中道志.月待ち信仰の山・・秋山二十六夜山(道志二十六夜山)

     山名は江戸時代盛んになった旧暦の正月と七月二十六日の夜に.人々が寄り合い飲食などを共にしながら月の出を待つ.
   一種の二十六夜山講で.麓の村人達による二十六夜待ちの行事に由来する。ただ私は今まではズーと満月だと思っていた。

    2013年03月. 穴路峠越えし棚ノ入山北尾根から秋山二十六夜山―寺下峠越をしコゴマ沢右岸尾根から塩瀬・・前道志越え
    2017年06月. 松山(赤岩)北尾根左支尾根から都留二十六夜山西尾根.引野田から富士急赤坂駅・・都留二十六夜山

     前道志を越え秋山街道を下り返し.秋山川と支流の玉ノ入川を隔てる分水嶺に聳える秋山山稜を綴っている。
   棚ノ入山北尾根を詰め.展望を楽みながら三日月峠から二十六夜山―東尾根からヘンドー沢沿いを下り.下尾崎から再び前道志を越える

    小篠から穴路峠.を越て棚ノ入山北尾根
    中道志.三日月峠から二十六夜山山.同東尾根から下尾崎・・前道志・玉ノ入川流域の展望 
    寺下峠越えの前道志.727m圏コブ北尾根右又から峠越の登山道

   棚ノ入山(東肩)への径.稜.11:12

    棚ノ入山から二十六夜山越え
      秋山街道赤倉バス停一棚ノ入山北尾根取付き一9:49(730.6m三角点コブ一11:08棚ノ入山一11:58三日月峠
      一12:10二十六夜山分岐.大休止⇔12:34秋山二十六夜山. 一12:43二十六夜山仏塔一13:29秋山街道下尾崎.

    秋山二十六夜山
   左景.棚ノ入山東肩より.11:27
    棚ノ入山東肩より切り開かれた展望

    展望
     秋山二十六夜山の右側に連なる尾根は坂崎バス停から遠所林道を経て.富士東部(南)林道の東から詰める東尾根。
   手前の尾根は林道の東尾根から玉ノ入川を辿りヒモシド沢橋から右上に擁壁を綴って.頂近くの東尾根に乗る。
   林道は山中湖の道志村に繋がる予定だが未定とのこと。又秋山二十六夜山の手前西側の鞍部が三日月峠になる。

    開かれた展望
     棚ノ入山の東肩に進んで北側に急下降すると右前方に伐採地が広がり.突然二十六夜山が幾重の山並を越え.
   目の前に飛び込んできた。緑の帯は植林帯を示し.茶色の山肌は冬木の自然林と林相の違いをはっきり分けている。

     右手に目を移せば秋山の主稜として.玉ノ入川を隔て.大らかに延びる道志主稜の山並が開かれる。
   この先は地形図では.ほぼ北東へ真っ直ぐ進めば二十六夜山を越え.尾崎の集落に下りられる。

    玉ノ入沢流域と旧秋山村の山並
   中景.秋山川左俣の玉ノ入川流域に入り.安寺沢左岸尾根に乗る阿夫利山を望む
    左岸は二十六夜山の山腹で.右岸は奥道志主稜が連なる

    玉ノ入川流域
     二十六夜山の右袖には秋山川右岸の支流.大ノ入川が眼下に落ち見下ろされた。
   谷間には点々と続くリニアモーター線の新線工事現場で.各々の現場の山肌は白くコンクリートの壁で刻まれている。
   リニア線を綴る鉄橋に.地上に筒状に造られたような擁道が点々と眺められ.大ノ入川林道も沢沿いにも綴られていた。

     その下流正面に塞ぐのが独立峰の如く1つの山塊を思わす阿寺沢左岸に聳える阿夫利山。
   大きく扇状に袖尾根を広げている。阿夫利山の裏側に乗るのが金剛山.手前の広く抉れた谷間が金波美峠。
   山之上北尾根に手前に重なる御牧戸山北尾根。更に長尾北尾根と続く。

     更に遠方彼方には藤野地区の石老山と石砂山から延びた山並になる。過って高尾山から南面に望んだ山々。
   初めて一見する棚ノ入山からの山域は私にとって贅沢過ぎると同時.今だ未知の眺望になっている。

