倉沢林道終点から長沢脊稜の棒杭ノ頭に立ち鳥屋戸尾根から松岩尾根ノ頭を起点にして.川乗谷松伏沢を下る・・日原川倉沢谷流域Top

  長尾谷に入り棒杭ノ頭南尾根から棒杭ノ頭に立ち.蕎麦粒山から鳥屋戸尾根を下り.松岩尾根に回り込む。
    倉沢谷右俣から棒杭ノ頭南尾根(浅間前窪右岸尾根)を直登―鳥屋戸尾根.松岩ノ頭松岩尾根から松伏沢を下り川苔山の仮登山口へ
                                               2016年04月16日.松村

     注意・・棒杭ノ頭南尾根は左又窪と浅間ノ前窪の出合に落ちる左又窪右岸尾根に訂正させて頂きます。2021.10

    倉沢林道終点とシオジ窪・・直接.棒杭ノ頭へ突き上げる尾根から目指す
    右俣長尾谷から棒杭ノ頭浅間前窪右岸尾根
    蕎麦粒山に立ち鳥屋戸尾根から松岩尾根を下り.山伏沢から川苔山仮登山口から下山

     三頭山から続く「指」の山行は一度中断して.昨年の4月に続き.新緑を求め日原川の倉沢谷右俣に再び入渓する。
   今回は左又窪右岸尾根の上流側の浅間前窪右岸尾根を詰め.直接冬木に覆われた長沢脊稜の棒杭ノ頭に直接立つ。

     突き上げる頭からは天目山シャクナイ尾根が延び.隔てる細久保谷が見下ろされた。脊稜を東進し仙元峠から蕎麦粒山南山腹道を経て鳥屋戸尾根へ。
   そして松岩ノ頭から東に延びる松岩尾根に乗り.松伏沢を下り川乗谷に下りている。

     裾野は芽吹き始めたばかりだが始終冬木林に被われ.上流の山懐はまだまだ新緑には早く.早春の装いを示している。
   不安定な天候が繰り返され.この処日照時間も短く.荒天前の束の間の晴れ間を狙い.期待を膨らませ入山する。

   青梅線鳩の巣付近.6:56
    4月16日(土)快晴後曇
     jr御徒町4:49=4:52神田5:00=5:55立川6:04=6:34青梅:35=7:18奥多摩:27=7:45倉沢橋bs.

     久し振り始発の電車に乗車した。神田駅付近で白みだすも東京近郊は層雲に覆われ.青梅線に乗り換えてから漸く車内に陽光が射し込んでいる。
   週末を迎え好天に恵まれた。沿線の桜は葉桜になり7.8分目. 車内は急に増えたハイカーで溢れ.今日ばかりは登山列車の装いに替わっている。

     日原行の路線バスは増便された。一便に間に合わせようと押し詰めたせいか.次の便に乗り移るよう車掌が促すも,動きが取れぬ状況だった。
   私は席を確保している。ほぼ半分の乗客が川苔山登山口.川乗橋バス停で降りている。倉沢橋で降りたのは前回と同じ.私一人だった。

     バス停前の西橋詰の山桜は満開になり.以外に多い山桜が谷間の山肌をパッチワーク模様を描き出している。
   又紫桃色のツツジが咲き始めたが.まだ咲く花々は目立たず少ない。
   昨年訪れた時より2週間ほど早かった。山々はまだまだ今だ冬木の世界.春の訪れる気配を感じながら山懐に入る。

    倉沢林道
   倉沢谷右岸沿いを走る.7:51
    倉沢林道の終点
      7:45倉沢橋bs一8:07大幡橋一8:38魚留橋一8:52地蔵橋一8:56棒杭尾根への分岐一9:05シオジ窪.

     倉沢谷の入渓は3度目になる。登り始めて9年.何も知らなかった東京近郊の山々に向かい.少しずつ奥多摩の山も知り始めている。
   まず登らねばと初めて入ったのが川乗谷からの川苔山だった。その後は仙元尾根を越えるため周辺の山々にも入山している。

     その中で倉沢谷に興味を湧き始めたのはつい昨年だった。石尾根から日原地区西域へ入るにつれ.名しか知らぬ倉沢谷に惹かれだしている。
   登山道のない谷間は入渓する機会もなく.中々関心を結び付けることができなかった。

     それが秩父に抜ける三ッドッケ東脇のコブを知り.紀行文を読むようなる。まずは倉沢谷流域を知るために昨年4月に右俣から左俣へと周回した。
   そして他の山域と異なり.奥多摩の一辺だが静寂に満ちた古い作業道が多くあるのを知らされている。

