草津の里山.石尊山trainingと北信の山の鳥甲山. ・・上信越高原周辺Top

      草津を起点に足慣らしの里山.石尊山と北信鳥甲山. 最終日の北信.岩菅山はルートミスで諦めている。

   草津温泉の散策と里山.石尊山. L見城m鈴木.松村
     翌日は草津から三境に繋がる志賀草津高原線を抜けムジナ平から鳥甲山に立つ。
     3日目日は取付きの違いから諦めた岩菅山・・上信越自然歩道と志賀木戸池. 2009年06月04〜07日.L松村m見城.滝島.鈴木

    6.05. 湯上がる草津の里山.石尊山
    6.06. 華麗なシラネアオイと急稜の鳥甲山・・フクロウとウグイス
    6.07. 屋敷温泉と聖平奥から上信越自然歩道

   今年も1つの願望であった北信.鳥甲山へ出向くことができた。
     一昨年の夏は同じメンバーに広島から竹永先輩が加わり.祓川から広大な高層湿原が広がる苗場山を訪れている。

   そこからは奥信の山. 苗場山と対峙する鳥甲山が中津川で隔て0地形図では凄まじい露岩記号を示すの重厚なる山容として眺めらられる筈だった。
     真近の鳥甲山の頂み立つも.濃い雨雲に閉ざされ.山の原形さえ眺めることはできなかった。無念さだけが残され.新たな願望として掻き立てられてた。
     その鳥甲山は昨年秋に企画され.一度中断した岳でもある。

   昔は秘境と呼ばれ今でもアプローチは奥深く日本有数の豪雪地帯になっている。残雪と岩峰の岳.ゆっくり登ろうと草津から志賀高原を越え鳥甲山に入る。
     直接山懐に入るには上越道の湯沢から十二峠を越え津南より中津川を遡る。或いは.上信越道を飯山より栄町経由で中津川沿いに入るには.
     信州の回り込む裏側の長い距離の先にある。又信州側からは中野から湯田中にでて.雑魚川(ござ)を下り.ムジナ平から入山する方法がある。

   私達は見城先輩の兄さんの別荘.草津の宿を起点にして.志賀高原を縦断する形を取ることにした。
     私にとっては昭和40年代に菅平根子岳をツァースキーして以来で.何処もが初めて入る山域にだった。

   出発前日は高麗の同期鈴木邸にお世話になり.5日は草津で見城先輩と合流. 鳥甲山々行を前に.足慣らしがてら草津本白根山に登る贅沢な山行になっていた。
     それが現地本白根登山口に立ち.濃霧で足元しか見定められず視界は2.3m。諦め午前中は温泉街を散策.午後は草津の里山.石尊山で足慣らしをしている。

   翌早朝には滝島先輩も草津に入り全員が集合. 3日目にして鳥甲山を目指し.志賀・奥志賀を抜け雑魚川を遡っている。
     アプローチは20年前の見城.滝島両氏の回想から始まっていた。秋山林道は5/22日開通し.今は林道も99%が舗装されていた。
     以前の未舗装に比べ1時間ほど短縮されているが先の見えぬトラブルが発生.神経使う縦走になっていた。

    06月04日.曇
      自宅16:20=西武池袋線17:08=18:00飯能=18:25高麗S邸h1

    06月05日.山は濃霧で草津町は曇天
      S邸6:25=鶴ヶ島IC=8:00渋川・伊香保IC.K氏合流=9:35草津天狗山スキー場=スパックス草津h2.

    草津温泉と里山.石尊山

   天候はこの所週末になれば崩れ.今回も太平洋沿岸に前線が延び.関東地方は雨の日が続いている。
     ここ草津でも梅雨前の不安定さは同じで雨雲にスッポと入り込み覆われていた。
     晴れそうで晴れぬ空. 日本海側は陽射しに恵まれるも.求める山々は視界を閉ざし.濃霧と霧雨.風雨と連日包まれていた。

    午前.草津温泉散策
    
    西の河原.ヤシオツツジ公園.湯畑.大滝乃湯.11:21             温泉街で同じよう童顔になったS氏.11:45

      白根山
   6日.渋川ICで見城さんを乗せ車で直接草津の天狗スキー場まで入るものの視界は0に近かった。霧粒が幾つも空中に留まっている感じで風はないが肌寒い。
     濃霧の中に立つだけで衣類を濡らしている。本白根山に登っても足元しか判らぬだろう。明日は早朝鳥甲山へ向かう。早々に諦めている。

