方の寒気団の中だった。昨日は俄ケ雪が舞ったとのこと。

    釣り鐘型に聳える稲村岩と手前がネズミサス右岸尾根末端
   バス停から5.6分歩いた中日原地区より.8:00

      右奥は鷹ノ巣山,ヒルメシクイノタワから西側へ鷹ノ巣山尾根から延びる八丁山。
    手前はヒルメシクイノタワから東側へ延びる稲村岩尾根で.末端が稲村岩(稲束に似ていることから)。

     立川駅発奥多摩行の電車はほぼ満席になるも.御嶽駅を過ぎる頃には車内の乗客は半分以下に落ちている。
   それでも日原行の路線バスは満席に埋まっていた。ただ川乗橋で大分降り.終点東日原に着いた時は私を含め乗客は8人。

    カラ沢ノ頭ネズミサス右岸尾根
     7:50東日原bs一小平地8:48一9:15小:30一10:05カラ沢尾根合流地点一10:30巨樹の倒木一10:43カラ沢ノ頭
     一12:00鷹ノ巣山:55.
    日原川流域
   上部で合わさるカラ沢尾根の末端と遠く本仁田山.
    左岸崖上は日原地区の街並み

     独り.ネズミサス右岸尾根に入る。初めから直登の続く尾根に高度は捗るが.今日の行程は長い。気を引き締めて.日原川に架かる巳ノ戸橋を渡っている。
   橋上からは頭上に威容に聳える稲村岩が仰がれ.下流側にはストレートに落ちるカラ沢左岸尾根の末端が見上げられた。

     ネズミサス右岸尾根の由来は「奥多摩」宮内敏雄著によれば葉が針形の檜科常緑喬木であり.(別名ネズ)によるらしい。
   ネズミサス右岸尾根は日原川と鷹ノ巣谷の出合から起こり.1340m付近でカラ沢左岸尾根に合わさり石尾根のカラ沢ノ頭にでる。

    鷹ノ巣谷出合
   奥が深い割に日原川の出合は狭く.浮石伝いに渡っている。
    左がネズミサス右岸尾根.右側が稲村岩尾根で.右肩が稲村岩.

     鷹ノ巣山から北東に延びる稲村岩尾根に沿って流れ.日原川に注ぐ。幾つもの堰堤があるが鷹ノ巣大滝は見事.明るい広葉樹の中の沢を満喫できる。
   大滝20mは階段状の右側を直登・二俣は左の金左小屋窪が本流になる。右俣の水ノ戸沢はワサビ田が多くなると水は涸れ.その後の二俣は右へ。

    鷹ノ巣沢出合
     昔.巳ノ戸の集落(3〜4軒)に通じる橋が日原川に架かって.その直ぐ近くに大きな淵があった。洪水の度に埋まっていたが今はその面影はない。
   左岸からさほど離れていない下流に大きな石があり.ここに巳ノ戸に入る橋が架けられていたという。
   又鷹ノ巣山より流れ下る鷹ノ巣沢の出合には大きな淵があった。昔鷹ノ巣沢に水車があり.村人がここでアワやヒエをついたと言われている。

    取付き
     東日原バス停から鍾乳洞方面に日原街道を少し歩み.中日原で「鷹ノ巣山登山口」の黄色い手摺を見て.左下の河原へと鷹ノ巣山登山道に入る。
   左岸の中腹を下り.吊橋巳ノ戸橋で日原川を渡った所にある道標から左に下ると.鷹ノ巣谷に入る踏み跡を左脇に見る。

     薄暗い日陰の出合.見下ろすと斜めに傾いた小さな木橋が小さな流心を跨ぎ架かっていた。
   飛び石伝いに対岸に渡るには気持ち長過ぎていた。渡れそうもなく.下流の鷹ノ巣谷出合の浅場へと回り込む。

