・・立山~薬師岳地形図 黒部川周辺概略図
   五色ケ原から越中沢岳・憧れのスゴ乗越へ
     昨夜の星空に.夜明けの広く開けたガラス窓.その五色ケ原の草原から岩稜を越え.立山連峰の深いシラビソ林に囲まれる

    室堂から浄土山.五色ケ原
    五色ケ原から越中沢岳越えのスゴ乗越・・シラビソの森とアルプスの大展望
    スゴ乗越から薬師岳越えで繋ぐ
    太郎兵衛平から折立へ下山

    立山と後立山
   4:53
    後立山・・赤沢岳.スバリ岳.針ノ木岳.七倉岳.唐沢岳

   8月24日(土).快晴
     五色ケ原山荘5:50一7:10越中沢乗越:20一8:20越中沢岳:30一9:15スゴノ頭手前:25一9:30スゴノ頭
     一10:50スゴ゙乗越11:00一11:50スゴ乗越小屋.
   
   上の写真10分前に撮影.4:52                           赤沢岳に針ノ木岳.蓮華岳.4:50
   針ノ木岳.蓮華岳と北葛岳. 中央奥は浅間山 

    日の出
     頂の尖っ突きで仰ぐ日の出や狭い谷間から迎える日の出と異なり.大草原の台地に宿り.壮大な日の出を迎えている。
   如何に広い頂でも視角の隅に谷間が入りると眺望は更なる立体感をもたらすが見渡す限りの草原から望む山並みは異にしている。
   普段と違った景観を見せさせていた。山上に連なる山並は谷間を含め全てが広大に開放的な横たわえ.アルプスの醍醐味を現わしている。

    後立.蓮華岳より雲ノ平
   6:22

     広大な台地は更なる広さを見せている。カメラのレンズに入り切れぬ眺望が視界を広げていた。
   周りはどの岳も既に歩み続けた懐かしい岳々だった。忘れていた昔を想いださせ.新たに歩み出す岳にもなっている。
   中央に小さく頭を出しているのは餓鬼岳だろう。私の北アルプスの正月山行はこの前衛の岳から始まっている。

     草原からは何処からでも広いアルプスの山並みが望まれた。又向かいの山々からもこの晴天なら大草原が眺めていられるだろう。
   特に立山を越え.黒部川沿いに開かれた後立山の山々はそれぞれの個性を剥き出しにた姿・形を現していた。

     秋の縦走は水の確保に大変だった。冬は幕営が殆どで.春には雪洞を利用している。
   山行を重ねる都度.その個性を考えて登っていた山々が連なり.今日一番の展望台になっている。

   チングルマの穂.6:10
    遠方は越中沢岳

    大日岳.天狗山.龍王岳
   鳶岳より振り返る6:22
    右手は五色ケ原の広大な台地

    越中沢岳と北薬師岳
   鳶岳を越え.先の鞍部が越中沢乗越越.6:27
    左上が水晶岳と赤牛岳

    赤い屋根
     写真では見分けができぬがスゴ乗越の少し先.白くザレた所の上に赤い屋根の小さなスゴ乗越小屋が眺められる。
   一昨年読売新道からも薬師岳の北側鞍部に小さく点のような赤い屋根を見ている。その時の夢が今.現実に続いていた。
   五色ケ原山荘から歩き出して40分程.もう今日の憩いの場.スゴ乗越小屋が見えていた。見えてからが長い道中になる。

    鳶岳南側コブ
   鳶岳南鞍部より.6:46
    先に従えるのが越中沢岳.間山. 奥に薬師岳が連なる

  

   越中沢乗越手前の木道の隙間から

    越中沢岳
   7:33
    右側のコブが頂.
    左のコブからは奥?山を越え南東に派生する尾根・・その尾根の末端が上廊下の下ノ黒ビンガに繋がる。

    五色ケ原全景
   背は立山三山.左肩は剣岳.8:09

    2つのコブを持つ鳶岳
   上の五色ケ原.左端をアップ
    縦走路は右の鳶岳を越え鞍部から南峰を巻き込んでいる

    水晶岳から北上する読売新道
  
     左背は裏銀野口五郎岳. 中央が赤牛岳.右肩が水晶岳. 右側が笠ケ岳と三俣蓮華岳・・越中沢岳より.8:15

    中央アップ・・読売新道
   8:17

    後立南部・・裏銀と読売新道
  
    東側糸魚川の谷にガスが湧き始めているのが分かる.
    手前は越中沢岳の東尾根.中央コブは木梚山・・黒部湖に没している・・8:25
 
    薬師岳への径
     縦走路が南下を続ける内.後立の山々も少しずつ移り.南部の山々が次第に姿を変え現わしだす。
   そして退く山々.真横に聳えいた針ノ木岳周辺も遠のいてゆく。そして1つ.1つ新たな岳を望むようなった。