      草津温泉
   K先輩の兄さんの別荘に世話になる。場所は草津温泉のこんぴら神社脇.280世帯を超える大きなホテルとマンション。
     「スパックス草津」は11階建てで1.2階がホテル。地下にはプールと大きな湯殿がある。
     草津の湯は高温と強い硫黄の臭いが鼻に付き.知らぬ人も居ないほどの名湯で.よく流さず1週間も湯殿に通うと肌荒れが酷くなるらしい。

   6Fの部屋,南窓からは霞み強く右手の浅間山は望めぬが中央に位置する所には顕著な形の鼻曲山.その左に浅間隠山が小さく遠望された。
     昨年7月に二度上峠から浅間隠山に登り.頂からの眺望は雲に覆われ上信越国境は望められなかった。雨男が多いのか? 今逆側から遠望している。
     ここから左寄りに眺めれば榛名山から続く山並が雨曇に見え隠れしていた。

   風呂場の清掃は10時から正午まで.その間に温泉街を散策した。西の河原の源泉からツツジ咲く公園へ。
     温泉街中央にはよく知られた湯畑があり.湯街は坂道が多く路地のようなメーンストリートは古き日の懐かしさを忍ばさしている。

   私にとっては懐かしい湯の街。その街中に私と同名の木造の古い宿.「松村屋」の暖簾を見付けている。
     無料の共同風呂も多く.角々に見付ける数の多さは湯の豊かさを物語っている。K氏のテキパキとした案内が2時間ほど続いた。

    殺生から石尊山
   芳ケ平湿原自然歩道概略図 殺生自然歩道嫗仙ノ滝案内絵図

   足慣らしに草津の里山石尊山・・2009年06月・2013年04月
     午後.スパックス草津14:20一万代鉱一15:40石尊山一道の駅一16:35スパックス草津. L見城m鈴木.松村

   万代鉱の源泉にて.15:16

   石尊山へ分ける林道.15:27
    万代鉱からの戻り.分岐を右折すれば石尊山への小径に入る

      里山へ
   ひと風呂浴び喉を潤して午後もK氏の案内を受け裏山へ出掛けている。草津の源泉.万代鉱を見学する。河原に吹き上げる湯煙に荒々しい大地。
     この広い台地を囲むよう青葉が溢れるばかりに生い茂り.この先左下の谷間の残雪にはフキノトウが茂り美味いとか。
     朝露に濡れ綴られた林道が心地よかった。程好い湿りけが旨い空気をも生み出している。

   横道に入ると里山への道に入る。石尊山への小径はシャクナゲの径とも云われ.以外と荒れたコースになっている。
     周りの木々が育ち過ぎ.密ち過ぎる樹林が日差しを遠ざけ薄暗い。所々で道は途切れ気味.それだけ歩きずらくさせていた。

   湿気の強い径だった。腐葉土の落葉径に小刻みな凸凹のハイキングコース。足元には一夜草が途切れなく咲き.可憐な花も咲き添えている。
     石尊山を越えるとテレビ無線中継所のある頂にでて.街道沿いに下れば「道の駅」にでた。

   国道のT字路.正面が「ホテル桜井」.その裏に「スパックス草津」が建てられている。行き帰りと明日への買出しでこのT字路にはその都度通う道になる。
     夕飯は美味いと聞く「とん香」で地元のロースカツ@1.650を試食。特厚のボリューム満点のカツだった。
     大きな草津の温泉街.その地形が少しは判ってきたような気がした。草津温泉は上州きっての名湯.湯出量は日本一.源泉は酸性一含硫黄泉

       北信濃.上信国境尾根の鳥甲山・・北信濃の山々Top

    草津から雑魚川を遡り.R292号線で.志賀草津道路を抜け北信濃の中津川へ
      ムジナ平から入山時の飲料水確保のトラブルから濃霧で閉された荒れた鳥甲山を詰め.屋敷温泉「秀清館」に宿る。 L松村.m見城.滝島.鈴木
    鳥甲山
   対岸の栃川高原より・・2015.06/5.6:22 拡大写真

    草津から鳥甲山
      スパックス草津5:45=7:05ムジナ平:20一8:00尾根上:10一8:45白ーU峰:55一10:05白ーノ頭:15一11:05白砂分岐:40⇔12:15鳥甲山.
      一12:45小:55一屋敷山鞍部一13:30小:40一14:15小:25一14:45林道一15:30秋山屋敷温泉「秀清館」h3

   昨夜.鶴ヶ島をでて「道の駅」で仮眠していた滝島先輩は明け方元気よくマンションに現われた。これで全員が揃い.朝食後群馬県側から鳥甲山に挑む。
     朝食は朝の定番にした。買い出した生卵.納豆に味噌汁の具はT氏.味噌はS氏.白米は私.海苔はK氏が昨日昼食用に持参した半分を残している。