     下調べでは渡った右脇から直接登るとあるが見た目は登りずらそうだった。
   左手に確りした踏み跡があったが.たどると尾根との高度差が広がるばかりで戻り.適当に攀じり易い所を求め詰めている。
   尾根筋の中心に向かい斜上した。3点確保で強引に根っ子を掴み攀じれば高度は一気に増してきた。

    ネズミサス尾根末端
   右下の流れが日原川鷹ノ巣谷出合.8:16
    左側が稲村岩尾根.手前がネズミサス右岸尾根の末端

    天目山(三ッドッケ)
   タワ尾根とヨコスズ尾根に挟まれた小川谷とカロー谷

     露岩を避けながら2つの岩塊を抜けると尾根末端の上に立つ。尾根筋で浅い踏み跡を見付けるもよく判らなくなっている。
   ここは踏み跡としてのルートを気にする必要はなかった。高度を上げるストレートな尾根. 高みに足を出しさえすればよい。
   檜林を抜けた右手に稲村岩の奇峰を垣間見て.背には滝入ノ峰の肩から遠く天目山(三ッドッケ)の背稜が望まれた。

   再び檜林.鷹ノ巣谷側は常に雑木になる

   檜林の植林帯が切れ自然林帯に入る.8:40

    長沢背稜とヨコスズ尾根
   右が蕎麦粒山鳥屋戸尾根.9:36
    ヨコスズ尾根末端にへばり付く日原地区

    739mコブ
     再びやや急な斜面に出合い.9時30分 尾根にでて初めて小さなピンクのテープ.マーキングを見る。
   急登を終えた739mの小コブ.軽く下り返すと尾根筋は南東から南寄りに曲り込んでいる。

     急勾配の尾根は樹間を透し左後方に朝日を一杯浴びた日原の集落が川沿いに広く見下ろされた。
   背に競りあがるのはヨコスズ尾根の末端に当たり.集落の右方に山肌をもろに削られているのが倉沢見通尾根末端にある石灰採石場。
   大分高度を稼いでいた。背の滝入ノ峰も見下ろすようなった。長沢脊稜から続くヨコスズ尾根の全体像が広く望まれる。

    稲村岩尾根に続く鷹ノ巣尾根の東面
   鷹ノ巣谷を隔て望む.9:37

     右手は一時疎林になり,鷹ノ巣谷の対岸は朝陽を浴び広く明るく開かれた谷間に。蒼空も深く村岩尾根の高みが望まれる。
   左手には雑木林絡みのカラ沢尾根が逆光で眩しく霞む輪郭を現していた。やや尾根幅は広くなり.アセビも疎らに茂り始めている。

     尾根全体が雑木一色に染まる中.地味な色合いの山肌にアセビは時期がら緑色の新鮮さを漂わしていた。
   そして高度を稼ぐにつれ.アセビはその領分を広げだしている。右に雑木.左側は檜林.時折途切れては雑木に覆われた。

    昨日舞った新雪
   山肌に薄く結晶を付ける淡い新雪

    雑木林
     雑木林が尾根全体を覆うようなると尾根幅は次第に広がり,左手に長く延びたカラ沢尾根が競り上がり.迫りだしている。
   カラ沢(涸沢)尾根の取付きは東日原から日原川に下り.日原橋(吊橋)を渡った所。1365m圏でネズミサス尾根と合わさって石尾根にでる。

     左前方から威嚇する日本鹿の「ピー.ピー」と甲高い啼き声が聞こえてきた。間を開けて啼く鹿.その都度声は遠のいて行く。
   真近に聞こえ.遠のく叫び声は私に向かい啼いているようだった。

     静かだ! 風もなく.否や微風に乗り.仄かな風が日と共に春の兆しを感じさせていた。
   前日小雪が舞ったにも係らず.既に大気は芳春の漂いを示し始めている。例年ならもう温もる季節になろう。