    上部は廃村倉沢
   倉沢橋より左山腹の沢沿いを見上げる.7:56
    昨年9月にはこの上部に綴られた倉沢左岸歩道を旧倉沢集落から横篶尾根を回り込み.カロー谷から小川谷左岸水平歩道へ抜ける。

     鳴瀬橋より.8:13
    八幡橋.8:07

     昨年初めて倉沢谷に入り.春には右俣から左俣に周回し.9月には倉沢谷右岸山腹道から横篶尾根を周回した。
   そして今回は右俣長尾谷から直接長沢脊稜にでる積りでいた。前回の左又窪右岸尾根の対岸尾根を詰め.棒杭尾根の上部に乗っている。

     尾根の取付きまでが冒険だった。倉沢林道起点から詰め.上流の崩壊地帯から廃林道を終点まで綴り.右俣の右岸歩道に入り込む。
   色々情報を集め,右に左へと見定めながら右岸道の終点.「奥多摩区分11/10」林班界標柱の立つ河原にでていた。
   その左上が尾根が今回の取付きになる。

     過って仙元尾根を越えるため.脊稜の峠に立った時は,都境尾根を初めて越える不安と憧れを抱いていた。
   気を引き締め,緊張し私にとって.1つの冒険とも考える気持ちで目指している。

     その時と同じような感情を持ちながら昨年は倉沢谷の山懐に入る。そして充実した山行を経験した。
   終えてみると1つの結果として.不思議なほど冒険心は薄れている。先への土台として何かが切り開かれ.その領域の不安は一掃されていた。

     今回はほぼ一度入渓したルートを歩み,崩れた橋を過ぎ.上流の渓相を見定め.右岸水平道を想い出しては迷いもせず直進した。
   昨年より時期は少々早いようだ。下流側っでも青葉溢れる新緑の実感はまだまだ薄かった。

   幕岩南東支尾根末端.8:17

    釣人
     八幡沢を過ぎ谷底に降りられる所まで登ってくると初老の釣人に出会う。丁度車が1台置ける所で釣り支度をしていた。餌はブドウ虫.
   釣果より渓流に竿を出すことに意義があるとゆっくり語る言葉には.短い言葉の中に深い愛着を感じられ感腹させられている。
   云う気持ちは解るものの.私が竿を持てば.まだまだ気負いが勝り.優雅に落ち着いていられぬだろう。

     私も渓流釣りに20年ほどは通い.関東周辺の谷間を渡り歩いていた。タナゴから始まり.鮒釣りから船釣に通い.最後は漁船釣りを10年ほど通している。
   そして間を見ては渓流釣りにも足を伸ばしていた。栃木.群馬,長野へと。山中では日高札内川や長野梓川でお数にと一品添えていた。

     懐かしさが募るも再び山登りを始め.そこまで悟ることはできなかった。雰囲気からその言葉の重さを実感として.受け止めている。
   初老から最後に.「私と同年輩のようだが山と触れ合うことは素晴らしい!」.「気を付けて!」と嬉しい言葉を頂き別れている。

    魚留橋と魚留ノ滝
   倉沢谷.8:38

     既に林道を往復しているにも拘らず,魚留橋手前の左斜面にアサダの巨樹(幹周4.5m)があるのは知らなかった。
   大きなコブを幹に付ける武骨で目立つとある。今回は気を付けていた積りが又もや忘れ見失っている。

     弱い左足首に気を配りながら予定通り40分ほどで魚留橋にでる。
   橋桁下に落ち込む二段の魚留ノ滝を見つつ近ずくと橋口に抉り落ちる穴端にでる。たかが一年越だが懐かしい風景.
   「通行止」のコーンが1つ置かれていただけの所だったが.今は馬鞍が2つ改めて置かれ.危険と注意を促していた。

   右上から回り込む倉沢林道.8:42
    大分減った河原の倒木林

    倒木林
     前回右下の河原には山のように積み重ねられていた流木群は今でもあるにはあるが.自然の成り行きか? すっきりした形に治まっている。
   人力で処分した訳でもあるまいし.自然の流れで落ちたとも思えぬが。昨年はカメラ一カットでは撮り切れぬ量と場所を示していた。
   経った1年でここまで変わるとは? 分からぬ自然の強さを感じさせられている。

    滝入ノ峰1310.0m見通尾根
   高みの倉沢林道より.8:45
    背の石尾根は樽沢尾根と涸沢尾根
    右手が倉沢谷右岸山腹道から続く.幕岩尾根南東支尾根になる。