   炊事は全員の合作だが肝心の炊飯器の使用方法をK氏自身が分からなくなり,4時には起床したがスイッチを入れ替えること数回。
     何処か設定を押し違えたらしく.食事どころか.美味い炊き立て飯が食べられるまで長い時間を費やしている。

   遠くまで霞む濃霧が切れ,雲上のスカイラインを一気に北上.草津から渋峠を越え西側の頂稜を時速60kで走る。
     まだガラガラの時間帯.発哺を越え北信濃へ順調に直進した。

   今年の残雪は探すのに苦労するほど少ない。ないに等しい状況で.一昨日以来降り続いた雨も止み.路面は奥志賀に入ると乾き始めていた。
     若葉溢れる高原に淡い緑の森.もう擦れ違う車も全く見られなくなる。満水川出合を過ぎると地元釣人の駐車が目に付くようなる。
     T氏が渓流竿とビクを持参したと云う。山を登り終えてからの楽しみが増えている。

   ムジナ平より白ー尾根(しろくら)のコブを臨む.7:32

      鳥甲山登山口
   天気の崩れを予想,予定より早めに出発。7時にはムジナ平に入る。12℃
     車は1台も駐車していなかった。ポストに登山届をだし尾根上まで直登する。15分程で左手に脇道を見る。ただここで大変なミスをしでかした。
     ここを下った所に大山清水がある。

   水場がこの先にあると私もT氏も思い込んでいた。切明温泉からの水場コースをムジナ平からと思い込み.平然と通過してしまっている。
     気が付いたのは1時間ほど先.尾根の峰が見え始めた頃だった。

   その道中はブナやミズナラの巨木が伐採されず.残されたままの処に杉が植林されていた。カエルが鳴き.フクロウの声を左上の高みに聞く。
     フクロウは延々と自分の居場所を示すよう.下方になっても鳴き続けている。ウグイスも混ざり合唱するが如く.登り斜面に響き渡る。

   最初より急登.8:06

      飲料水
   1本取り,各々の残っている水の量を調べる。200cc×2+300cc+1.300cc,私は0。
     予定では炊事用に各々1.000ccを別に持参し.この水場で汲む予定でいた。もう一汗掻いているが休めは肌寒い。

   視界は足元から秋山郷の里の一部だけが望め,周りはガスの中だった。今にも降りだしそうな天気。暑くもなく昼食を諦めれば如何にか持ちそうだった。
     各々が豆トマト.サクランボ.バナナ.リンゴと果物類を持ちゼリーや水羊羹もある。昨日仕入れたアンパンと今朝の残こりを結飯にしたのも助かっている。

   まだ登り始めたばかりだが頭をさげ.昼食なしと飲料水の節約をお願いした。
     愚痴を言わぬ仲間に感謝.1本休む毎に水分の多い食物から補給していくことにした。私1人だったら水汲みに戻らねばならなかっただろう。

   尾根にでてうまい煙草.8:53

    秋山郷と中津川
   8:47
    中央右が和山温泉.横溝が新国道. 左.上裾の左へ中津川に落ちる所が雪崩の巣. 対岸は平らな苗場山と龍ノ峰

      雑魚川林道(秋山林道)
   尾根にでると時間の割りに結構高度を稼いでいた。ここまで来ると足元から深い壁溝を築き急激に高度を落とす秋山郷が見下ろされる。
     反対の満水川方面は濃いガスに閉ざされた間々。真後ろの雑魚川沿いを臨むと.先ほど車で下ってきた林道のジグザク道がまだ見下ろされる。

   林道はまだ近い位置にある。時折振り返るも林道の高度はそれ程変わらないでいた。
     今見ている林道からは中津川出合まで急激に高度を落としていたが.ここからはその先は覗めない。
     林道は深い谷間の山腹高くを走り.秋山郷に比べると見る目線での高度差が少なく.変な錯覚を起こさせていた。

   万仏岩.このメンバーでは危険はない.8:48

   小水ノ頭を越え尾根筋に乗ると低い潅木帯に変わり.最初の岩峰.万仏岩にでる。
     梯子がぶら下がりも支えが不安定だった。誰も梯子は眼中になく.鎖だけを使い岩上に捩じるよう乗り越える。
     周りは潅木が茂り.高度感にも安心をもたらしていた。危険と思えば慎重に進む仲間達.技術面での心配はない。8:48

