春雪被る御牧戸山(鳥井立)から安寺沢左岸尾根とまだ一面に雪残る大タギレ

 奥道志主稜.御牧戸山から道志川を隔てた丹沢主稜を望み.厳道峠を越えの安寺沢右岸尾根を分け.左岸尾根へ
    安寺沢左岸尾根に乗り.大タギレ・池之上・大船小舟から金波美峠にでて.石尊山・高見山と繋ぎ阿夫利山に立つ

   栗谷から御牧戸山北尾根
   大タギレから金波美峠を経て阿夫利山・・北丹沢の展望と大タギレの雪落とし
   井戸沢ノ頭から金剛山北東尾根

   御牧戸山東肩より.11:34

      道志主尾根から安寺沢左岸尾根
        11:21御牧戸山一12:00厳道峠へ分岐一12:24大タギレ一12:36池之上.昼食一13:34金波美峠一14:14阿夫利山
    道志主稜
     御牧戸山の山頂で休まず.東肩で丹沢山塊の展望を楽しみ.池之上で昼食を摂ろうと.ストック1本を取り.雪被る山稜を下ることにした。
   この残雪は先月の28〜29日に掛けての南岸低気圧の東進に伴う降雪。本来好天なら当日.クラブの仲間達と奥武蔵武甲山に親睦ハイクに
   参加する予定でいた。それが降雪後雨で中止になっている。高麗から見る里山も雪白く覆われたと聞いている。

     北尾根の登りでは斑に広がりを見せていた春雪は頂稜にでて雪原の台地に変わっている。頂稜にでて風はうねり.
   強い南風が道志川側から這い上がってきた。肩にでてからはスパッツを付け上着を被っいる。そして風の流れる樹間の絡みから抜けだし.
   裏側で1本取ると道志川の対岸展望が開かれた。風強く東方の肩に逃れ.南面の丹沢山塊の展望を仰ぐ。

    冨嶽. 御牧戸山東肩からの北丹沢山塊に乗る
   右景・・右端がヤラ尾根で手前鞍部が道坂峠.11:38
    道志川・道志七里を挟み菰釣山と御正体山を前衛に迎えた富嶽を仰ぐ。菰釣山裏側右下が山伏峠

    甲相尾根の大室山・加入道山
   中景・・御牧戸山東肩より.11:38
    右奥に聳える菰釣山を経て甲相尾根は山伏峠へと連ね.山中湖を囲む三国山稜と結ばれている。

     大室山東尾根,茅ノ尾根,北尾根.間に挟まれた麓に大室指の小さな集落. 更に右の尾根が前大室のヤケハギ尾根になる。
   繋ぐ山腹道が林道大室指椿線。道志七里を繋ぐ道志村にあり.道志川を隔てた対岸の台地に.その一片を現わす笹久根・大室指の集落が見下ろされている。

     淡く春雪被る大室山の山稜は道志側なら何処からも見える山だが.ここでは比べものにならぬ,大きな山容を誇る姿で現わしていた。
   道志川左岸の道志主稜からは常に.雄大に構える大室山が真近に望め.特に東北側からは重厚感ある広大なな山容で眺められている。

     又この山体は武蔵国や相模国の一部からは富嶽が見られないことから「富士隠し」とも呼ばれ.上州の「浅間隠し」と似た立場で聳えていた。
   況して笹尾根を綴る末端の高尾山からは悠然と独立峰的な眺めとして遠望されるが.対峙して真近から繊細に見られるのはここだけかも知れない。
   道志村では山体そのものが信仰の対象とされ.幾つもの大室神社が祭られている。

    神ノ川流域の丹沢主稜の山並
   左景・・左岸の支流が日陰沢.11:37
    丹沢の最高峰.蛭ケ岳と檜洞丸・・右手が大室山の東肩

     中央に主核が聳え.左端は袖平山1431.9m。右下に風巻尾根を派生させ.末端は神ノ川へ没している。
   5.6年前に息子夫婦とこの尾根を詰め.平丸いやしの湯に下っている。道志川沿いの下流上流は大渡の集落。望めぬが神ノ川出合付近が津久井青野。
   更に見えぬその下流側隣りが月夜野になる。・・2016年11月に道志菜畑山から見た北丹沢の展望

