丹波川上流右岸.泉水谷流域・・大菩薩嶺北尾根地形ルート図

  大菩薩嶺北面の分水嶺を越え.小菅川上流から小室川谷・大黒茂谷
     ノーメダワから小室川谷を横切り.中沢三差路から深い桟橋を渡り.大菩薩稜北尾根三ノタルを横断―学校尾根東方.大黒茂谷源流へ

    高指山南東尾根から丹波大菩薩道と分水嶺越え
     ノーメダワから小室川谷.三ノタルを横断し大黒茂谷の上流・・野宿とツエルト
    再び北尾根1980m圏コブ北西尾根から大菩薩嶺と丸川峠

   大菩薩嶺北尾根
   小室川谷の右岸沿いに入る.13:01

    大菩薩嶺北尾根
     丹波川右岸の支流.泉水谷は大菩薩嶺北尾根に隔てられ.二俣で泉水谷本流と小室川谷に分かれ.更に泉水谷は奥の二俣で
   大黒茂谷と牛首谷に分かれている。それぞれの源流は妙見ノ頭・大菩薩嶺・丸川峠になる。

     今回はノーメダワから北尾根三ノタルを横切り.大黒茂谷源流から再び北尾根上部.三ノタルを横切る。更に大黒茂谷に入る変則的なルートを取ることにした。
   ただ途中でルート不明に陥り.連絡を取る為に.明け方大黒茂谷からダイレクトに大菩薩嶺を詰め.後半の計画を変更し丸川荘へ。

       大黒茂谷源流へ
   12:50ノーメダワ「65/61」林斑界標一13:20一13:29ヒカゲ井戸川一13:34小室川谷一13:41井戸沢左岸「59/63」林斑界標
   一14:08北尾根三ノタル一14:40枝沢一14:50「62/61」林斑界標一16:06大黒茂谷一16:28対岸ビバーク地点. ⇔4:38「68/69」林斑界標.

   小室川分岐への巡視路

    小室川谷へ
     待望の水源林巡視路に入る。尾根の北側を巻く美しい水平歩道は林層まで変えてしまったような雰囲気をかもちだしていた。
   紅葉の始まった樹葉が繊細な色合いを示し,心が洗われるようだ。巡視路も手入れが行き届き思いの他.歩き易い。
   下ると云うより殆ど水平を保つ水源巡視路が延々と山腹のトラバースを繰り返し綴っている。

   異なる淡い色彩を示す大地.13:10

   秋が伝わってくる色合いへ

   13:18

   日当たりのよい南面の黄葉.13:24

   ヒカゲ井戸川を横切る.13:29

     目の保養には素晴らしい山域になる。混ざり重なり合う紅葉に.又一色に染められた大地。
   目障りな赤テープ等のマーキングも殆どなく.ただ踏み跡だけが綴られている。

     ポイントとなる小沢の瀬々らぎもよい。流れる流心は緩やかな窪地を創り.緑豊かな樹林は光の合成を受け.谷底まで透す明るさを持っている。
   色鮮やか紅葉の始まる前兆か? 樹林を抜けてきた柔らかい光線が又ソフトな色合いに彩なる大地を染めていた。

    小室川本流
   左岸に渉る分岐.13:34

     2つの枝沢を越え.水平道が終えると下りだし小室川の沢底にでる。
   手前の小平地の枝沢辺りで踏み跡が薄れ.葦が茂り.古いワイヤーロープに何にか錆びた部品が放置され.地面から覗かしていた。
   そこを直進すれば河原にで.飛び石伝いに対岸に渡ると小室川の左岸道にでる。

    小室川左岸道
   確りしてた沢沿いの巡視路を振り返る.13:38

    左岸井戸川出合奥
   巡視路分岐口.13:48
    道は途切れ.井戸川出合を回り込み10mほど登る。

     小室川谷を渡って左岸道に入り.100mほど上流に向かうと右手から支流の井戸川(松葉小屋沢,長沢)が合わさる。
   広く明るい出合からは井戸川左岸を上流に入ると数十m先に丹波山分区「59/63」林斑界標があり.その先で沢は狭まっていた。
   山道は失われている。標柱まで辿り.周りを探ると踏み跡を失ったガラ場の直ぐ右上に.崩壊し崩れた道口を見出してた。

