湯檜曽川源流地形図 谷川岳西黒尾根 1964年08月. 巌剛新道より谷川岳西黒尾根 1965年12月. 西黒尾根〜蓬峠越え.初めての冬期谷川岳 1966年10月. 谷川岳マチガ沢東南稜.西黒尾根下山 1966年12月. 冬期西黒尾根.sLとしてトップを歩む 1968年12月. 冬期西尾根.Lとして先輩.後輩と 2010年05月. 42年振りの西黒尾根と天神尾根.天神平 積雪期谷川岳概略図 谷川岳西国境稜線 1966年06月. 三国峠から平標山を経て谷川岳天神.田尻尾根 |
新潟県中越国境地区Top 新潟中越地域Top 湯檜曽川流域 1964〜2010年.谷川岳西黒尾根 1966年04月. 白毛門.降雨の雪上訓練 1966年06月. 土樽から茂倉岳矢場ノ尾根を経て白毛門・・馬蹄形山行 1966年10月. 谷川岳マチガ沢東南稜 1969年12月. 笠ヶ岳大倉尾根から白毛門 1971年07月. 樺沢出合で野宿.湯檜曽川裏七ッ小屋沢・・蓬沢下降 1973年08月. 赤谷川小出俣沢右俣.生津俣川大窪沢遡行.谷川左俣下降 1971年12月. 武能岳東面.ザイルワーク訓練 2012年05月. 雨天と競争した白毛門ピストンと大峰山.吾妻耶山 |
| 夏の谷川岳西黒尾根T マチガ沢で迷いザイルで降ろされる 静かな西黒尾根 マチガ沢旧道出合 |
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| 谷川岳西黒尾根・巌剛新道よりマチガ沢へ迷い込みピストン 国鉄上野=土合⇔西黒尾根. 土合から谷川岳西黒尾根・・s39年(1964年)08月.単独 マチガ沢出合へと湯檜曽川右岸沿いの旧道を遡るうち夜が明けている。 上越国境への鈍行夜行列車の旅.一人での夜行長距離は上越地方では初めてのことだった。 御徒町駅から上野駅まで昭和通りを一駅歩み.勇み足で我が家をでている。 ホームに入線した最終列車の車内は満杯に溢れるほどの登山者を乗せて.板東平野を横切る。 うつろに目覚めた夜半,列車は沼田駅ホームに入り.吐き出すよう尾瀬へと登山者を下ろしている。 車内は空きの座席が目立ちだし.そして土合駅でも.どっと吐き出された僕等。車内には数えるほどの乗客に変わっている。 旧道に入ると人影も疎らになった。エレキを頼りに闇に入ると侘しいのか,孤独感を感じ心が揺さぶられる。 先が分らぬ不安とは違っていた。闇に一人でいること自体が周りの雰囲気に不安を積らせていた。 自分のライトに映された影が動けば.それだけで何か化ものが襲って来るのはと気に掛かる。 漸く訪れた上越国境の山々. 西黒尾根の末端を回り込めば.マチガ沢の登山道口は直ぐの筈だが。 |
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西黒尾根.樹林帯を抜け |
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| 初めてのザイル 巌剛新道はマチガ沢出合手前から細い登山路がマチガ沢右岸をゆっくりと綴っている。 僕は巌剛新道から西黒尾根に取り付く積りでいた。ただ最初から西黒尾根の取付きで登山道を見失っていた。 沢を遡り間違いと分かった時は既にマチガ沢底の中央を大分攀っていた。 出合から望めるジンセンの岩峰から張り出す支尾根でS字にくねり.谷川岳に延びている本谷あたりだろう。 登ったとは云え降りるに降りえぬ灘場.動けずに居るところ登攀パーティに助けられる。 知らずとは言えマチガ沢の中央スラブを黙々と攀じり登っていた。そして動けなくなり不安で.前進も後退もできず.行き詰まる。 スラブ中央の窪地.上部は急激に高度を上げ攀じったものの.振り返り谷底を覗き込めば深く抉られ谷へ落ち込んでいる。 背筋に寒いものが走り.足踏みするだけで.一歩も動けなくなっていた。 クライマーに救われる。 初めてザイルを結ばれ下ろされた。偶然出会ったクライマーはさぞ驚いたことだろう。 誰が見ても素人のハイカーが一人.身動きできずに立だづんでいた。 彼等から「如何した!」と声が掛かり.助けを求めた。怒りもせず「大丈夫!」だとザイルを解き僕の体に絡める。 登ったが動けぬ不安に.ザイルは凄い安心感を抱かされた。 まとまれたザイルを解き肩に絡め,僕を確保する。そして「胸を張り.ザイルに寄り掛るよう降りろ!」と指図された。 安心感から再び.不安が募る。知らず登ってきたとは云え.足元下は見るかに傾斜を持っていた。 ザイルに寄り掛かるには勇気がいた。 「岩と体を離し靴底をフラットに!」と云うが.出来るはずないが頑張る。滑れば落ちる。 簡単にスラブ下に降ろされるも.一人では如何しようもなかった。知らぬことの恐ろしさを知らされた。 2年後のマチガ沢.マチガ沢東南稜 |
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肩付近よりトマとオキの耳 |
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| 西黒尾根 気を取り直しマチガ沢から西黒尾根を登る。巌剛新道は昭和29年に地元営林署の職員.巌さんと剛さんが開いたルート。 時間を気にしつつ黙々歩いた。焦る気を押さえ,自分の歩調に合わせ尾根伝いの樹林帯を抜けている。 尾根上のラクダのコルに飛び出すと視界が一挙に開け.尾根筋の右手下にはマチガ沢の全貌が見下ろされた。 そして逆の左手には西黒沢から天神沢に大きく回り込んだ先には天神尾根が広がりを見せている。 岩稜帯に踏み込むと又漸く自分のペースを取り戻していた。初めて見る頂を目の前にして気は踊り.ワクワクとはしゃぎだいる。 山頂 遅い頂.谷川岳トマノ耳1963.2mには他の登山者は少なく静かな頂だった。暫くするともう頂には誰一人もいなくなる。 晩夏を思わす陽差しに吹く風が快い。自分の知る限りの山々が頭に浮かび.足元には深く谷間が口を開けている。 同じコースで西黒尾根を下っている。下りがてら朝方の行き詰ったスラブの沢底を探したが分からなかった。 西黒尾根と岩稜に挟まれたマチガ沢を覗き込むも.全てがその場に思える。 谷川岳と云う言葉に負けていた。 初めての山域.夜行と一人旅の不安もあった。ただ谷川岳の響きに憧れ.山の大きさを知り.心は満ちている。 尾根から旧道に戻り.じわじわと何時もの下山の歓びが湧き出してきた。 これは頂に立てなくとも.常に湧いてくる下山の安らかさ。緑茂る裾野の台地を踏み締めて.じわじわと歓ぶ声が湧き上がる。 列車の汽笛が聞こえてきた。もう土合の駅も近い。 |
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