   手元にはダンコウバイの淡黄色の小花が春の強い南風を受け.風任せに大きく揺れ動いていた。

    丹沢主脈・・黍殻山1272.8mと袖平山
   左景2・・道志主稜より.11:50

    阿夫利山を雍する安寺沢左岸尾根
   前道志.細野山手前の伐採地から・・2012.03.14/12:40

     背景の丹沢主脈に並行する手前の尾根が安寺沢左岸尾根。その上の阿夫利山から突き上げる先に頂が御牧戸山。
   矢平山北西尾根から倉岳山北東尾根倉を繋いだ折.秋山川左岸の細野山手前の伐採地から下流を望んだ時と同じような景観が続く。

     これから安寺沢左岸尾根伝いに大タギレの底に下り.登り返して池ノ上から阿夫利山へ至る。
   阿夫利山を雍する尾根は主稜から秋山川右岸尾根を綴っている。又尾根二又の裏側から見ると安寺沢左岸尾根になる。

     秋山川沿いに手前から見下ろと尾崎.神野.古福志.富岡と点々と続き.各々の集落に秋山街道が縫い綴られている。
   又手前右端は秋山二十六夜山の東尾根。

    オオタギレと厳道峠の分岐
   正面の右岸尾根は厳道峠への頂点であり分岐.12:02

    大タギレ
     直ぐ御牧戸山の東側尾根分岐. 厳道峠方面へ向うと1000m圏小コブを越え細尾根を過ぎ.北側を囲む植林の中に入いると大タギレへの分岐にでる。
   「←がん道峠」と立木に掛り.この間々尾根伝いに下れば安寺沢の源となす厳道峠にでて.越えれば右岸尾根に乗る。
   その峠の手前に左岸尾根に取り付く分岐がある。

     取り付きには「秋山村分収造林地」の白い看板と少し離れて「赤い三角形」の目印に赤く塗られたコンクリート抗がある。
   更に手製の小さな道標にはこれから進む「←池の上・阿夫利山」.「↑厳道峠」とが立木に示されていた。

     尾根筋の肩から左下に尾根と外れる感じで.足元から落ちる取付きがあり,ここから北面に向う尾根は「断ち切れた」.
   或いは「途切れた」と云う地形に変わり.大タギレの足元からは植林と雑木との林層の境を下るようなった。

     樹林満る急勾配の斜面に.対峙する池之上が見定められぬ為か? 尾根を分けて谷間に落ち込む感覚を持ち降りている。
   地図を読まなければ登り返す山への感覚は浮かばなかっただろう。

    安寺沢左岸尾根に取り付く・・大タギレの斜面
   残雪覆う北斜面を約230m下る.12:03

    大タギレを下る
     何とも見定められぬ一線を引き尾根が途切れている。尾根が二又になるんぽが分かりずらい場所。
   側壁のような所で.一方が鞍部に落ちている。この大タギレは極端すぎて.何か印なり.マーキングがなければ分かりずらい地形になっていた。
   まして濃霧になれば.周りに見定めるものがなければ尚更分からないだろう。

    雪斜面
     中途半端に春雪が乗る大タギレの大斜面を下る。向いの対象山容が分からぬことから.一歩踏み込むには何処に下るのか不安を掻き立てていた。
   昼になりやや大地は緩み.ステップは楽になるが.音もなく潜り崩れる雪。薄い残雪の下は落葉が積る急斜面に出偶わしていた。

     バランスよく下れば見えぬ落葉に滑り.滑れば何処まで落ちるか分からない。春雪がなければ今度は落葉崩しの
   急斜面を転げ落ちることになる。疎らな立木に支えを求め,1本のストックを頼りにジグザグに滑り落ちた。
   残雪のトレースはあるかないかの薄さ。新たな踏み跡がトレースとなり.春雪を崩してゆく。陽光が雪面を煌めかせ.そこに靴跡を添えれば雪溝ができた。

     下る斜面の先が分からず.赤テープのマーキングに助けられる。ただ少々.マーキングが目立ち過ぎて多い。
   登山道と異なり控え目が必要な場所。それが付けた人には分かっていないようだ。見えるか見えぬ小枝なり.幹に巻く.小さなテープを探すのも快い。
   見ずらいが不安になりそうになると現れるのが好ましい。それでも見てしまうのが常.この大タギレの斜面は主尾根より更に多くのテープがあった。