   秋の光を受け樹肌の煌めき.14:02

     高みの水平道に戻ると紅葉真っ盛りの繊細な紅色の雑木帯を潜る。この水平な巡視路が又奥深い谷間の素晴らしさを映しだしている。
   人に荒らされぬ贅沢な森. 大地の厚みを感じ.そっと留めておきたい秘密の場所が1つ増えたようだ。

     途中で1477m点の尾根を越えるとその先で小室川出合へ綴る左岸道の中沢三差路にでる。目印も何もない場所.
   ただはっきりした踏み跡が谷へ下りている。

     この巡視路は北尾根を下った折.末端の1000m付近から小室川側に下り.この左岸の巡視路伝いに小室川出合にでている。
   その折は猪に2度出偶し.猿の軍団にも出遭い.黄昏の青梅街道を丹波に向かい歩んでいた。
   ここからトラバース気味に登り詰めるとその時下った北尾根三ノタルに立つ。

    大菩薩嶺北尾根三ノタル・・下草に露岩が多くなる北尾根の下りを望む
   大黒茂林道交差.水源林巡視路.14:08

     右前方より北尾根に乗り.懐かしい場所に立つ。2009年09月に丸川峠から北尾根を末端へ下り丹波にでている。
   赤テープの印も剥がされ.何もない地点に「65/61」林斑界標を見付け.水源巡視路が横断しているのを知った場所だった。
   何故このような幅広い巡視路が築かれたのか.考え深けに見詰めていたのを想い出していた。

   三ノタルより上部側を望む

    三ノタルから大黒茂谷側に下る大黒茂林道
   右下が巡視路.14:09
    一時ススタケが途切れ.歩き易くなった北尾根分岐上部
    右下に北尾根と並行して大黒茂谷本流へ下る巡視路がある

    大黒茂谷へ
     北尾根の西側に沿い大黒茂谷側にも広い水平歩道が伺える。尾根を巻きながら踏み跡を追ってきた。この先更に山も谷も深くなる。
   北尾根筋を左に分け.巡視路は約100mほど北尾根と水平に逆行しては離れ.再び右(西)側の山腹を巻き始めていた。

     歩き始めて直ぐ右手の谷間に向かうはっきりした踏み跡を分けている。
   少し下ってみるとアサガオ尾根の東側山腹を巻き.谷間へ下っているようにも思えた。
   如何見ても.このルートはアサガオ尾根を越えられない。戻り水平歩道の大黒茂林道に入る。

   大黒茂林道

   大黒茂林道.14:32

     アサガオ尾根を絡んでの下り.殆ど水平歩道の巻き道を西側から北へ回り込むと谷間で「65/66」林班界標を見ている。
   そして北側に回り込み.アサガオ尾根の尖っ突きで「66/67」林斑界標が立つ尾根に乗っている。
   そこから南西方向にアサガオ尾根西面を綴る各枝尾根を横切り.緩く下って幾つもの枝沢の桟道を渉るようなった。

   神秘的な奥深い森

   幾つもの小沢を横切る.14:40

    中沢左俣の桟道
   2015年10月.この桟道の崩壊現場を見下ろす.14:44

   「丹波62/61」林斑界標.14:52
    大菩薩嶺北尾根1708mコブから東に延びる尾根.中沢左岸尾根の尖っ突き地点

    大黒茂谷
     大黒茂谷を渉る桟道.16:04

     大菩薩を水源とする大黒茂谷は泉水谷に支流である。
   広葉樹の自然林に囲まれた紅葉の季節は花崗岩質の明るい沢筋が.素晴らしい景観を提供してくれている。

     枝沢の源流部の緩やかな起伏を越える。15:56 
   西側から南西に進むと大黒茂谷の左岸を綴る巡視道に突き当たった。木橋を渡った左手は泉水十文字.
   右は途中で分岐して大黒茂谷出合と牛首谷とに通じている。木橋で左岸に渡り.一度谷間を振り返ってから左に折れ.大黒茂谷左岸道を遡る。