    ネズミサス尾根から涸沢尾根へ
   尾根の広がり小灌木帯から涸沢尾根に乗る

     10時.足元の谷間からダイナマイトの破裂音がその微風に乗り聞こえてくる。石灰砕石場から遠いい響きで伝わってきた。
   そして連覇のハッパを終え.また元の静けさに戻ってゆく。丁度ハッパの時間帯なのかも知れない。
   10時半.巨樹の倒木2本を潜る頃.再び更に遠のくハッパの音が聞こえてきた。今度は何度も間を開け連続的に聞こえた。

   凛々しく延びる立木群

    頂稜と鷹ノ巣山稲村岩尾根
   城山.水根山.鷹ノ巣山.10:23

    石尾根涸沢ノ頭
   ロープで閉ざされた尾根取付きのコブ
    先に防火帯が延びている

     石尾根ツメが近ずきコブが現れだすと赤いプラ柱に都水道局のマークが目に入いる。そしてコンクリート標が尾根筋に目立ち数を増していた。
   空が広がるとカラ沢ノ頭に飛び出した。防火帯の広い帯が大地に被さるよう主尾根を綴っている。又それ以上に空が蒼く広がっている。
   よいペースだ。休み1本で石尾根に乗る。

   石尾根縦走路はブナにミズナラの防火帯.10:43

    防火帯と尾根筋を歩む
   4月に入ったばかり.まだまだ裸林の世界

    水根山榧ノ木尾根
   城山1523m(じょうやま.涸沢ノ頭.ウメス平)付近に熊棚を見る
    平将門の一夜城があった所

   冬空に伸びるダケカンバ

    背は川苔山
   石尾根の防火帯を下る

    水根山,金左ノ頭
   高丸山.日陰名栗山方面を望く.11:20
    水根山1620mの別名は北側を詰める金左小屋窪から金左ノ頭。或いは南西尾根の中腹を奥沢から登る坂から盗人坂ノ峰。ヒヤマコソ峰.峯山.


    飛行機雲
     カラ沢ノ頭ツメに近づいた折.頭上に旅客機の爆音を2度耳にした。又昨年の山ノ神尾根でも同じように聞いている。
   3度目の爆音は鷹ノ巣山の登り.防火帯の登山道からも聞こえてきた。
   見上げると紺碧の空. 天空を川苔山方面から尾を一直線に引く飛行機雲が向かってくる。

     銀色に煌めく小さな機体から2つの白い飛行機雲を描き.頭上の私に向かってきた。
   上空はそれ程風が強くないのか.飛行機雲は短く創られては消えてゆく。この上空に航路があるのだろうか?
   鷹ノ巣山,頂直前で再び爆音を耳にした。ただ周りを見渡すも機体も.飛行機雲も.ここからは分からないでいた。

    振り返り鷹ノ巣山
   カヤトのぬかるむ防火帯の鞍部から.11:30
    左側は鷹ノ巣山南面の巻道.

    残り雪
     水根山から鷹ノ巣山への縦走路の鞍部.その間だけに残雪が残されていた。煌めく白さに融雪したぬかるむ防火帯。
   残雪は城山の西側とここだけに白くあった。日向では融雪が進んでいる。石尾根伝いの山道はあっちこっちでぬかるみ.今だ乾かぬ場所。
   それに比べ日原からの北側のネズミサス尾根は枯葉に覆われた台地.ここはまだ落葉の下は固く凍り付き.登るには滑り難い尾根だった。

     今年は最高気温一桁の異常低温が続き.乾燥注意報も暫しでている。暦では春を迎えても湿度の低い日が続いている。
   そして裏日本では雪日が連日繰り返され.表日本では気温の上がらぬ日々が続いていた。
   昼下がりの頂稜.鷹ノ山の頂に立ち.改めて北側斜面を覆う凍る積雪を知る。

     鷹ノ巣山までの南面写真・・天目山より2012.05
     ネズミサス沢右岸・カラ沢尾根から鷹ノ巣山
     榧ノ木尾根から戸倉山室沢尾根