    池之上
   大タギレを隔て向かいに見えだした池之上.12:14

     850m付近から右手に折れ左岸尾根の鞍部230mほどの大タギレを下る。
   東面は安寺沢の源流にあたり.一度北東へ深く落ち込んでから登り返し.新たな尾根に乗る感じで池之上へ登っている。
   ここ大タギレに踏み跡を残せば金波美峠を越え.阿夫利山を目指すルートが開かれている。

    丹沢主脈と安寺沢右岸尾根
   大タギレの急坂を10分ほど下った鞍部からの展望.12:24
   安寺沢の源流右側が大タギレ.厳道峠は右上

     滑り落ちるよう下るとアッと云うまに尾根筋が曲り.右手に深く窪む池之上手前の鞍部が見下ろされた。そこは全くの裸土。
   右手に折れると残雪も薄れ.鞍部底では全く消え伏せている。折れて斜面を下る折.安寺沢側の対岸.右岸尾根に
   佐久間東幹線の鉄塔群が望まれ.チラットと林道も見下ろされている。「林道に至→」の道標もある。

     大タギレは791m.高度差210mほどの落葉落としになっていた。周辺が伐採された鞍部.大タギレが安寺沢の源流にあたり.
   隔てる背は綱子沢左岸尾根。右手を指す手製のブレート「林道に至→」には林道金波美線への踏み跡が示されている。
   水平歩道の踏み跡は先の急斜面で途切れ失われていた。枯沢を下ると地図に記載されていない立派な作業道が現れ.林道安寺沢線と結ばれている。

    池之上の平頂
    12:38

     昼食・・雪の斜面を下り返した対岸の登りも壁のようだった。「池の上→」とあり.登りは伐採されたボロボロに崩れる斜面。
   丁度疲れどき.バテて足が出ねば困る。この登りだけは足元も見詰め.時には立木を支えに一歩.一歩,丁寧に停まることなく足を出すことを繰り返している。
   そして「銃猟禁止区域」の赤いプレートだけが立つ.土の乾いた小広い池之上の頂に届く。高度計を850mから874mに訂正.鞍部からほぼ10分。

     倒木に乾いた大地にコンロを求め.昼食を摂る。今回もキツネ月見うどん。湯を半ば沸かし麺を解し.味汁は少し残して油揚げの汁は絞り落す。
   そして豚のスライスに長ネギ.白菜を加え.程よい時に卵を落とした。火を落とし新菊を加えればアルミのナベはあっという間にできあがる。
   熱いうどんを食べる。今回は最後に入れた新菊が抜群に美味かった。足場が確りしていたので.その間々コンロから食べている。

    大船小舟
   檜の植林帯.13:16

     ストックを2本に変え.緩やかな尾根を金波美峠へと目指す。池之上から1つ東側の小さなコブ.大船小舟803m点は植林帯の中。
   この右手に入ると主尾根から離れ植林帯を抜けると池之上東尾根伝いに安寺沢側に下りる径路がある。
   踏み跡から下半は作業道があると聞いている。阿夫利山を眺められる快適な尾根歩きが楽しめるようだ。

     地形図「大室山」の一車線に表示された林道安寺沢線と金波美線との合流点から峠道に入り.左側に大きくカーブする
   20mほど手前が取付きになる。又586m点の西方の580m圏コブ付近には新たに金波美沢沢を渡る林道金波美線から
   支線の造林用林道が上がっているようだ。尾根伝いから北側の林道にも入ることができる。

   赤松林を抜け.13:20

    金波美峠
   峠上の林道に下る分岐点の赤柱.13:43

     金波美峠までは小さなアップダンを繰り返し.大船小舟603mを過ぎ.尾根筋が左に折れると檜の中木帯が綴られていた。
   正面に秋山CCを見下ろし.再び右手の主尾根に入ると右手の窪地は金波美沢側の源流になり.沢状の地形が広がりを見せている。
   左手の崖状に落ちる斜面の尾根筋を進むのが無難。金波美峠にでて市の道票に従えば共に林道の北側に降り.神野側のトンネル口西詰にでられる。