     白ーU峰のコブ,9:33
    白ーV峰へまだ余裕のある顔々.9:18

   白ーU峰.V峰と視界が開けコブを越すも霞む空は変わらず眺望はない。中津川側だけが足元に開け.鳥甲山の大岸壁が見下ろされる。
     ルンゼにへばり付く残雪は雪白く臨められるものの.谷底を埋め尽くす残雪は雪面に土砂が被り.土砂で谷底の残雪を判らなくさせていた。
     それにしても少ない残り雪。今年の山々は私が聞く限り.上越も然り何処もが少な過ぎるようだった。

   雨雲の境から赤ーノ頭(ホコ)と正面岩壁.9:31

     9:48
     背丈の割りに大きく咲くシラネアオイ.淡い色合いで大輪だが可憐に咲く
    獣道口
  
痩せ始めた白ー尾根.白沢側岩壁の端に獣道を見付ける。
  尾根上に出る折.引っ掛けたと思われる獣の毛が付いていた。カモシカ?
  山径では鹿ではなくカモシカの糞を幾度となく見ている・・9:24


   白ーノ頭.10:28

   潅木に閉ざされた白ーノ頭に立ち1本。ペースはよい。水の補給も2口ずつ呑んでは私にも伝わってくるのも心強い。
     大きな果物入りゼリーを食べたばかりだが.今度の休みではバナナを1房ずつ分け合う予定でいる。

   10:46

      カミソリ岩と刃
   白ーノ頭を少し下るとカミソリ岩にでる。「直登禁止」と看板で示されていた。それ故白沢より基部をトラバースした。ここは短いながら厳しい。
     ザレた斜面で求めるべき潅木の根は弱く.その下はスポッと中央壁へ抉れ落ちている。霧雨が落ち始めているものの土壌は乾いて助かっている。

   滑り易い土壌に傾いた足元.一番必要と思われる所に鎖なり.トラロープはなかった。一か八かで通る場所ではない。
     たった10mにも満たない距離が.後から思えば一番危険な場所になる。

    
    カミソリ岩北面と中央上のトラバース地点を覗く.11:15

   その先のカミソリの刃は両側が鋭く落し.跨いで進まなければならないと心配していたが驚く程でもなかった。10:56
     高度感はあるものの短く落ち着いて行動すれば案ずることはなかった。却って跨いで進む方が危険。
     覗き込むと見事にハング状に壁が落ちている。

    鳥甲山々頂
     12:03

      大休止
   白砂分岐で大休止する。各々のザックにはコンロが3つと空ポリが幾つも入っている。無意味になったコンロと食材。
     改めて申し訳ないと思う。冗談にも口に出さない仲間達。私だったら口に出して云ったかも知れない。
     3人の気持ちの大きさに感謝.私は抑えていた気からも解放され.はしゃぎだす子供のよう嬉しかった。彼等の大人ぶるを見習うべきだろう。

   小さな結飯を更に半分ずつに分け.1個のリンゴも4つに.そして水羊羹を食べた。
     飲水は足りそうに残されている。残りの漬物にサクランボ.そして口直しには塩コンフと水不足に合わぬようなもの゙を口にした。

   山頂, 晴れていても視界は悪いかも知れない。針葉樹の潅木疎林が頂を被い.今10m先がガスで見えないでいる。
     ガスに包まれていると鳥甲の頂に立つと低山の平凡な頂に居るようにも思えた。今開かれさえすれば驚くほど山深い秘境の山に変わっただろう。

   頂には屋敷温泉から登ってきたハイカー達にが占められていた。今日初めて擦れ違ったグループ。
     彼等5人組は具を沢山入れた大きなコッヘルで煮込んでいる。待つ間の缶ビール。それを横目に見て.頂を離れた。

    
    布岩尾根に入るとシャクナゲが茂りだす.1:32

   下りの茂みに入り,初めて穂のかな残雪を踏む。小さな小さな残り雪。
     周りは立ち起きたばかりの泥混じりの笹枝が擦れ違う私達を汚している。そして下るにつれ笹丈も大分高くなってきた。

   ヤシオツツジ.12:47

      布岩尾根
   屋敷ルートは下り一方で平坦な径はない。歩む都度,下る傾斜は増してくる。下り始めた草付お花畑も急だった。
     好天なら素晴らしい眺望に恵まれる。灰色のガスは更に黒さを増し.漸くは足元だけを見詰めるだけになった。

   低い潅木帯に入ると西側の谷からカッコウの啼き声を聞き.目立ち始めたシャクナゲの群生は競うよう花を咲かせている。
     この稜は入山からイワカガミの飾る径でもあった。径脇を常に咲き添えている。