     ここからは少し貧弱な形だが秀麗な鷲羽岳が姿を現した。まだ遥か先だが山形はよく分かる。
   この鷲羽岳は2度挑戦しているが未だ頂に立てずにいる。常に荒天に遭い.迂回させられていた。
   荒れれば風雨強くジャリが飛ぶ岳。前回も後一歩と踏み込むも記録だけの山行になるのを恐れ.黒部川源流に迂回している。

   左端アップ・・後立南部
   越中沢岳より左半分を撮る
   一昨年8月のルート・・針ノ木峠から烏帽子岳へ

   モモコチ(苔桃)

   アオノツガザクラ(青の栂桜).8:19

    スゴノ頭とスゴ乗越
   8:27
    背稜のスゴ乗越を越え小コブを登り返すと白いザレ付近い赤い屋根のスゴ乗越小屋が肉眼で小さく見えてきた。

   赤牛岳
   廊下沢沿いに巻き込んで越中沢岳へ.8:48
    裏銀三ッ岳と野口五郎岳

  

    越中沢岳南面
   鞍部より振り返り北面を見る.9:43
    右へ航行する旅客機

    飛行機雲
     この2日間数多く青空を横切る飛行機雲を見ている。ジュラルミンの機体を煌めかし繊細な姿を現している。上層は風が強い.
   1万m上空を飛んでいる。輝く機体の型がよく見え.ジェットから吐き出された気流は白雲を一直線に曳いている。

     空を仰ぐと綺麗に並行する飛行機雲があればややズレる雲。羽田から金沢へ本州を横断する航路が頭上に通っている。
   時には縦に1本.十字に交わる飛行機雲を見る。それは又地球が丸いことを示していた。この雲の航路は何処へ行くのだろう。
   気温は100m高くなる毎に約0.6℃下がり.航路の1万mでは約60℃気温が下がり.外は-40℃の世界。薬師岳の標高から3倍以上高い世界。

     飛行機のエンジンから圧縮.燃焼され.300℃~600℃の排気ガスをだす。その中に含まれている水分が急に冷やされ凍り.
   雲となり白く見える。もう1つの現象は飛行機の主翼などが後に空気の渦ができ.部分的に気圧と気温が下がり.水分が冷やされ雲になる。
   それ故エンジンの本数で雲の本数も異なることになる。

    黒部川上廊下
   スゴノ頭付近より.9:55

    左上が読売新道が綴られた赤牛岳.水晶岳. 正面を向き三俣蓮華岳.双六岳と右上が黒部五郎岳. 左は薬師岳からカールを抜けてきた尾根。
    南面の空を仰いでも積雲湧く青空に並行するよう飛行機雲が描かれていた。

    転落
     スゴノ山2431mで1本取り.スゴ乗越へ下る。スゴノ山の肩,大岩のゴーロ帯で先輩が足を踏み外し転倒した。
   大きく一回転して左肩と左手首を打つ。運よく裂傷はなかったが右手にストックを持ち.大岩でバランスを崩してしまっている。

     体の反動で奇跡的に綺麗に転んだのがよかったのか? 幸い頭を打たずに済んでいる。
   その後は朝晩シップを貼り直変え処置を取り.下山時は痛みも落ち付きホッとした。

   ニッコウキスゲ

   モモコチの径

   山径脇のミズバショウ

     スゴ乗越小屋
     11:49
     左側が正面玄関になる.右の小屋は外用トイレ          スゴ乗越小屋平面図
     右は居間でのスナップ.水場は玄関を出た左側に洗面所がある

     スゴ乗越小屋
      スゴ乗越小屋はスゴノ頭と間山との鞍部.少し南側の2370m台地にある。
   最寄りの登山口は立山室堂と折立口でほぼ中間地点にあたる。シラビソの林に囲まれたヴッディー調の2階建てL字型の山小屋。