    赤鞍ケ岳から長尾山への主尾根
   右景.玉ノ入川流域と右岸・道志主稜の山並.11:30

     主稜の長尾北尾根から御牧戸山(鳥井立)北尾根. 後に真っ端右支尾根から詰め.阿夫利山山を下っている。
   又山之上北尾根の頭が望め.更に下流側は阿夫利山(高見山)北尾根。

    赤鞍ケ岳(ワラビタタキ)1257.0m
   玉ノ入川源流・・間近な主稜

    朝日山(赤鞍ケ岳)1299m
   玉ノ入川源流の山

     二十六夜山を隔てる大ノ入川が深い谷間を創り.更なる右手には道志の主稜が更なる大きな高みで構えている。
   道志川左岸尾根が長尾山から赤鞍ケ岳.朝日山と連なり.道志の主稜は今倉山から御正体山を経て山伏峠へと登り詰めている。

     朝日山へと連なる頂稜の山腹に並行して林道がうねり.延々と山肌深く刻まれている。
   それは山の凄味み以上に異例な奥行のある姿で望まれた。主稜に圧倒され築かれた林道。

     眺めていても.心地よい風景ではなかった。点と点を繋ぐスーパー林道ならば尚更.一考する思いがある。
   東肩から少し下れば更なる朝日山と呼ぶ岳が大きく競り上り.見上げられるようなった。

    朝日川に流れ込む右俣の大旅川流域
   左景.肩から下った北側の大きな崩落地より
    大ダビ山でなく日向舟927m.

     白銀煌めく南アルプスが霞み見渡されている。背左手からは御坂山地の高川山に鶴ケ鳥屋山。
   中央が大菩薩嶺南端に当たる笹子雁ケ腹摺山.次第に大きな山容になるお坊山から滝子山。

     急なガラ場を940m地点まで下り.北東に回り込む辺りで雑木が混ざり.今度は今まで望めなかった北西面が開かれた。
   大桑山,高畑山から倉岳山へ続く尾根の西端の展望になる。10日前に鈴ケ尾山北尾根歩んだ山域だった。

     背には御坂山地北面の山々から南大菩薩連嶺.その奥が白銀煌めく南アルプス,右手に寄り奥秩父連峰になる。
   この開かれた全景を見終えると鞍部からカヤノ沢ノ頭を越え.再び檜林に閉ざされた深い植林帯の林層の中に踏み込むようなった。

    朝日川左俣の大平川流域
   中景.910m付近のカヤノ沢ノ頭ガラ場より
    背は東タンノイリ沢流域大桑山.高畑山と倉岳山。左前は登ってきた棚ノ入山北尾根。

     背は南大菩薩連嶺・楢ノ木尾根. 右手奥が飛龍山.欠ける雲取山.
   穴路峠は手前の明神山に隠れている。西タンノイリ沢を隔て.源流は楢山沢.穴路沢.フジノタ沢。

     鞍部手前のガレ場を下ると倉岳山と大桑山の南面が姿を現し.更に下ると表道志.西側に聳える山々が望まれた。
   その背は大菩薩の主稜線が横たわり.右奥中央が権現山稜になる。

     秋山川左岸の前道志の山並
   右景.崩落地より

     前道志の倉岳山から矢平山間の主尾根と背は権現山から雨降山.更に東へ延びる尾根で.その右奥が笹尾根。
   更なる中央から右手の遠方には三頭山からの町界尾根に乗る御前山と大岳山が大きな山容を現している。

     ここ東肩から見渡した二十六夜山へ山稜は登ってきた棚ノ入山北尾根と同様,最初は並行するかのよう延びた尾根は
   急激に高度を落としていた。小さな露岩に根混ざるガレ場になる。登山道は幅広く不安はないが落ちる傾斜は強い。
   右手.南面沿いは一面伐採され,自然林が広く開かれ.素晴らしい展望台になっていた。

     前方.二十六夜山に続く左景の中央東線沿いの表道志の山々が連なり.大きく開け見下ろされるようなる。
   細野山辺りから東方に延びる前道志の山並が連なり.桂川対岸の丘陵台地も部分的に見え.時間があれば点々と探ることができるだろう。

     昨年は初めて前道志の山並に触れ.細野山右脇の伐採地跡から雪白く被る秋山山稜を望んでいる。そして二十六夜山には
   再び訪れなければと決めた山行でもあった。前道志の背後は権現山稜から遠く.笹尾根.奥多摩の山並まで至っている。