   又頂までの白ー尾根はシラネアオイの連なる径だった。時々T氏が言う穂のかな甘酸っぱい香りの漂う所も抜けている。
     クチナシに似た香り.樹草も判らぬが.風はずっと無風状態で薫らしているのかも知れない。又風が起き流れればガスは切れるのだが。
     頂から変わって現われたのがシャクナゲの潜る街道であり.ネマガリダケも径端に多く伸びだしていた。

    
    赤ー北峰を越えると稜に白樺の大木があった.12:43 珍しく稜に立つ巨松.12:52

   霧の粒が増してきた。ただカッパを着るには悠著する。休めばやや寒いが動けば暑くなる。
     それよりメガネが曇りだし苦労する。メガネを掛けねば歩けぬほど視力は落ちていた。その上レンズが合わなくなっている。

   慌しく怖い下りが続いた。最近度が進んだようだ。帰京したらメガネを替えねばならないかも。
     K氏が差し出してくれたテッシュでメガネを拭けば綺麗になるものの.横風を受け下を向けば直ぐ雫で濡れだした。そして曇だす。

   屋敷山鞍部を下る.12:47

   笹藪にゼンマイが混ざり茂っている。Sが時々言葉を掛けてくれるが私には判らないでいた。
     指を指し,漸く頷く私。自分で探そうと足元の笹を探るも判らない。歩きながら探すのは私には至難の技だった。
     歩みを止め.ジックリ見詰めるとあるわあるわ。

   荒れ崩れる階段状の下りが最後まで続く.13:22

   屋敷山鞍部.道標あるも地点名は消されていた。ここから径はダイレクトに集落まで落ちている。
     登りの苦労もあるが.下りも直下の曲根の階段となる。岩盤に落葉が被り.濡れた斜面に足場を取られがちになり.ヒザは笑い始めている。
     熊笹も背丈に伸ばし雨径のような窪んだ径が続いている。すると知らずして周りは巨樹のブナに被われていた。

    ブナの世界
   ブナの森に入り1本.14:33

   ブナの森,そこは大地から高い空間を造っている。何時ものことだがブナの森は目を潤し心を癒す。まして巨木林,
     ブナの樹葉に吸い込まれる霧雨は幾重にも重なり合う樹葉に被われ地上まで雨雫を落さずにいた。

   下りでも汗を掻き疲れ.足は棒になりかけている。疲れを和ます雨雫に濡れる青葉。何時までも留まっていたい静寂に満ちた大地の下りが続く。
     径底は滑り易く荒れた径だった。通う人はムジナ平より少ないだろう。何処で休んでも贅沢なブナの森の中にいた。

   高い空間の先にブナの茂みがある.14:35

      熊取り印
   途切れなくブナ径の急坂が続く。岩混ざりの窪溝を綴る両脇に熊取りの印としてブナの幹にマタギの刻みが幾つも印されていた。
     新潟県の猟師は明治から大正時代にかけ春の熊猟を「熊取り」の文字として大きなブナの幹に刻み付けていた。
     昔の古い刻みだが数は多い。熊達の寝倉が近いのか.遊び場だったのか.それとも獣道が横切っているのか.続けて幾つも認められる。

   その数の多さにも驚かされた。それはブナの太い幹に.目のやや上の高さに刻まれている。これもブナの成長と共に30年ほどで薄く読めなくなるだろう。。
     よく読み取れぬが細かく年月日.熊の大きさがナタで刻まれ.そこで撃ちとめたことが印されている。記録を集めると1冊の本ができそうだった。

   動けば途切れのない下り径が続く。枝に頼りすぎ足を取られ転倒した。否や滑り落ちた。
     ジット足先を見詰めていないと又転ぶだろう。よそ見すれば転ぶ。目は足元から離さないに限る。ズボンの裾はもう皆泥だらけだった。

    林道にでた瞬間.何故か笑っている
    
    林道にでて.14:52                 屋敷口10分.河原までこれからが長い.15:17

   漸く雪堰を認めて2基目で林道にでた。左に折れれば屋敷隧道から前倉へ。右に折れれば朝方出たムジナ平口へ。
     直進すれば小赤沢.屋敷の集落にでる。誰もいない民族資料館の通用門を抜け.間々下ると中津川の河原沿いに屋敷温泉「秀清館」を見い出した。

   冬期は無人となる屋敷の集落.15:38・・鳥甲山概念図

    鳥甲山T.草津の里山と鳥甲山
    鳥甲山U.屋敷温泉と聖平奥から上信越自然歩道