     左下の倉沢谷右岸の中腹には倉沢谷右岸に作業道が綴られている。手前の取付きには自生木で都内最大の大ヒノキがあり.
   廃村の倉沢山上集落を過ぎ.大幡沢.鳴瀬沢を渡り.水平歩道を進むと支尾根に突き当たる。
   間の植林帯は綺麗に枝打ちされていた。そして藪径に入り.突き当たる支尾根から幕岩尾根を詰めれば横篶山にでる。

    塩地ノ頭北西尾根の取付き
     魚留橋から林道を極端にUターンすると藪絡みの倒木から路面は落石が多くなり.地蔵橋の手前で「落石注意」の標柱を見ている。
   この右上の山側斜面には鳥屋戸尾根から倉沢谷に落ちる尾根の取付付ける所があった。

     下から見上げると木材の踏み台からロープが絡むよう張られ.急斜面を捩っり登っている。塩地ノ頭(シオジ窪ノ峰)北西尾根と
   結ばれているのだろう。末端の985m点から北側に延びる尾根は長尾谷のシオジ窪出合に落ちる左岸尾根。
   南側に延びる尾根はここが取付きにもなっている。一般的には右枝尾根の末端に本流とシオジ窪.共に取付きがあるようだった。

    地蔵橋
   渡り振り返る.8:52

     右下の谷間に棒杭尾根末端が没している。倉沢谷は塩地谷と長尾谷と二俣に分かれ遡っている。
   長尾谷に入る処が地蔵橋.右岸に渡れば棒杭尾根の取付きにでる。橋名板には昭和38年03月竣工と銘が彫られていた。

    棒杭尾根の分岐
   右手の長尾谷沿いが廃林道.8:56

     地蔵橋で右岸に渡ると長尾谷に変わり.林道からは右手に長尾谷を隔て.両側から尾根末端が挟み込む形になっていた。
   左側は棒杭尾根末端で.右側は塩地ノ頭北西尾根の末端。そこを抜けた広い河原からは左手から降りてきたきた脇道を登れば
   棒杭尾根に乗り.を詰め長沢脊稜にでられる古道。

     脊稜にでる手前の棒杭尾根1360m圏で.右後下から延びてきた尾根は前回訪れた左又窪右岸尾根。
   今回はその又右側(東)に並行している尾根を詰める。恐らく踏み跡はあるまい。脊稜の棒杭ノ頭から直接落ちる南尾根になる。

    廃倉沢林道
   右下は「山火事注意」の看板.8:57
    林道痕跡が残る倉沢林道

   左手の石垣と道路幅が林道の名残.8:58

     棒杭尾根への山道を左上に分けると倉沢林道の廃道に入る。傾斜が落ち.右手の長尾谷も穏やかな流れになるも幅広い林道は
   形を失い崩れ落ちている。又抜け落ち放置されていた「カモシカ保護地域.文化庁・東京都教育委員会」の標柱は側壁に斜めに
   そっと寄り掛けられていた。突き当たると右奥からシオジ窪が現れる。

    シオジ窪
   林道終点.ここから長尾谷右岸歩道が始まる.9:05

     シオジ・・廃道の終わりが林道の終点になり.シオジ窪に突き当たる。
   シオジは高さ30m.直径1mに達する落葉高木.日本の特産種で樹幹は真っ直ぐ伸び枝下は長く,断面は正円に近い。
   渓流沿いに見られ樹皮はやや褐色を帯びた灰白色。縦の切り裂き目は割合規則正しく.又小枝は太い。

     栃木県西部から西日本に至る温帯の古生層地域の沢沿いに分布し.日本海側には殆ど見られず立木の面積は小さい。
   秩父を中心に群馬,東京に掛けての谷間にシオジは発達しているらしい。ブナ林の優勢な冷温帯の山地でも.
   渓谷は寿命の長いシオジ.トチノキ.カツラ.サワグルミ.オシダノミ.イタヤカエデなどが派生し渓畔林が創られている。

    シオジ窪出合
   右岸山腹道から見下ろす.9:08
   右手が塩地ノ頭北西尾根の末端尾根の取付きで.青葉が育ち始めていた。

    倉沢林道終点とシオジ窪・・直接.棒杭ノ頭へ突き上げる尾根から目指す
    右俣長尾谷から棒杭ノ頭浅間前窪右岸尾根
    蕎麦粒山に立ち鳥屋戸尾根から松岩尾根を下り.山伏沢から川苔山仮登山口から下山