    三日月峠(サンミョウトウゲ)
   秋山川浜沢とを結ぶ峠道分岐.12:00

     登山道に導かれ887m圏で右手に折れ.薄暗い檜の植林に覆われた尾根の尖ッ突き910m点を横切っている。
   ここには裏を向き「←二十六夜山.赤鞍ケ岳→」のL字の道標が立ち.背側の小尾根からは谷間の大ノ入沢(玉ノ入沢)へ
   下る確りした踏み跡が綴られていた。

    三日月峠
     秋山川に落ちるサルイ沢は最後のツメは更に薄暗い木洩れ日の檜の樹林帯の中で.狭く抉られた所に三日月峠があった。
   名からして立派な峠と考えていたが狭く抉れたT字の峠路。月光を確認するほど広い樹冠の広がりもない。
   三日月峠からは946m圏コブの南側を回り込み.777m点を通って秋山街道浜沢と結ばれてもいた。

     峠名から考えると月待の日は新月から数えて26日目の三日月を指している。二十六夜山が近いことから名付けられた峠であるまいか?
   古くから利用されている歴史を積んだ登山道だった。更にやや登ると5分ほどで無名のコブにある分岐にでる。
   左手に延びる枝尾根の946m圏コブを越え.西方の鞍部で峠からの登山道と合わさっている。

    南面からの倉岳山
   右下は南麓の浜沢の集落

     里へ下る山径を左手に分けると棚ノ入山東肩から見下ろした林相どうり.左側は再び自然林.右は檜の林層の境を歩むようなった。
   植林帯を抜けた冬木林帯の途中からは先程の三日月峠から下った倉岳山に抱き込まれた南麓の浜沢の集落が見下ろされる。
   ほぼ平坦な緩やかな尾根が続く。植林帯の陰を踏みながら落葉径を進むと二十六夜山が現れる。

    老若揃う松の枝
   大休止の頭上.12:28〜12:40

     二十六夜山への分岐手前で秋山川へ下る尾根径を分ける.少しズレた十字路にでる。
   二十六夜山971.8mを踏み越えれば892m峰から戸津沢を挟むよう2本のルートに分かれ.道志川遠所の集落に下れた。

     尾根上は木漏れの日の日差しに恵まれるも.流れゆく西風は冷たい。尾根幅が広がり二十六夜山が近づくと風を遮る所にでた。
   木洩れ日に風を避けた二十六夜山の分岐にでる。その脇に腰を降ろす。頭上は松の枝々が空に這い上がり.
   蒼空の延びるよう描かれている。眺望はないが見方によってはよい風景だ。1本取り大休止する。

    秋山二十六夜山
   高ガネ山971.6m.頂の北側は雑木.西側は檜木林.12:34
   背は右方が舟山818m・・前道志の稜線.特に寺下峠〜立野峠間の南に秋山川を隔て対峙するのが二十六夜山。

     秋山二十六夜山は上野原市の南西に位置し.高金山(高ケ嶺山)と呼ばれ.通称二十六夜山と呼ばれていたものが定着したもの。
   高ガネは高金・高ケ嶺・高鐘名だと書かれ.尾崎二十六夜山とも呼ばれ.もう1つ都留二十六夜山がある。
   二十六夜山の由来と同名の都留二十六夜山

     昼食後.時間も見定めず適当に空身でピストンする。2つ目の峠を越え.今2つ目の頂に立っている。
   頂には疎林に囲まれ.南側は檜の植林帯.古い山名票に3等三角点標石と山梨百名山の標柱があった。
   誰も居ぬ頂.今日も擦れ違うハイカーとは会わず.それだけで贅沢な気分を持ち.のんびりした気で長閑な時を過ごしている。

     北側は雑木,西側は檜の中木林で.冬木の被う梢越えからは秋山川を隔てた前道志.舟山の大らかな曲線が正面に対峙するよう望まれた。
   その向かいまで辿れば本当の下山が待っている。ここから下尾崎へ下り返し.舟山付近の北尾根を桂川に向い下る積りでいる。
   日も延び.本来なら日向ぼっこするによい季節になっていた。風さえ避ければ日差しはポカポカ陽気。