    大黒茂谷本流
   浮石から下流を臨む.16:05

    大黒茂谷上流へ
     大黒茂谷左岸道に着いたのが4時.日没まで2時間弱になる。源流の谷底は既に薄暗く.茂みが黄昏近い雰囲気をかもちだしていた。
   この先のポイントは泉水十文字まで確実に歩くことに限る。十文字から丸川峠への踏み跡さえ分かればエレキに頼りに.
   峠に建つ丸川荘に着くと考えていた。

     対岸に渡り.少し高台への踏み跡を綴ると直ぐ右手に左岸道を見付ける。後は左に折れ.大黒茂谷を源流へ辿れさえすればよい。
   踏み跡は確りしていた。ただ何とも言えぬ薄暗さ。少し登りだしやや沢沿いから離れ.ルートを失った感あり。

     それも経路は蛇行し左の沢沿いに近ずいてきた。ホッとしたのは確かだった。ただ後から思えば登り過ぎた感がある。
   もう周りは笹薮高く.見渡すというよりは学校向尾根? 黙々と歩くのみだった。

     一ケ所.変てこな桟道か? 立派な階段があり.上部から渡る基点が離れ.空中に浮き渡し状態の崩壊した場所にでていた。
   確りした造りだが肝心の場所が宙に浮いていた。渡ると云うより.沢に下るのにのに少々度胸がいた。
   ポールで組んだ階段が台地と離れ.宙に浮く存在で漂い高度感もあった。

   上流.木橋を渡り(左)岸道

    木橋?
     その後はスズタケの短い藪を切れば河原にでて.左前方に木橋を見る。ここまで左岸道に入り20分強になる。
   対岸に渡り.今度は(左)岸沿いの小径を拾い.枯れ窪地状に入ると登りになった。間々登ると右手に入るルートがはっきり分かる場所にでた。

     右に折れ更に小さな窪状を横切ると西側に変わり.左手に切り倒しの倒木帯を見る。その前に「68/69」の林疎界標が立てられていた。
   ここまでは予定道通りだが次のルートが分からなくなった。時に4時半を回っていた。

    迷い
     径なりに直進すると河原にでて.左手に径は折れ河原で途切れている。河原は広いゴーロ状の谷を構成し,強い流水がある。
   地図では標柱から西側の枝沢を横切るとあるが強いスズタケで覆われていた。私には合点いくものではなかった。

     結果的には正しいルートを歩んでいた。この迷いは翌日「丸川荘」の主人と調べても分からなかった。
   2年後に改めて調査に訪れ.藪の先に踏み跡があったと知る。
   当時は地図に磁石を合わせるが河原の流心が逆に流れている。枝沢のようだ。5時を過ぎた。先を迷い諦めるしかなかった。

    下山?
     まず丸川荘の主人の心配する顔が浮かぶ。主人は連休に合わせ.今日山荘に15時頃入っている。
   カール状の広い谷底は携帯電話は圏外だった。今日山荘に泊ることになっていた。

     連絡は携帯でよいと自宅を教えていなかった。もし野宿するも.明日の朝方も連絡が取れなぬ状況になっている。
   警察に連絡すると厄介になる。それで下山を考える。

     この分なら泉水横手山林道に出られると考えた。大黒茂谷左岸道を下れさえすれば林道にでて.北尾根を下った時のルートに合わさる。
   そして青梅街道にでる。車が通れば伝言もできる。エレキを付けず速足で下っていた。

     前途多難で左岸沿いに下る径を辿り.先程の木橋前まで戻る。次第に足元しか分からなくなった。
   確りした径はゴーロ状になり.怪しくなるも歩める径だった。

     そして先程の木橋(右)岸にでて.スズタケの短い藪で迷う。エレキを点けても分からなくなった。
   一回り.二回りして踏み跡を探すうち.自分の踏み付けた踏み跡で更に分からなくなった。