     「スゴ」とは立山・芦峅寺の熊猟の人達が猟が一段落したところで落ち合い.そこで獲物の数合わせした場所と云われている。
   「数合わせ」が「スゴ」に変わったということ。

     一昨年読売新道を下った折.上廊下を隔て鞍部に赤い屋根の小さな山小屋を見付けている。
   今日も鳶岳から赤い屋根を見てからが長い道中だった。最後に縦走路を詰めると山小屋の側面に突き当たった。
   左に回り込めば小屋前の広場にでて.針ノ木岳から南に延びる後立の山々のパノラマが真正面に望まれた。

     東側に面した山小屋は左手が食堂で中央に玄関がある。小さな土間があり.受付を済ますと右壁沿いに下駄箱があった。
   脇に2階に上がる階段がある。玄関正面奥が登山者の炊事場兼居間になっている。ランプの宿だけに昼間でもやや薄暗い。
   左奥に回り込めば乾燥室.その奥右手がトイレになる。外便所もあり.落とし型だが清潔感はあった。

     我々は2階が寝床になる。階段を上ると中央の通路を挟み2層の寝床になっていた。今日は客6名
   階段を上がった正面角が宛がわれた。どのグループも一層の角隅に陣取り寝床を設けている。

     L字の通路,帳が落ちると通路奥と階段の上にランプが点いた。
   木造の小屋におぼろな明るさ。色具合といい懐かしい雰囲気になっていた。2食付¥8.800.

     我々が居座った角.階段を上がった左手がテラス.玄関の上にあたる。テーブルはあるが炊事は禁止.外で食事を摂る。
   昼食は初日を除き原則として小屋に着いてから摂ることにした。
   それ故水場は確保され喉通しがよい.簡単に調理できるラーメン.中華ソバ.スバケティー.ソーメン等になる。

   1階玄関先の自炊場.13:19

    炊事
     今日の希望はタラコスバケティー.外のテーブルに材料を持ち込み缶ビールを呑みながら炊事に精をだす。
   程よい日差しに正面には蓮華岳から南沢岳に掛けての船窪山を主とする山稜が繋がれ眺められている。
   鋸状の山稜が激しく落ち合い.また大きなコブのような頂を幾つも突き上げていた。

     沸騰したコッヘルにスバケティーの麺を箸で解しながら入れる。丁寧に解さなければ直ぐ団子になる。
   その上立松君が大コッヘルを忘れコッヘルが少々小さい過ぎ2回に別けての炊事なった。その時.「雨粒かな!」と思う間もなく雨が降りだした。

     慌てて小屋の炊事場へ移動する。茹で途中のコッヘルに.呑み掛けのビール,コンロ等全てを運び込むともう炊事は雑になってしまっていた。
   ビールを追加し.麺の硬さを尋ねるがやや硬いがそのまま食べられると云う。「まぁーいいか?」の言葉。
   この時の炊事が理由ではなかろうが後を含め.翌日も昼食は要らぬと云われ.一人で炊事するのも気が引かれ諦めた。

     今日のコースも好天気で時間は十分あり過ぎる位だったがコンロを出すのが面倒だったのか? お茶の時間もなく.
   後で思えば献立から買い出しまでしたことが阿保らしく思えた。

    通り雨か? 外は既に晴れ渡っていた。明日歩む南側の丘まで散歩する。
      綴ってきた鳶岳と越中沢岳・スゴノ頭.
   小屋少し上の台地に夕方散歩.16:50

     手前が2240mコブで先がスゴ乗越. 乗越の西側が真川スゴー谷.黒部側が上廊下スゴ沢になる。
   スゴ乗越小屋はスゴ乗越の鞍部を越え.シラビソの覆われた2240mコブを登り返した上部にある。

    後立山連峰・・南沢岳南沢尾根
   その右手の信州側.左下がスゴ乗越.16:18

     船窪岳.北葛岳.七倉岳.中央が不動岳。昔苦労させられた平からの南沢と藪の南沢尾根。
   当時ガラ場や途切れ途切れの残雪を踏み.南沢尾根の獣径を藪漕ぎしてから頂稜にでている。

   足元に茂るクロマメの木・・ブルーベリーの日本版

     室堂から浄土山,五色ケ原
     五色ケ原から越中沢岳越えのスゴ乗越・・シラビソの森とアルプスの大展望
     スゴ乗越から薬師岳越えで繋ぐ
     太郎兵衛平から折立へ下山