     又ここから直接延びる東尾根を詰めるには板崎バス停に下車。戻り板峠橋から遠所集落へ.林道から富士東部(南)林道とぶつかると.
   左(東)に進み東尾根末端に取り付く。又玉ノ入川ヒモジド沢は二俣からは右俣に入り.右尾根に乗り東尾根ツメにでている。

   遠方に望む中道志の日向舟と秋山二十六夜山
   朝日馬場.石船神社前より.・・2013.0401/2:01

      朝日川二俣からの展望・・右俣大旅川
   旭小学校の校庭角の桜並木手前から左俣の大平川が街道の下を潜り朝日川へ流れ込んでいる。
   正面の山並は前道志.高畑山から雛鶴峠越えの日向舟で.今朝は手前の高岩から高取山の尾根に折れている。その右奥の高みが秋山二十六夜山.

    秋山二十六夜石塔
     12:43
    雑木にある野ざらしの石碑

    二十六夜塔
     山頂の北西100m余り離れた雑木の平坦地に二十六夜の石碑がある。
   この石碑の裏には無性野(ムママノ)から神野までの秋山川上流の十一の集落名が刻まれ.明治二十二年七月吉日の銘がある。
   山名の由来は月待信仰からきている。二十六夜は十五夜や十三夜と並ぶ月見の一つで.この石碑もその名残りになっている。

     平安時代から行われた二十六夜月待ち信仰の遺習は江戸の終わりから明治にも盛んに行われていた。
   旧正月,一月二十六日と七月の二十六日の夜半.御前3時頃に昇る下弦の三日月の光の中に.浮かぶ弥陀と観音勢至の三尊を拝むと
   幸運を得ると言われていた。

     旧暦の1月26日日は新暦の3月01日にあたる。又二十六夜山の案内板はこれから下る尾崎地区の登山口にあった。
   二十六夜山の由来と表道志細野山東側の伐採地から二十六夜山を望む・・2012.03
   石搭から地形図の破線を追うと直ぐ二重山稜になり.左後方に山径を分け.北西に斜面を巻きサイル沢を下降・・浜沢

    二十六夜山東尾根
   下尾崎に下る尾根伝いの道

   ヘンドー沢出合付近.13:14

    下尾崎
     760m尾根から山径に導かれ沢沿いに下る。この流域は以前台風の影響で大分痛められたらしいがその面影もなくなっている。
   涸れたヘンドー沢沿いを何度か横切り尾崎の集落に降りている。水道施設を見ると集落の一番南側の民家前にあるコンクリートの小橋にでる。
   ここは獣害棚を兼ねてをり.開閉して渡れば集落にでられた。

     向かいには乾き切った明るい大地が広がり.集落から舟山を見上げると桂川側とは異なり.急峻で以外と大きな山容として見上げられた。
   送電線都留線の鉄塔の脇を抜けて.T字の突き当たりを右手に折れ.道沿いに下れば林道南線から直ぐ秋山街道にでた。
   出た所が下尾崎のバス停になり.2つの林道と秋山街道が横切きる十字路になっている。

     又北の尾根から下尾崎へ下る場合は途中の578m点の枝尾根に入らぬよう古峯神社の高台にでる。
   山道を下ると「小峯神社山道」の石柱があり.林道南線から街道にでている。

     十字路には二十六夜山の案内板に2つの林道の起点標識が立てられ.明るい日差しに照らされていた。
   上野原駅への路線バス停があり.向かいが秋山川下尾崎橋。林道北線に入れば.途中に道標があり.寺下峠へ最後の登りに入る。

    尾崎地区の秋山川対岸の前道志南面の山々
  

     中央が舟山818m.寺下峠.丸ツヅク山763m
   舟山から北側に下り.最初の小さな鞍部の裏側辺りが727m圏コブ北尾根・・これから乗り越す大平沢コゴマ沢左岸尾根になる。

     手前が送電線都留線(新山梨変電所〜谷村町変電所)の12号鉄塔(鉄塔の表示番号)細野山東側の伐採地からの12号鉄塔
   尾崎の集落より.右下が下尾崎.12:23

    小篠から穴路峠を越て棚ノ入山北尾根へ
    中道志.三日月峠から二十六夜山.同東尾根から下尾崎・・前道志・玉ノ入川流域の展望
    寺下峠越えの前道志.727m圏コブ北尾根
右又から峠越の登山道へ