    大黒茂谷源流
   ビバーク地点.16:28

    野宿
     万事休す足を停め.河原にでて.星空輝く天を仰ぐ。頭上は樹冠の隙間の先に煌めく星群を見ている。
   そして自然の成り行きで.「野宿するか!」と誰もいないが言葉を吐いた。
   遅い決定が場所を決めるのにも苦労させられた。ザックにはポンチョのような1人用のツエルトと銀紙がある。

     寝床の大地は落葉深いファファ感があるがそこ避けると平らな所がなく.以外と小枝や小石も多い。一番よい所は踏み跡径になる。
   よく見ると抜かるんだ所が多い。1人でも何処でもよいとは言えず.探すとなると大変だった。

     まずザックから取り出した.ありったけの衣類を身に着ける。ももしきに薄手の羽毛の上着.ジャンバーに雨具と。
   手の軍手は暖かい。何より大切なのは風の吹き抜けだった。地面に銀紙を広げ.その上に乗り包むよう体を巻き.簡易ツエルトを被る。

     一度この形で寝るが中々上手くゆかなかった。隙間風はないようで結構起きている。
   寝返りを打てば隙間だらけになり起きた。直しては寝返りを繰り返し.落ち付ける所を見付けるのが馬鹿らしくなった。

     早く寝る筈が中々寝られず.又時計の針も進まなかった。目をつぶりジッと耐えるも進まぬ針。
   1時間に2度.3度.時計を見る。7時半から8時になった。まだ8時か。時間がゆっくり過ぎ長くてしょうがない。

     過って東北吾妻へスキーツァーに出掛け風雪に遭い野宿したことがある。スキー板で雪穴を掘り.板を屋根替わりにして.なかったら寝られず
   時ばかり気にし.ライターの量が分からず時計をみるのも間々ならなかった。焦らなければよい。

     時間潰しもあり.丁寧な寝床を作ろうと踏み跡径を塞ぎ.地面を整地し場所を改め.足を突っ込むザックを置く.一度は落ち着いた。
   ただ頭が低いと寝る方向を変えたり.岩に寄りかかり.又は丸まって寝るスタイルを考えるも.どれも長続きはしなかった。

     その中.寄り掛かりがよかった。1時間ほど熟睡する。後は目だけは瞑り.長い時の流れの過ぎるのを待つ。12時.夜明けの半分が過ぎた。
   シュラフがあれば天国だろう。それでも震える寒さではなかった。

     瀬々らぎの音色の混ざり.時折何か不可思議な音を聞く.ツエルトを被り地底から這い上がる風に混ざり.何かが周りに蠢いている。
   動物だろうか. ジッと耳を澄ますとツエルトとシートの擦れる音だったりした。

     澄んだ頭上高くには常に星空が輝き見守られていた。明日は新月になる。
   月の煌めきは以外と明るさをもたらすが今日は真っ暗闇に閉ざされている。まして沢底にいる。樹冠から仰ぐ星だけが明星の如く煌めいている。

     2時.3時.谷間の樹間の枝々を抜け.星座が少しずつ移動し.満点の星に煌めき広がっているのを狭い隙間から想像している。
   3時頃一時.雲が覆いだすも.30分も経たずして.元の星空が現われる。明け方はやはり寒い。今日も晴天を約束させていた。

     小菅川源流から右岸山腹道に周回する予定の紅葉狩りは諦める。電話で連絡が取れ次第.丸川荘に回ることにした。
   日没11月01日16:56. 日の出2日6:08・・沢底の谷間で行動は更に遅くなる。

     大菩薩嶺北尾根周辺ルート図
     高指山南東尾根から丹波大菩薩道と分水嶺越え
      ノーメダワから小室川谷.三ノタルを横断し大黒茂谷の上流・・野宿とツエルト
     再び北尾根1980m圏コブ北西尾根から大菩薩嶺と丸川峠