    金波美峠
     秋山川.秋山街道神野と安寺沢川安寺沢を結ぶ峠路。現在は地形図「大室山」にも表示されている林道で.
   神野から林道神野栗谷線に入り.林道金波美線で金波美トンネルを潜り.安寺沢林道と結ばれている。又上流側は峠で厳道林道と繋がれ.
   大渡から国道413号線.「道志みち」に合わさっていた。下流側は舟久保にでて.奥牧野.秋山街道に至る。

     金波美峠の左に下って安寺沢へ,真っ直ぐ登って阿夫利山へのコースは2010年版「山と高原」地図に赤実線で表示れるまでになった。
   又峠には市の道標が付けられ.確りした踏み跡は登山道として迷う心配はなくなっている。

   金波美峠方面を振り返る.13:59

    石尊山718m点コブ
   漸くスズタケの茂みに.足元には紫のスミレを見る.14:02

     718m点は特徴のない尾根の一部分.地形図「大室山」では山頂から金波美林道に向い窪状を下る破線路が表示されていた。
   ここで再び古い熊の糞を見て.明るい日差しに酔うシオドシチョウが舞う姿をも見ている。

    安寺沢右岸尾根・・北面上流側
   右上景・・左岸尾根.高指山手前で.14:09
   880m圏コブ.中央がムギチロ903m.885m点コブの先は厳道峠になる

     718m点コブのある穏やかな特徴のない尾根を過ぎると尾根筋の右手に広がる金波美沢左岸流域は.
   はっきりした尾根の山腹の広がりを見せている。本流の源頭は厳道峠。その右岸に延びる大らかな尾根が
   私の居る左岸尾根と並行していた。・・左手奥は袖平山.

     1989年の古いツーリングマップによると安寺沢川沿いの林道は「久保秋山安寺沢林道」と呼ばれ.「厳道」の文字はなかった。
   久保は道志村側の林道の起点で.峠を挟んだ全線を指している。現在は単純に「安寺沢林道」は秋山村安寺沢から道志村久保までの区間になる。

    安寺沢右岸尾根・・北面下流側
   左下景・・左手鞍部が平野峠.14:09
    背の丹沢主脈は黍殻山1272.8mと袖平山

    佐久間東幹線
     左端の小さな窪みが平野峠,綱子川の源となり.右上に詰めて832m点コブ。安寺沢側に突き出した台地は678m点コブ。
   見ずらいがその手前にJ-Power(旧電源開発)の佐久間東幹線353号鉄塔が建ち.北面の尾根山腹を東方へ縦断している。

     この送電線は天竜川の佐久間ダムを起点とし.佐久間で60Hzから50Hzに周波数を変換し.西日本から越境してくる275KV送電線。
   一部は新富士変電所を経て山伏峠.厳道峠を抜け.この台地から網子峠先の356号鉄塔で尾根を横切り.
   宮ケ瀬湖を跨いで.高取山の尾根を越えている。

    林道安寺沢線
     右下の直線の溝は安寺沢沿いに走る林道安寺沢線.上流は厳道峠を越え道志川沿いに久保,野原へ。下流は秋山川.舟久保に至る。
   厳道峠から下る安寺沢右岸尾根は東方へ流れ出す網子沢の源にもなる平野峠に結ばれ.上野原市・藤野町・道志村の三境になっていた。
   秋山では月夜野峠.道志村では臼久保峠とも呼ばれてもいる。

     又林道安寺沢線から平野峠へは金波美林道の分岐から50m手前で.佐久間東幹線354号鉄塔の巡視路を辿ればよい。
   林道の途切れた左端付近からは林道の支線が手前の金波美峠を越え.秋山街道の神野と結ばれている。

    阿夫利山
   高見山710m圏コブの巻き地点から見上げられた頂.14:16

     石尊山を越えて高見山710mへの登山道は南側を巻いていたる。その角から望んだ阿夫利山。左に回り込み.
   落葉積もる山腹道から痩せ尾根を抜けると巻道のある小さな尖ッ突きがある。ここを直進し阿夫利山北尾根を下れば神田木橋にでられる。
   右に折れれば巻道と合わさり.偽山を越え阿夫り山729mに立つ。

     栗谷から御牧戸山北尾根
     大タギレから金波美峠を経て阿夫利山・・北丹沢の展望と大タギレの雪落とし
     井戸沢ノ頭から金剛山北東尾根